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超高額なPNH治療、イプタコパンは医療費削減に寄与するか/Blood
超高額なPNH治療、イプタコパンは医療費削減に寄与するか/Blood
公開日:2024年10月11日 Ito S, et al. Blood. 2024 Oct 7. [Epub ahead of print]  補体B因子阻害薬イプタコパンは、持続性補体介在性溶血性貧血を特徴とするまれな血液疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療薬として承認された薬剤である。従来の標準療法では、補体C5阻害薬エクリズマブやラブリズマブが用いられてきたが、血管外溶血による持続性貧血や静脈内投与などの課題もあった。イプタコパンの第III相試験では、標準療法と比較し、イプタコパン単独療法の有用性が示されている。米国・イェール大学の伊藤 怜子氏らは、補体C5阻害薬による標準治療とイプタコパン単独療法における費用対効果分析を実施した。Blood誌オンライン版2024年10月7日号の報告。  主要アウトカムは、生涯にわたる増分純金銭便益(IMMB)および標準療法と比較したイプタコパン単独療法の費用対効果最大月額閾値とした。副次的アウトカムは、経口イプタコパン療法による患者および看護師の節約時間とした。 主な結果は以下のとおり。 ・費用は、イプタコパン単独療法で952万ドル、標準療法で1,350万ドル。 ・質調整生存年(QALY)は、イプタコパン単独療法で12.6QALY、標準療法で10.8QALY。 ・広範な感度分析およびシナリオ分析(貧血改善のための代替パラメータ、集計された個人レベルでの効果、遷移確率を含む)では、イプタコパンのコスト削減効果が認められた。 ・すべての確率的感度分析では、1万回のモンテカルロ法において100%の確率で、イプタコパン療法は、標準療法よりも優れていた。 ・標準療法に対するイプタコパンのコスト削減閾値は、ブラジルで1.1以下、日本で1.4、米国で1.4であった。  著者らは「イプタコパン単独療法は、いずれの国においてもPHNの医療費削減に貢献し、患者のQALYの延長に寄与することが示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ito S, et al. Blood. 2024 Oct 7. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39374533 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら