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日本人ステロイド依存性/抵抗性慢性GVHDの2ndライン以降の治療〜ベルモスジル非盲検試験
日本人ステロイド依存性/抵抗性慢性GVHDの2ndライン以降の治療〜ベルモスジル非盲検試験
公開日:2024年7月4日 Inamoto Y, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 27. [Epub ahead of print]  選択的ROCK2阻害薬ベルモスジルは、免疫調節作用と抗線維化作用を有する薬剤である。国立がん研究センター中央病院の稲本 賢弘氏らは、12歳以上のステロイド依存性/ステロイド抵抗性の慢性移植片対宿主病(GVHD)の日本人患者21例を対象に、2ndライン以降の治療としてベルモスジル200mgを1日1回投与した際の有用性を評価するため、多施設共同オープンラベル単群試験を実施し、その結果を報告した。American Journal of Hematology誌オンライン版2024年6月27日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・主要エンドポイントである最終患者登録後24週間における全奏効率(ORR)は85.7%(95%信頼区間[CI]:63.7〜97.0)であった(事前に定義した95%CIの下限閾値25%超)。 ・24週での奏効持続期間のカプランマイヤー推定値は75%(95%CI:46〜90)であり、18例中13例(72.2%)において20週以上の持続的な効果が認められた。 ・奏効期間中央値は4.1週間(範囲:3.90〜8.10)、4週間ORRは47.6%、24週間ORRは75.0%であった。最良ORRは、関節/fasciaで80%、口腔で66.7%、皮膚で75.0%であった。 ・全体では、臨床的に有用な症状改善が1回以上認められた患者の割合は57.1%、症状改善期間中央値は22.2週間(範囲:4.0〜51.3)であった。 ・患者の57.1%において、コルチコステロイドの投与量減量が確認された。 ・無再発生存率と全生存率の中央値は、未達であった。 ・治療中に有害事象が発生した患者は85.7%、最も多かった有害事象は下痢(19.0%)であり、薬剤関連有害事象は38.1%であった。 ・薬剤に関連した治療中止や死亡は、報告されなかった。  著者らは「本試験により、日本人のステロイドで効果不十分な慢性GVHD患者に対する2ndライン以降の治療としてベルモスジル200mgを1日1回投与の有効性が確認され、新たな安全性上の懸念も見つからなかった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Inamoto Y, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 27. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38934629 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら