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再発・難治性の慢性GVHDに期待されるCSF1R抗体axatilimabの第II相ピボタル試験/NEJM
再発・難治性の慢性GVHDに期待されるCSF1R抗体axatilimabの第II相ピボタル試験/NEJM
公開日:2024年9月19日 Wolff D, et al. N Engl J Med. 2024; 391: 1002-1014.  コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)依存性の単球およびマクロファージは、同種造血幹細胞移植の長期的合併症の1つである慢性移植片対宿主病(GVHD)の重要なメディエーターである。CSF1R抗体axatilimabは、慢性GVHDに対して有望な臨床活性が示されている薬剤である。ドイツ・レーゲンスブルク大学のDaniel Wolff氏らは、再発または難治性の慢性GVHDに対するaxatilimabの3用量を評価した第II相国際共同ランダム化ピボタル試験を実施し、その結果を報告した。NEJM誌2024年9月19日号の報告。  対象患者241例は、0.3mg群(axatilimabを2週間ごとに0.3mg/kgで静脈投与)80例、1mg群(axatilimabを2週間ごとに1mg/kgで静脈投与)81例、3mg群(axatilimabを4週間ごとに3mg/kgで静脈投与)80例のいずれかにランダムに割り付けられた。主要エンドポイントは、最初の6サイクルにおける全奏効(OR、完全奏効または部分奏効)とした。主要な副次的エンドポイントは、患者が報告した慢性GVHD症状負荷の減少とし、その定義は、Lee慢性GVHD症状評価尺度修正版(0〜100の範囲で、高スコアほど症状悪化を示す)5ポイント以上の減少とした。95%信頼区間(CI)の下限が30%超の場合、主要エンドポイントを達成したとみなした。 主な結果は以下のとおり。 ・主要エンドポイントは、すべての群で達成された。 ・ORは、0.3mg群74%(95%CI:63〜83)、1mg群67%(95%CI:55〜77)、3mg群50%(95%CI:39〜61)であった。 ・Lee慢性GVHD症状評価尺度修正版の5ポイント以上の減少は、0.3mg群60%、1mg群69%、3mg群41%で認められた。 ・最も多い有害事象は、CSF1R阻害に関連する用量依存的な一過性の臨床検査値異常であった。 ・axatilimabの投与中止につながる有害事象は、0.3mg群6%、1mg群22%、3mg群18%で発生した。  著者らは「axatilimabによりCSF1R依存性の単球およびマクロファージをターゲットとすることで、再発または難治性の慢性GVHD患者における奏効率を高めることが可能であった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wolff D, et al. N Engl J Med. 2024; 391: 1002-1014.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39292927 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら