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多発性骨髄腫の1stラインにD-BLd療法は支持されるか〜CEPHEUS試験
公開日:2025年2月18日
多発性骨髄腫(MM)の治療において、ダラツムマブをベースとした3剤併用および4剤併用の標準治療レジメンは、未治療MM患者の生存率向上に寄与することが実証されている。現在、未治療で移植適応のないMM患者では、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(DLd療法)またはボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(BLd療法)のいずれかによる3剤併用療法が、標準療法とされている。米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのSaad Z. Usmani氏らは、未治療で移植適応のないMM患者または初期治療として移植が計画されていないMM患者を対象に、ダラツムマブ+BLd療法(D-BLd療法)の有用性を評価するため、ランダム化第III相試験であるCEPHEUS試験を実施した。Nature Medicine誌オンライン版2025年2月5日号の報告。
対象は、未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者約395例。D-BLd療法群またはBLd療法群のいずれかにランダムに割り付けられた。8コースのD-BLd療法またはBLd療法を実施した。その後、病勢進行が認められるまでD-Ld療法またはLd療法を継続した。主要エンドポイントは、次世代シーケンサー(NGS)による10−5での全体的な微小残存病変(MRD)陰性化率とした。主な副次的エンドポイントは、完全奏効(CR)以上の割合、無増悪生存期間(PFS)、10−5での持続的なMRD陰性化を含めた。
主な結果は以下のとおり。
・フォローアップ期間中央値は58.7ヵ月。 ・MRD陰性化率は、D-BLd療法群で60.9%、BLd療法群で39.4%であった(オッズ比:2.37、95%信頼区間[CI]:1.58〜3.55、p<0.0001)。 ・D-BLd療法群では、BLd療法群よりもCR以上の割合、持続的なMRD陰性化率が有意に高かった。 【CR以上の割合】81.2% vs.61.6%、p<0.0001 【持続的なMRD陰性化率(12ヵ月以上)】48.7% vs. 26.3%、p<0.0001 ・病勢進行または死亡リスクは、D-BLd療法群の方がBLd療法群よりも43%低かった(ハザード比:0.57、95%CI:0.41〜0.79、p=0.0005)。 ・有害事象は、ダラツムマブおよびBLd療法で報告されている既知の安全性プロファイルと一致していた。
著者らは「BLd療法にダラツムマブを併用することで、MRD陰性などの奏効がより深く、持続的にみられることが示された。未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者に対する新たな標準治療として、D-BLd療法による4剤併用は支持されるものである」と結論付けている。
対象は、未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者約395例。D-BLd療法群またはBLd療法群のいずれかにランダムに割り付けられた。8コースのD-BLd療法またはBLd療法を実施した。その後、病勢進行が認められるまでD-Ld療法またはLd療法を継続した。主要エンドポイントは、次世代シーケンサー(NGS)による10−5での全体的な微小残存病変(MRD)陰性化率とした。主な副次的エンドポイントは、完全奏効(CR)以上の割合、無増悪生存期間(PFS)、10−5での持続的なMRD陰性化を含めた。
主な結果は以下のとおり。
・フォローアップ期間中央値は58.7ヵ月。 ・MRD陰性化率は、D-BLd療法群で60.9%、BLd療法群で39.4%であった(オッズ比:2.37、95%信頼区間[CI]:1.58〜3.55、p<0.0001)。 ・D-BLd療法群では、BLd療法群よりもCR以上の割合、持続的なMRD陰性化率が有意に高かった。 【CR以上の割合】81.2% vs.61.6%、p<0.0001 【持続的なMRD陰性化率(12ヵ月以上)】48.7% vs. 26.3%、p<0.0001 ・病勢進行または死亡リスクは、D-BLd療法群の方がBLd療法群よりも43%低かった(ハザード比:0.57、95%CI:0.41〜0.79、p=0.0005)。 ・有害事象は、ダラツムマブおよびBLd療法で報告されている既知の安全性プロファイルと一致していた。
著者らは「BLd療法にダラツムマブを併用することで、MRD陰性などの奏効がより深く、持続的にみられることが示された。未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者に対する新たな標準治療として、D-BLd療法による4剤併用は支持されるものである」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Usmani SZ, et al. Nat Med. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]
▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39910273
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