「口腔外科」の記事一覧

#02 楽しい思い出しかない。優秀なスタッフとの出会いや学びはよい刺激になります。
#02 楽しい思い出しかない。優秀なスタッフとの出会いや学びはよい刺激になります。
発展途上国、日本のへき地離島、大規模災害の被災地……。世の中には「医療の届かないところ」があります。NPOジャパンハートはそんなところに、無償で医療支援を行っています。ボランティアとして参加した医療従事者が、現地での活動内容などを報告します。 - 専門科:口腔外科 - 医師歴:15年 - ジャパンハートでの活動期間:2015年4月~2016年3月 - 活動国:ミャンマー (長期ボランティア終了後は月に一度ミャンマーで活動しています) ─ 活動地での業務内容・役割を教えてください。 現地スタッフ、研修生(看護師)の指導、外来診察、寺子屋事業、洪水災害支援、 手術室管理、患者データベース管理、手術(口腔外科分野のみ)、等々。たまに料理指導。 ─ ジャパンハートで活動を始めた理由を教えてください。 発展途上国で口唇口蓋裂の治療に携わりたいと、大学生の頃から思っていました。 吉岡秀人先生が海外で口唇裂の手術をしていることを知り、ミャンマーを訪れました。「うちに来たらいいよ」とお声かけいただき、大学病院を辞め、活動を始めました。 ─ 参加までのハードルや解決すべき課題など(仕事・お金・家族の説得など) 仕事:大学病院を辞めることで迷惑をかけてしまうのではないか、まだ何の技術や知識もない私がミャンマーで何ができるのか、日本でもっと努力すべきことがあるのではないか、等々、不安はありました。しかし退職した翌日、びっくりするほど晴々とした気持ちの自分がいました。これからやりたいことに向かって進める希望に満ち溢れていました。“自由だ!”と心の中で叫びました。 お金:死なない程度のお金があればいいかと軽い気持ちでした。帰国後、銀行の預金残高を見て少し焦りましたが、なんとかなります。生きていける。 家族の説得:全てが決まってから打ち明けました。父からは「そうか」の一言でした。 ─ 言語・価値観・が違う現地の方々、また駐在している日本の医療者との活動で困ったこと、また工夫などありましたら教えてください。(スタッフとの連携や、人間関係) 不思議と困ったことが思い出せません。楽しい思い出しかない。おそらく大変だったこと、困ったことはあったかもしれませんが、そのような体験の方が後々思い出され、笑い話にもできるくらいです。 言語については、ミャンマーの場合、拠点病院であるワチェ慈善病院には日本語が話せる現地スタッフが大勢いますので、ミャンマー語と日本語のミックスで会話していました。現地ドクターとは英語で話していました。 価値観は日本にいてもどこの世界に行っても、違う人は違う。国によって差はないと思っているので、そのことについては考えたこともありません。 ─ 現地で医療をする楽しみはなんですか? いろいろな人に出会えることです。ドクターに限らず、看護師、地域の方々から学ぶことは多々ありました。学歴や年齢、経験年数は違えども、優秀な人はたくさんいることに、再度気づかされました。皆さん本当に勉強熱心です。 ─ 活動地での忘れられないエピソードがあれば教えてください。 多すぎてこの紙面だけでは書ききれません。もちろんつらいエピソードはありません。 知りたい!という方は一晩かけてお話します。 ─ 帰国後はどのような活動をされていますか? 現地に口唇口蓋裂センターを立ち上げるべく、定期的にミャンマーを訪問しています。現在は月に1回くらいでしょうか。 ─ 帰国後の進路について、参加前に準備していた、戻ってくる環境を整えていた等、参加中~終了前にどういう動き(就職活動的なこと)をしたか、などありましたらお聞かせください。 帰国後の進路は決めずに行きました。なんとかなるだろうと思っていました。 上記にも示したとおり、死にゃしないだろうと。これは参考になりませんので、一個人の意見として受け取っていただければ幸いです。 ただし活動を続けるためにはお金が必要です。自分の生活と現地での活動。バランスが難しいですね。永遠のテーマです(すみません大げさです)。 ─ 今後の参加者へのアドバイスと、参加を迷われている方へ一言お願いします。 迷われている先生がいれば言いたい。とにかく行ってみて。以上です。 (ジャパンハート 2019年7月12日掲載) ジャパンハートは、ミャンマー、カンボジア、ラオスで長期ボランティアとして活動してくれる医師を募集しています。 オンライン相談会を実施中です。「医療の届かないところに医療を届ける」活動に関心のある方は、ちょっとのぞいてみてください。 〉ジャパンハート オンライン相談会ページ