「燃え尽き症候群」の記事一覧

医療従事者の燃え尽き症候群とケアの質との関連性を示す証拠。A Systematic Review and Meta-analysis.
医療従事者の燃え尽き症候群とケアの質との関連性を示す証拠。A Systematic Review and Meta-analysis.
Evidence Relating Health Care Provider Burnout and Quality of Care: A Systematic Review and Meta-analysis Ann Intern Med 2019 Oct 15;171(8):555-567. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ×マイナビ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】医療従事者の燃え尽きが患者ケアの質の低下に寄与しているかどうかは不明である。 【目的】燃え尽きとケアの質の全体的な関係を推定し、発表された研究がこの関係を誇張して推定しているかどうかを評価する。 【データソース】MEDLINE、PsycINFO、Health and Psychosocial Instruments (EBSCO)、Mental Measurements Yearbook (EBSCO)、EMBASE (Elsevier)、Web of Science (Clarivate Analytics)を対象に、言語制限なしで、創刊から2019年5月28日までの期間で検索した。研究の選択]言語を問わず、医療従事者のバーンアウトと患者ケアの質との関連を定量化した査読付き出版物。 【データの抽出】2人の査読者が独立して研究を選択し、バーンアウトとケアの質の関連の測定値を抽出し、Ioannidis(過剰有意性)およびEgger(小規模研究効果)検定を用いて潜在的なバイアスを評価した。 【データの統合】合計11703件の引用を同定し、そこから123件、142人の研究集団、241 553人の医療従事者を対象とした出版物を選択した。ケアの質に関するアウトカムは、ベストプラクティス(n=14)、コミュニケーション(n=5)、医療過誤(n=32)、患者アウトカム(n=17)、品質と安全(n=74)の5つのカテゴリーに分類された。燃え尽き症候群とケアの質との関係は非常に不均質であった(I2 = 93.4%~98.8%)。燃え尽き症候群とケアの質の組み合わせ114件のうち、58件は質の低いケアに関連する燃え尽き症候群であり、6件は質の高いケアに関連する燃え尽き症候群であり、50件は有意な効果を示さなかった。過剰な有意性が明らかになった(統計的に有意な結果が得られると予測された研究の62%に対して、観察された研究の73%、P = 0.011)。このバイアスの可能性を示す指標は、最も信頼性の低い品質指標であるベストプラクティスと品質と安全性で最も顕著であった。 【限界】研究は主に観察的であり、因果関係も方向性も決定できなかった。 【結論】医療従事者の燃え尽き症候群は、発表された文献において質の低いケアと頻繁に関連している。真の効果の大きさは、報告されているよりも小さいかもしれない。今後の研究では、誇張された効果量推定のリスクを減らすために、結果を事前に規定する必要がある。 【主な資金源】Stanford Maternal and Child Health Research Institute. 第一人者の医師による解説 対象とした論文の内容が不均一 さらなる厳密な研究必要 饗場郁子1)/玉腰暁子2) 1)独立行政法人国立病院機構東名古屋病院脳神経内科臨床研究部長、 2)北海道大学大学院医学研究院社会医学分野公衆衛生学教室教授 MMJ.April 2020;16(2) 近年、医療提供者の燃え尽き症候群(バーンアウト)が問題になっている。バーンアウトとは、 1974年にアメリカの心理学者 Freudenbergerが 提唱した概念で、対人的サービスを提供する職種において、元来活発に仕事をしていた人が「燃え尽 きたように」意欲を失う状態を指す(1)。バーンアウトは、情緒的消耗感(仕事を通じて情緒的に力を出し尽くし、消耗してしまった状態)、脱人格化(患者 に対する無情で非人間的な対応で、防衛反応の1つ)、 個人的達成感の低下の3要素から構成される。バーンアウト評価には上記3要素を評価するMaslach Burnout Inventory(MBI)を用いるのが一般的で、 日本語版も存在する(2)。 これまでに多数の研究で医療提供者のバーンアウトは患者に提供するケアの質の低下と関連すると報告されているが、その多くは後方視的な観察研究で、測定方法にばらつきがあり、バイアスのリスクが懸念されている(3)。 そこで本論文では、言語を問わず当該テーマを扱っている査読付き論文を対象としたメタアナリシスが行われた。論文レビューは2人が独立して行い、必要な情報を抽出し、潜在的なバイアスとして過度な有意性をIoannidis テストにより検討した。 結果として、バーンアウトとケアの質の関連は非常に異質性が大きく(I2 = 93.4~98.8% )、検討した研究114件のうち、58件ではケアの質の低さと、6件ではケアの質の高さと関連していたが、 50件では有意な効果が示されなかった。統計学的に有意な結果が得られると期待される論文数と実際に有意な報告をした論文数を比較した結果、過度に有意な報告がなされていると考えられた(62% 対 73%;P= 0.011)。この指標が示す潜在的なバイアスは、ケアの質を5分類した場合、日常収集される情報に基づいて後方視的な研究で用いられることが多い「ベストプラクティス」と「品質と安全性」で顕著に観察された。 結論として、医療提供者のバーンアウトはしばしばケアの質の低下と関連すると報告されてきたものの厳密な研究はほとんど存在せず、効果の大きさは報告されたものよりも小さい可能性があった。 バーンアウトを減らすことでケアの質が向上するか、ケアの質を向上させることでバーンアウトが軽減するかは不明であり、これらの答えを出すには、適切なpowerのあるデザインされたランダム化試 験が不可欠である。 1.Freudenberger HJ. J Social Issues.1974;30:159-165. 2. 久保真人.セレクション社会心理学(サイエンス社), 2004. 3. Dewa CS et al. BMJ Open. 2017;7(6):e015141.
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.49(2023年5月18日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.49(2023年5月18日号)
腸内細菌叢を探るなら便ではなく.. ヒトのマイクロバイオーム、プロテオーム、およびメタボロームは、腸の生理機能や疾患に影響を与える可能性がある。これまでの研究は便サンプルや、絶食または鎮静状態の人を対象とした内視鏡検査での限定的な腸内アクセスによるもので、実際の生体内での微生物の分布やその活動についてはほとんどわかっていなかった。著者らは、摂取可能な特殊カプセルを開発し、通常の消化中にヒト腸管の複数の領域からサンプルを収集した。Nature誌オンライン版2023年5月10日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 慢性疼痛に効く唯一の抗うつ薬は? 慢性疼痛は成人に多く、身体能力、幸福感、QOLに有害な影響を与えることが多い。これまでのレビューでは、特定の抗うつ薬が、特定の慢性疼痛において一定の効果があることが示されているが、すべての慢性疼痛においてすべての抗うつ薬を検討したネットワークメタ解析(NMA)はない。著者らは、慢性疼痛(頭痛を除く)を有する成人に対する抗うつ薬の有効性と安全性を比較評価するために、NMAを行った。The Cochrane Database of Systematic Reviews誌2023年5月10日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 検査キットの郵送で子宮頸がん検診受診率が2倍に!? 米国における子宮頸がんの多くは、検診未受診の女性で発生している。著者らは、低所得者層の子宮頸がん検診受診率が低い女性において、HPV自己採取キットの郵送と予約サポートが、予約サポートのみと比較してどの程度有効かを評価するために、第3相非盲検2群ランダム化比較試験を行った。My Body, My Test-3(MBMT-3)試験。The Lancet Public Health誌オンライン版2023年5月11日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 医療従事者のストレスを軽減するために有効な施策は? 医療従事者は、職場での要求、スキル、社会的支援のバランスが崩れることにより、仕事上のストレスに悩まされることがあり、燃え尽き症候群、心身症、サービス提供の低下を招く可能性がある。著者らは、医療従事者に向けたストレス介入の有効性を評価する無作為化比較対照試験を対象に、システマティックレビューを行った。2015年のコクランレビューの更新版。The Cochrane Database of Systematic Reviews誌2023年5月12日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 世界の死亡率・ヘルスケア人材の不平等はこの30年で改善されたか? 1990年から2019年までの世界の全死因死亡率と特定死因別死亡率に関連するヘルスケア人材(HRH)の不平等を調査するために、172の国と地域を対象とした観察研究を行った。BMJ誌2023年5月10日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.48(2023年5月11日号) 間食にはアーモンド?ビスケット? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.47(2023年4月27日号) 骨粗鬆症治療薬デノスマブが糖尿病リスクを減らす? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.46(2023年4月20日号) 理想的な陰嚢のサイズは? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.45(2023年4月13日号) 砂糖の1日の摂取目安は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.44(2023年4月6日号) グルコサミンの定期服用で、認知症リスクが下がる!? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.43(2023年3月30日号) コーヒーの心臓への影響は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.42(2023年3月23日号) 雄マウスのiPS細胞から卵子作製!?子も誕生!? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.41(2023年3月16日号) アルツハイマー病のリスク低減・進行を防ぐ食事とは? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.40(2023年3月9日号) 地上とトレッドミルでのランニング、効果に差はあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.39(2023年3月2日号) 筋トレには、動物性タンパク質?植物性タンパク質は効果あり? ≫その他4本