「腎不全」の記事一覧

ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.28(2022年12月1日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.28(2022年12月1日号)
妊娠で母性が宿るか? 動物実験では、生殖に関連する特異な神経可塑性が実証されているが、妊娠が人間の脳に及ぼす影響についてはほとんど知られていない。著者らは、包括的な受胎前コホート研究を使用して、妊娠が安静時脳活動、白質微細構造、神経代謝産物濃度、灰白質構造の変化と関連しているかどうかを調査した。Nature Communications誌2022年11月22日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む マインドフルネスはLong COVIDにも有効か? SARS-CoV-2に感染した一部の患者が、SARS-CoV-2感染の急性後遺症(PASC)またはLong COVIDを発症している。マインドフルネスは疲労と不眠を軽減し、感染症の罹患後症状のある人にとっては、免疫力が強化され、炎症による病因が軽減されることがわかっている。本レビューでは、マインドフルネスの介入に関する文献を要約し、それがPASC、Long COVID、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者にどのような効果を及ぼすか検討された。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2022年11月8日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ペマフィブラート(パルモディア®)によるTG低下は、本当に心血管リスク低下に結びついているか? 高TGは心血管リスクの上昇と関連するが、TG値の低下が心血管イベントの発生率を低下させるかどうかは不明である。選択的ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体αモジュレーターであるペマフィブラート(パルモディア®)は、TG値を低下させ他の脂質値を改善するが、心血管イベントの発生率も低下させるかを調査した、多国籍二重盲検ランダム化比較試験の結果が報告された。The New England Journal of Medicine誌2022年11月24日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 分娩様式と腸内微生物叢の相関 重要な免疫の発達が起こる幼少期の腸内微生物叢は、小児期のワクチン接種の免疫原性に影響を与える可能性がある。著者らは、分娩様式、生後1年の腸内微生物叢の発達、および生後12か月の乳児101人の肺炎球菌ワクチン接種に対する粘膜抗原特異的抗体応答と、生後18か月の乳児66人の髄膜炎菌ワクチン接種に対する粘膜抗原特異的抗体反応との関連を評価した。Nature Communications誌2022年11月15日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 軽度~中等度の腎機能障害も心血管イベント発生率に影響があるか? 末期腎不全は心血管イベントのリスクが高くなるが、軽度から中等度の腎機能障害が冠状動脈性心疾患(CHD)や脳卒中と因果関係があるかどうかは不明である。そこで、関連性を調査するため、4つの人口データソースを用いた観察分析と、3つの人口データソースを用いたメンデルランダム化解析が実施された。Circulation誌2022年11月15日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.27(2022年11月24日号) 精子数の世界的な減少 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.26(2022年11月17日号) マスクは本当に効果があるのか?:学校における検証 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.25(2022年11月10日号) キツい筋トレは筋肥大に効果があるのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.24(2022年11月3日号) AIによる膵臓がん予後予測は有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.23(2022年10月27日号) 蚊を寄せ付ける体臭は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.22(2022年10月20日号) 片頭痛には有酸素運動、筋トレどちらが有効か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.21(2022年10月13日号) 妊婦の"超加工食品"摂取は子供の神経心理学的発達に影響を及ぼすか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.20(2022年10月6日号) CRPはがんのバイオマーカーになるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.19(2022年9月29日号) 免疫チェックポイント阻害剤の奏効率は、食事によって変わるのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.18(2022年9月22日号) メタボを防ぐ腸内細菌に対して、最も悪影響を及ぼす食事は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.17(2022年9月15日号) セレブからも注目されているプチ断食は、ダイエットや心血管代謝に良い影響を及ぼすのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.16(2022年9月8日号) 長生きできる紅茶の摂取量は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.15(2022年9月1日号) 顔が似ていると、遺伝情報も似ている!? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.14(2022年8月25日号) ゼロカロリー甘味料は、耐糖能に影響を及ぼさないのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号) 運動後の摂取はゆで卵、生卵どちらの摂取が有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号) 慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6?11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
大量補液血液濾過透析は ハイフラックス血液透析より全死亡リスクを低下
大量補液血液濾過透析は ハイフラックス血液透析より全死亡リスクを低下
Effect of Hemodiafiltration or Hemodialysis on Mortality in Kidney Failure N Engl J Med. 2023 Aug 24;389(8):700-709. doi: 10.1056/NEJMoa2304820. Epub 2023 Jun 16. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】いくつかの研究では、腎不全の患者が標準的な血液透析と比較して高用量の血液ろ過の恩恵を受ける可能性があることを示唆しています。ただし、さまざまな公開された研究の制限を考えると、追加データが必要です。 【方法】少なくとも3か月間高フラックス血液透析を受けていた腎不全患者を含む、実用的な多国籍の無作為化対照試験を実施しました。すべての患者は、セッションあたり少なくとも23リットルの対流量の候補者であるとみなされ(高用量血液ろ過に必要な場合)、患者報告の結果評価を完了することができました。患者は、高用量の血液ろ過または従来の高フラックス血液透析の継続を受けるように割り当てられました。主な結果は、あらゆる理由からの死でした。主要な二次的な結果は、原因固有の死亡、致命的または脂肪性のない心血管イベントの複合、腎臓移植、および再発性の全原因または感染関連の入院でした。 【結果】合計1360人の患者が無作為化を受けました。683人が高用量の血液ろ過を受け、677人が高フラックス血液透析を受けます。フォローアップの中央値は30か月でした(四分位範囲、27〜38)。ヘモディアフィルトレーショングループでの試験中の平均対流量は、セッションあたり25.3リットルでした。あらゆる原因による死亡は、血液硬化群で118人の患者(17.3%)と血液透析群の148人の患者(21.9%)で発生しました(ハザード比、0.77; 95%信頼区間、0.65〜0.93)。 【結論】腎不全療法を引き起こす腎不全の患者では、高用量の血液濾過を使用すると、従来の高フラックス血液透析よりも原因による死亡のリスクが低くなりました。(欧州委員会の研究とイノベーションによって資金提供されています。オランダの裁判登録番号、NTR7138を説得します。)。 第一人者の医師による解説 今後のOnline-HDFの積極的な適用を再考するための貴重な研究 長田 太助 自治医科大学内科学講座腎臓内科学部門教授 MMJ.April 2024;20(1):19 透析患者の心血管(CV)合併症の頻度は高い。血液透析(HD)における中分子量以上の大きさの溶質の除去効率の低さが理由の1つと考えられている。ポアサイズが従来型のローフラックス(LF)膜より大きく、透水性の大きなハイフラックス(HF)膜が登場し、そのCVイベント予防効果に期待が集まったが、臨床研究では芳しい結果は得られていない(1)。拡散に頼ったHDでは、HF膜を用いても中分子量物質の濾過による除去効率の改善は難しい。そこで中分子量以上の大きさの溶質を濾過により積極的に除去する方法として血液濾過透析(HDF)が注目されている。その中でも高度に清浄化された透析液を使い、低コストで大量補液が調達可能なOnline(OL)-HDFが主流になってきた。2012年にGrootemanら(2)は、後希釈 OL-HDFとLF膜使用 HDの間で、全死亡・CVイベントについて検討し、有意差はなかったものの、大量補液 HDFで抑制される可能性を示した。その翌年、Maduellら(3)は、後希釈法としては大量の20L以上の補液を用いたOL-HDFとHF膜を用いたHDを比較する無作為化対照試験を実施し、OL-HDFで全死亡は30%、CV死は33%のリスク低下が得られることを示した。 本論文で紹介されているCONVINCE試験は、3カ月以上 HF-HDを継続していた患者1,360人を、23L以上の大量補液を用いた後希釈 HDF群(683人)とHF膜を用いたHD群(677人)に無作為化し中央値30カ月間観察した国際共同臨床試験である。全死亡率 はHDF群17.3 %、HD群21.9 % とHDF群で有意に抑制されていた(ハザード比[HR],0.77;P=0.005)。ただしCV疾患の 既往や糖尿病合併が背景にあるとこの差がみられなかった。CV死、致死的 /非致死的 CVイベントのHRはそれぞれ0.81、1.07で両群間に有意差を認めず、また入院のイベントに関しても両群間で差を認めなかった。 この結果をそのままわが国の医療現場に持ち込むには注意が必要である。日本のOL-HDFは圧倒的に前希釈法が多いからである。前希釈法では、拡散による小分子量物質や濾過による小~大分子量蛋白の除去効率が後希釈法に劣ることが知られている。また本試験において、高リスク透析患者ではOL-HDFの効果を認めず、本来 OL-HDFの効果を期待したい対象に効いていない。さらにOL-HDFはCV死の抑制傾向を示すが有意ではなく、低リスク透析患者の生命予後改善効果だけということになれば、それなりの医療資源の投入が必要であることを踏まえるとすべてOL-HDFに置き換えてしまえば良いというわけではない。OL-HDFの臨床現場での適用についても、一度立ち止まって考えてみる必要があるだろう。 1. Locatelli F, et al. J Am Soc Nephrol. 2009;20(3):645-654. 2. Grooteman Mp, et al. J Am Soc Nephrol. 2012;23(6):1087-1096. 3. Maduell F, et al. J Am Soc Nephrol. 2013;24(3):487-497.