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AMLにおける心毒性、ベネトクラクス vs. アントラサイクリン
AMLにおける心毒性、ベネトクラクス vs. アントラサイクリン
公開日:2024年11月14日 Onoue T, et al. Cardiooncology. 2024; 10: 75.  アントラサイクリンが適応とならない急性骨髄性白血病(AML)患者に、ベネトクラクスは有望な薬剤である。しかし、ベネトクラクスは、ラットにおいて心筋に対し悪影響を及ぼすことが報告されている。米国・ペンシルバニア大学のTakeshi Onoue氏らは、ベネトクラクスで治療を行ったAML患者における心血管(CV)イベントの発生率を調査し、ベネトクラクスとアントラサイクリンのCVアウトカムの比較を行った。Cardio-oncology誌2024年11月1日号の報告。  対象は、2017〜2021年7月にAMLと診断され、ベネトクラクス(103例)またはアントラサイクリン(217例)で治療を行った患者。主要CVイベント(新規発症心不全、急性心筋梗塞、新規発症心房細動を含む)を調査した。ベネトクラクス群とアントラサイクリン群を比較するため、傾向スコア法を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・ベネトクラクス群は、アントラサイクリン群と比較し、より高齢で、脂質異常症の割合が高かった。 ・ベネトクラクス群のうち、心エコー検査を受けた患者の割合は63%にとどまった(アントラサイクリン群では93%、p<0.001)。 ・主要CVイベントは、ベネトクラクス群18例(17%)、アントラサイクリン群27例(12%)で認められ、両群ともに新規発症心不全が10%で発生した。 ・主要CVイベント発生までの平均期間は8日(四分位範囲:5〜98)。 ・マッチしたコホート(患者数:132例)では、1年後の主要CVイベントの累積発生率に有意な差は認められなかった(ベネトクラクス群:17.5%、アントラサイクリン群:9.2%、p=0.27)。  著者らは「ベネトクラクスの主要CVイベントの発生率は、アントラサイクリンと同様であった。ベネトクラクス治療患者では、治療の早期段階でCVモニタリングを注意深く行うことが、リスクマネジメントに役立つ可能性がある」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Onoue T, et al. Cardiooncology. 2024; 10: 75.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39487530 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら