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仕事中にちょっとお茶を飲むだけでパフォーマンスが向上 他4本≫ Journal Check Vol.159(2025年07月26日号)
仕事中にちょっとお茶を飲むだけでパフォーマンスが向上 他4本≫ Journal Check Vol.159(2025年07月26日号)
仕事中にちょっとお茶を飲むだけでパフォーマンスが向上 産業医科大学の黒坂 知絵氏らは、緑茶が課題遂行能力、精神的疲労、作業負荷、フロー体験に及ぼす影響について検討した。その結果、低用量の緑茶を習慣的に摂取すると、日常タスクでタスクエンゲージメントとフロー体験が向上する可能性があると報告した。 Kurosaka C, et al. PLoS One. 2025; 20: e0328394. ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 乳脂肪球膜+パワートレーニングで身体能力はアップするか 乳中に分散したトリグリセリドの球状構造を覆う膜である乳脂肪球膜と軽い有酸素運動を組み合わせることで、高齢者の敏捷性が向上することが示唆されていた。本研究では、健康成人を対象に4週間乳脂肪球膜を摂取し、パワートレーニングを行うことで瞬発力が向上するかが検討された。 Nakayama K, et al. J Int Soc Sports Nutr. 2025; 22: 2535372. ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 夢に意味を見出そうとすることは睡眠障害の予測因子? 日本語版の夢に対する態度を評価する尺度を作成し、日本人における夢に対する態度と関連する要因を調査したところ、夢に意味を見出そうとすることは、睡眠の質の低下やQOL低下と関連している可能性が示唆された。さらに、加齢とともに夢への関心が徐々に低下する傾向が明らかとなった。 Okuyama S, et al. PLoS One. 2025; 20: e0326732. ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 遠隔医療サービスの利用に影響を及ぼす要因は 患者の信頼、健康の社会的決定要因、健康に対する自己効力感が遠隔医療の利用に及ぼす直接的な影響および健康情報の検索に対する信頼、患者中心のコミュニケーション、健康リテラシーの障壁が信頼を通じて遠隔医療の利用に及ぼす間接的な影響が調査された。 Qu J. J Med Internet Res. 2025: 27: e63295. ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 医療におけるチームワークを向上させる新たなアプローチ より良い医療サービスの提供にチームワークは欠かせない。メンバーとの話し合いの促進、障壁改善のための行動計画の実行により患者からの評価は向上するのか? Collura CA, et al. BMJ Lead. 2025 Jul 10. [Epub ahead of print] ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.158(2025年07月19日号) 逆に有害となるランニング距離が判明! 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.157(2025年07月12日号) 生殖能力低下のメカニズム、パートナーとの年齢差がポイント? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.156(2025年07月05日号) 人間の脳の大きさはなぜ進化したのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.155(2025年06月28日号) 日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号) 子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.153(2025年06月14日号) 朝と夜の運動、その効果の違いが判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.152(2025年06月07日号) 体脂肪減少に最も効果的なトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.151(2025年05月31日号) マッスルクロックの乱れが筋トレ効果を低下させる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.150(2025年05月24日号) カフェインとビーツジュースで筋トレ効果は増強する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.149(2025年05月17日号) 運動やカフェイン摂取が老化に及ぼす影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.148(2025年05月10日号) チーズの肥満予防効果は他の乳製品と異なる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.147(2025年05月03日号) オーガズムの一貫性と関連する症状が判明 他4本
「なぜ」を問い続ける医療を ― CAR-Tの現在地と次の一手《血液内科Pro エキスパートインタビュー》
「なぜ」を問い続ける医療を ― CAR-Tの現在地と次の一手《血液内科Pro エキスパートインタビュー》
大阪大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科では、堅固な臨床基盤と人材育成を重視し、現時点で提供可能な最良の血液疾患治療を追求するとともに、CAR-T細胞療法をはじめとした細胞・遺伝子治療の実施拠点としての機能強化を進めています。 同大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 教授の保仙直毅先生に、臨床と研究の両輪で牽引される診療のあり方と、CAR-Tの現在地・未来について伺いました。 CAR-T細胞療法の現在地 ― CAR-T細胞療法は、血液内科の現場でどのように受け止められているのでしょうか?  CAR-Tは、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫といった一部の血液がんにおいて、すでに一般的な治療の選択肢として受け入れられています。臨床現場にいる血液内科医にとっては、“特別な治療”ではなくなってきた印象がありますね。 ただ、日本で承認されたのは2019年と、まだ5年しか経っていません。そのため、実際には治療の適応が限られており、急性骨髄性白血病(AML)やT細胞性の疾患など、未だ対象とならない疾患も多いのが現状です。世界中で、より多くの患者さんに届けられるよう、新たなCAR-Tの開発が進められています。 CAR-NK細胞の可能性と、未来の治療オプション ― 次世代の細胞療法としてCAR-NK細胞にも注目が集まっていますが、現状はいかがでしょうか?  CAR-NK細胞については、アメリカのMDアンダーソンや日本の研究グループでも開発が進んでいます。臨床試験で有効性が示されつつある段階ですが、CAR-T細胞に完全に置き換わるような治療には、まだなっていません。 ただ、他人の細胞やiPS細胞を用いる“オフ・ザ・シェルフ”の考え方は非常に魅力的です。製造コストやスピードの課題を解決できる可能性がありますので、今後に大いに期待しています。 ― 先生ご自身も研究に関わられているのですか?  はい、私自身もCAR-T細胞やCAR-NK細胞に関する研究に携わっています。どの技術が将来的に主流になるかはまだ分かりませんが、選択肢を広げていくことが重要だと考えています。 「なぜ治らないのか」を出発点に ~臨床医の研究視点~ ― 研究者として、臨床医であることの強みはどこにあるとお考えですか?  臨床現場にいると、“なぜこの患者さんは治らないのか”という問いに常に直面します。この“なぜ”が、研究の出発点になります。 私たちは、臨床での気づきや違和感を実感として持っています。それを研究に還元できるのが、臨床医の強みです。単に文献で読んだデータではなく、自分の手で見て、触れている実感から出てくる研究テーマには、リアリティがあります。 ― 現場での問いを、研究という形で未来につなげるのですね。  はい。そしてもう一つ大切なのは、日本発の医療技術を育てていくことです。海外の技術を使い続けるだけでなく、私たち自身が手を動かし、臨床の現場から新しい治療を生み出す必要があります。 エビデンスと経験 ~医学と医療のギャップ~ ― 新しい治療法を導入する際、どのように判断されているのでしょうか?  やはり、臨床試験でしっかりとしたエビデンスがあることは大前提になります。ただし、実際の医療現場では、教科書通りにいかないケースも多いです。患者さん一人ひとりの状態は異なりますから、医学と医療の間にはいつもギャップがあります。 エビデンスだけに頼るのではなく、自分や周囲の経験、患者さんの背景まで含めて判断する必要があります。血液内科プロのようなコミュニティで、他の先生方の経験や考えを共有する場は非常に有意義だと感じています。 未来を担う血液内科医に向けて ~問いを持つ習慣を忘れないでほしい~ ― 若い先生方や学生に向けて、何かメッセージはありますか?  一番伝えたいのは、“なぜ”を問い続ける習慣を持ってほしいということです。薬が効く理由、副作用が出る理由、患者さんがよくならない理由……すべてに“なぜ”を考えることが内科医の基本だと思っています。 岸本忠三先生が書かれた本のタイトルに、『なぜかと問いかける内科学』というものがあります。それを実践していきたいと思います。 ― 研究の道に進みたいと思っている若手医師に、何かアドバイスはありますか?  もしやりたいことがあるのなら、さっさとやってください。『時間がない』『お金がない』『タイミングが悪い』といった理由で、結局やらない人が多いですが、行動することでしか世界は変わりません。 大学院への進学や海外留学も、今は以前に比べてずっとハードルが下がっています。病院の中や日本の中だけで完結しない視点を、ぜひ持ってほしいですね。
逆に有害となるランニング距離が判明! 他4本≫ Journal Check Vol.158(2025年07月19日号)
逆に有害となるランニング距離が判明! 他4本≫ Journal Check Vol.158(2025年07月19日号)
逆に有害となるランニング距離が判明! ランニングの人気は高まっており、世界中の多くの人々が実践している運動である。しかし、走り過ぎは傷害発生のリスク因子であるとも考えられる。では、どのぐらいの距離が適切なのか?5千人以上のデータより適切なランニング距離の検討が行われた。British Journal of Sports Medicine誌オンライン版2025年7月7日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 座ったままの生活は喘息のリスク因子 これまでの研究において、運動とアレルギー性鼻炎/喘息との関連が議論の的となっていた。英国バイオバンクの大規模データを分析した結果、座位行動と喘息との関連が認められた一方で、運動行動とアレルギー性鼻炎には有意な関連が認められないことが明らかとなった。BMC Pulmonary Medicine誌2025年7月3日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 愛情表現が豊富な人ほど愛されていると感じている 恋愛、友情、家族の絆、愛は私たちの日常生活に深く関わっている。日常生活の中でより多くの愛情を表現する人は、より多くの愛を受け取り、強い愛情を育むことができる可能性が示された。PloS One誌2025年7月2日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ほうれい線のシワ取り、新規ヒアルロン酸の有効性は 美容にヒアルロン酸が用いられるようになり、さまざまな製品が開発されている。新たに開発されたヒアルロン酸の有効性および安全性を評価するため、既存製品と比較した非劣性試験が行われた。Journal of Cosmetic Dermatology誌2025年7月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 心身ともに活動的なライフスタイルは脳の若返りを促す 生涯を通じた高レベルの精神的刺激、心血管の低リスク、活発な身体活動/フィットネスを組み合わせたライフスタイルは、予想していた以上に脳年齢の若さや認知年齢と関連していることが報告された。GeroScience誌オンライン版2025年7月7日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.157(2025年07月12日号) 生殖能力低下のメカニズム、パートナーとの年齢差がポイント? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.156(2025年07月05日号) 人間の脳の大きさはなぜ進化したのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.155(2025年06月28日号) 日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号) 子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.153(2025年06月14日号) 朝と夜の運動、その効果の違いが判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.152(2025年06月07日号) 体脂肪減少に最も効果的なトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.151(2025年05月31日号) マッスルクロックの乱れが筋トレ効果を低下させる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.150(2025年05月24日号) カフェインとビーツジュースで筋トレ効果は増強する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.149(2025年05月17日号) 運動やカフェイン摂取が老化に及ぼす影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.148(2025年05月10日号) チーズの肥満予防効果は他の乳製品と異なる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.147(2025年05月03日号) オーガズムの一貫性と関連する症状が判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.146(2025年04月26日号) カフェイン補給で筋トレ効果がアップするは本当か? 他4本
生殖能力低下のメカニズム、パートナーとの年齢差がポイント? 他4本≫ Journal Check Vol.157(2025年07月12日号)
生殖能力低下のメカニズム、パートナーとの年齢差がポイント? 他4本≫ Journal Check Vol.157(2025年07月12日号)
生殖能力低下のメカニズム、パートナーとの年齢差がポイント? 配偶者選択理論では、若い女性と高齢の男性による非対称交配が閉経に影響し、不妊変異の蓄積や高齢女性における閉経促進につながると考えられている。ショウジョウバエを用いた70世代にわたる非対称交配の結果、雌雄ともに年長の異性と交配した場合、高齢期において生殖能力の低下が示された。PloS One誌2025年7月3日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 料理スキルの高い人は食料不安を感じにくい 調理の技術は、食料入手可能性、安定性などを包括する食料安全保障において重要な役割を果たす。卵料理レシピ数が5個以下の人と比較し、6〜10個の人は食料不安を経験する可能性が8.4ポイント低く、10個以上の人では30.5ポイント低下することが示唆された。PloS One誌2025年6月25日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む カフェインの相反する作用、パフォーマンス向上と睡眠の質を両立するには カフェイン摂取によりスポーツパフォーマンスを向上させるベネフィットと、睡眠の質を確保するためにカフェインを避けることのジレンマを解決するための方法はあるのか?Sports Medicine誌オンライン版2025年6月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 手術室での騒音は患者やスタッフにどのような影響を及ぼすのか 手術室の高い騒音レベルは、患者の術後感染症リスクや不安、スタッフの疲労、頭痛、コルチゾール分泌増加に影響していることが明らかとなった。Noise & Health誌2025年5-6月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 日本の外科研修医の満足度の違いは?大学病院vs.地方病院vs.ハイブリッド 日本の外科研修プログラムにおける、受け入れ施設の種類の違いと問題点についての調査が行われた。研修医の満足度や労働条件の違いとは?Surgery Today誌オンライン版2025年6月26日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.156(2025年07月05日号) 人間の脳の大きさはなぜ進化したのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.155(2025年06月28日号) 日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号) 子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.153(2025年06月14日号) 朝と夜の運動、その効果の違いが判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.152(2025年06月07日号) 体脂肪減少に最も効果的なトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.151(2025年05月31日号) マッスルクロックの乱れが筋トレ効果を低下させる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.150(2025年05月24日号) カフェインとビーツジュースで筋トレ効果は増強する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.149(2025年05月17日号) 運動やカフェイン摂取が老化に及ぼす影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.148(2025年05月10日号) チーズの肥満予防効果は他の乳製品と異なる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.147(2025年05月03日号) オーガズムの一貫性と関連する症状が判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.146(2025年04月26日号) カフェイン補給で筋トレ効果がアップするは本当か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.145(2025年04月19日号) ストレスと疲労を軽減すれば勃起機能が改善する? 他4本
治癒を見据えた免疫療法の時代へ―“最先端”を日常にするための挑戦《血液内科Pro エキスパートインタビュー》
治癒を見据えた免疫療法の時代へ―“最先端”を日常にするための挑戦《血液内科Pro エキスパートインタビュー》
東海大学附属病院では、神奈川県央・湘南地区から静岡東部までと、首都圏の大学病院の中でも群を抜いて広い医療圏をカバーし、地域の血液疾患の患者さんの診断から、治験・造血幹細胞移植・CAR-Tを含めた治療まで一貫して行っています。同大学医学部血液・腫瘍内科学准教授の鈴木利貴央先生に、広域医療圏で最先端を担うお立場から、免疫細胞療法の現在地と未来について伺いました。 “最先端”を日常にするために~CAR-T運用を支える現場の経験~ ― 2023 年から開始されたCAR-Tを、どのように導入・組織化されてきたか教えてください。  組織化にあたっては、同種移植に経験が豊富にあった輸血室の協力を得られたことから、アベクマの治験を通して、経験数を増やすことができたことが大きいです。 最初は苦労した点が多く、輸血室の中で、ベテランのスタッフだけでなく、複数人のスタッフで安定して運用していくためにはどうしたらよいか、特に技術・知見の蓄積が課題でした。例えば、アメリカ規格のバッグへの対応や点滴のスムーズな実施等、様々な問題などがありました。 さらに、病棟側ではCRSやICANSなど、CAR-T特有の有害事象への対応も課題でした。初期は情報が限られ、対応の指針が乏しかったため、コメディカルのスタッフに対して今起こっている事象について言語化し、対応方法やマネジメントの整備を進めました。 こうした多職種の協働により、導入から2年経過したところで、マネジメントできる体制が整ってきています。 ― 症例選びについてはいかがですか?  導入初期は、前治療が奏功せず、全身状態が悪い患者さんが多かったので、有害事象の発症も多く、マネジメントに苦労した時期が続きました。しかし最近では、より早い治療ラインからCAR-Tを適応できるようになってきたため、有害事象のマネジメントで苦労する経験も減ってきたと感じています。 より早い段階、より最適なタイミングで、候補者を紹介いただけるような関係構築を施設間で進めています。 経験を“地域の力”に~信頼から広がる連携、つながる治療~ ― 多施設連携や地域包括医療の実現に向けて、大切にされていることを教えてください。  CAR-Tの提供体制をつくるうえで、信頼関係の構築が一番大切です。紹介元や周辺医療機関との情報共有では、電話やメールを柔軟に使い分け、紹介時の診療情報は可能な限りタイムラグなく共有できるよう工夫しています。最近では県内だけでなく、フォロー体制を考慮しながら県外からの患者さんも受け入れています。 また、大学関連施設とは年2回の合同カンファレンス、骨髄腫関連施設とは定期的な研究会で交流し、顔の見える関係性をつくり、個別の相談にも応じるなど、日常的なやりとりの中で信頼関係を構築しています。 ― 地域の中で知見がつながった事例はありますか?  治験や先進治療で得られた経験は、問い合わせを受けた際などに、お答えするようにしています。導入を検討している他院にご紹介することで、安心して治療に臨めるようにしたいと思います。 治癒を見据えた免疫療法の時代へ ― 最後に、「今後の実臨床において実現したいこと」や「患者さんに届けたい医療のかたち」があればお聞かせください。  免疫療法をより早い段階で治療に組み込むことで、疾患を治癒できる可能性が高まり、患者にとって大きなメリットになると考えています。免疫療法の欠点として、投与量に制限があるため、既存の骨髄腫治療薬と併用し、より早い段階で免疫療法を行うことで治癒を目指すことが重要になると思います。 骨髄腫などの血液疾患が不治の病と言われていた時代から、一部の免疫療法で治癒が期待できる時代になりました。診断時に絶望する患者に対し、有効な治療法があることを伝え、治療を頑張れるような治療薬が増えることを願っています。
人間の脳の大きさはなぜ進化したのか? 他4本≫ Journal Check Vol.156(2025年07月05日号)
人間の脳の大きさはなぜ進化したのか? 他4本≫ Journal Check Vol.156(2025年07月05日号)
人間の脳の大きさはなぜ進化したのか? 人間の脳の大きさがなぜ進化したかは、ダーウィン以来の進化論的において謎であり、その解明は困難を極めている。最近、他の分野で用いられている「シミュレーションに基づく推論」手法を用いて、この疑問への解明が試みられた。Philosophical Transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological Sciences誌2025年6月26日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 新たに提唱されたプラネタリーヘルスダイエット、男性のがんリスクを軽減 2019年、EAT-Lancet Commissionにより提唱されたプラネタリーヘルスダイエットは、人類と地球の健康を同時に改善することを目指した食事スタイルである。男女間で効果が異なる可能性のあるプラネタリーヘルスダイエットとがんリスクとの関連が調査された。International Journal of Surgery誌オンライン版2025年6月24日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ADHD児の会話、非ADHD児との違いは? これまで、ADHD児の会話における言語能力はあまり知られていなかった。本研究では、ADHD児と非ADHD児を対象に、若年成人との会話において、自身の言語をモニタリングし、修復する能力に違いがあるかが検証された。Journal of Attention Disorders誌オンライン版2025年6月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 子供のスマホ依存は親子関係にどのような影響を及ぼすのか 小学生におけるスマートフォン依存、ネガティブな感情と親子関係との関連性について調査が行われた。その結果、スマートフォン依存およびネガティブな感情が親子関係に重大な影響を及ぼす可能性が示唆された。Frontiers in Psychiatry誌2025年6月2日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 更年期の脳の健康、ホルモン療法は万能なのか 卵巣ホルモンの減少を更年期ホルモン療法で補充することは、女性の脳の健康にとって重要であり、いくつかの神経変性疾患リスクの低下とも関連しているといわれている。しかし、その効果は脳の健康に対して必ず認められるわけではない。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2025年6月9日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.155(2025年06月28日号) 日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号) 子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.153(2025年06月14日号) 朝と夜の運動、その効果の違いが判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.152(2025年06月07日号) 体脂肪減少に最も効果的なトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.151(2025年05月31日号) マッスルクロックの乱れが筋トレ効果を低下させる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.150(2025年05月24日号) カフェインとビーツジュースで筋トレ効果は増強する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.149(2025年05月17日号) 運動やカフェイン摂取が老化に及ぼす影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.148(2025年05月10日号) チーズの肥満予防効果は他の乳製品と異なる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.147(2025年05月03日号) オーガズムの一貫性と関連する症状が判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.146(2025年04月26日号) カフェイン補給で筋トレ効果がアップするは本当か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.145(2025年04月19日号) ストレスと疲労を軽減すれば勃起機能が改善する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.144(2025年04月12日号) 富の増加は死亡率低下と関連しているのか?他4本
日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 他4本≫ Journal Check Vol.155(2025年06月28日号)
日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 他4本≫ Journal Check Vol.155(2025年06月28日号)
日本におけるH.pylori未感染者、2000年以降出生者は95%超 近年、ヘリコバクター・ピロリ菌未感染者数が増加傾向にあると報告されているものの、日本における各世代の正確な有病率は未だ明らかにされていなかった。国際医療福祉大学市川病院の石橋 史明氏らは、メタ回帰分析を実施し、世代別有病率を予測した。Helicobacter誌2025年5-6月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む リモートワークは短時間睡眠を伴う不眠症リスクを増加させる 日本大学の大塚 雄一郎氏らは、日本におけるリモートワークの頻度と睡眠障害との長期的な関連性を検証した。その結果、高頻度および完全リモートワークと短時間睡眠を伴う不眠症リスクとの有意な関連が確認された。Journal of Sleep Research誌オンライン版2025年6月8日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 日本人肺炎患者に対するセフトリアキソン2g/日vs.1g/日 東京大学の谷口 順平氏らは、市中肺炎の入院患者に広く使用されるセフトリアキソンの最適な投与量を明らかにするため、セフトリアキソン2g/日と1g/日におけるアウトカムの比較を行った。The Journal of Antimicrobial Chemotherapy誌オンライン版2025年6月10日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 脳卒中予防には適切な筋肉量を維持することが重要 体組成は脳卒中リスクと密接に関連している。近年、除脂肪体重(LMI)は心血管リスクの指標であることが実証され、CTなしでLMIを簡便に推定することが可能になった。しかし、LMIと脳卒中リスクの関連性についてはこれまでほとんどわかっていなかった。Journal of Cardiology誌オンライン版2025年6月13日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 同乗者の有無が高齢ドライバーの交通事故に及ぼす影響は 高齢ドライバー、とくに認知機能が低下しているドライバーは、安全運転を継続するための支援を受ける必要がある。交通事故リスクを低減する可能性のある戦略の一つとして、同乗者の存在が挙げられる。そこで、筑波大学の市川 政雄氏らは、認知機能の異なる高齢ドライバーにおいて、同乗者の存在が交通事故リスクと関連しているかを調査した。Journal of Safety Research誌2025年7月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号) 子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.153(2025年06月14日号) 朝と夜の運動、その効果の違いが判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.152(2025年06月07日号) 体脂肪減少に最も効果的なトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.151(2025年05月31日号) マッスルクロックの乱れが筋トレ効果を低下させる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.150(2025年05月24日号) カフェインとビーツジュースで筋トレ効果は増強する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.149(2025年05月17日号) 運動やカフェイン摂取が老化に及ぼす影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.148(2025年05月10日号) チーズの肥満予防効果は他の乳製品と異なる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.147(2025年05月03日号) オーガズムの一貫性と関連する症状が判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.146(2025年04月26日号) カフェイン補給で筋トレ効果がアップするは本当か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.145(2025年04月19日号) ストレスと疲労を軽減すれば勃起機能が改善する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.144(2025年04月12日号) 富の増加は死亡率低下と関連しているのか?他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.143(2025年04月05日号) 重要なのは質か量か?受精率に影響を及ぼす精子 他4本
子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本≫ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号)
子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 他4本≫ Journal Check Vol.154(2025年06月21日号)
子育て中の日本人女性のQOL、通常ケアで改善困難なレベルまで低下 日本では近年、少子化対策の一環として産後・育児期の女性を支援する政策が強化されている。しかし、新たな政策に関する研究が不足しているため、これらの女性のQOLや健康を向上させるためにどのような支援が必要なのかは、依然としてよくわかっていなかった。Women's Health誌2025年1-12月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ストレスは肥満リスクと関連、男女間で違いはあるか 若年成人の肥満を効果的に予防し、マネジメントするためには、ストレスや主観的健康などの健康状態を考慮する必要があり、性別に応じて異なるより体系的な介入戦略が必要とされることが示唆された。Public Health誌オンライン版2025年6月12日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 体脂肪率が高いほど血中カフェイン濃度が上昇 女性における体脂肪率とカフェインおよびその代謝物の血中濃度との関係が調査された。その結果、カフェイン代謝において体重よりも体脂肪率がより重要な因子である可能性が示唆された。PeerJ誌2025年6月9日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 低カロリー+運動で筋間/筋内脂肪は減らせるか? 筋間/筋内脂肪組織は、骨格筋の機能や代謝の健康に大きく影響する。低カロリー食の有無およびさまざまな運動が、筋肉組織における筋間/筋内脂肪減少に及ぼす影響を調査するためシステマティックレビューが実施された。Aging Clinical and Experimental Research誌2025年6月9日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む そろばんで子供の視空間性ワーキングメモリが向上 学校の課外活動の一環としてそろばんの練習に参加した児童では、参加しなかった子供と比較し、練習前後でワーキングメモリスコアの有意な改善が認められた。PloS One誌2025年6月11日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.153(2025年06月14日号) 朝と夜の運動、その効果の違いが判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.152(2025年06月07日号) 体脂肪減少に最も効果的なトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.151(2025年05月31日号) マッスルクロックの乱れが筋トレ効果を低下させる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.150(2025年05月24日号) カフェインとビーツジュースで筋トレ効果は増強する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.149(2025年05月17日号) 運動やカフェイン摂取が老化に及ぼす影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.148(2025年05月10日号) チーズの肥満予防効果は他の乳製品と異なる 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.147(2025年05月03日号) オーガズムの一貫性と関連する症状が判明 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.146(2025年04月26日号) カフェイン補給で筋トレ効果がアップするは本当か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.145(2025年04月19日号) ストレスと疲労を軽減すれば勃起機能が改善する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.144(2025年04月12日号) 富の増加は死亡率低下と関連しているのか?他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.143(2025年04月05日号) 重要なのは質か量か?受精率に影響を及ぼす精子 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.142(2025年03月29日号) 月1回未満の性行為は健康リスクを高める!? 他4本
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~消化器内科編~
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~消化器内科編~
<監修> 消化器内科的症状を持つ血液疾患 血液検査値の異常や検査結果について経験豊富な専門医へ相談できるオンラインコンサルトサービス「血ミル」を開始しました。消化器内科の診療現場で日々よく遭遇する、胃部不快感や食欲低下、腹部膨満感――。一見、消化器内科的な所見に合致するこれらの症状の中には、実は血液内科的疾患が潜んでいることがあります。鑑別がつきにくい症例では、初期診断の遅れが患者の予後に大きく影響することも少なくありません。今回、「血ミル」回答医である玉井先生監修のもと、消化器内科的症状を持つ血液疾患の症例を紹介いたします。 症例:腹痛と貧血を主訴に受診した血液疾患の患者※本症例は実際の症例ではなく、仮想の症例となっております。 ■患者情報年齢 :58歳女性既往歴:高血圧、脂質異常症、胃潰瘍の既往あり主訴 :数か月続く胃部不快感・食欲低下・腹部膨満感 ■経過最近、めまい・立ちくらみが悪化し、明らかな貧血症状を自覚皮膚蒼白が目立つものの、明らかな出血源はなし体重減少(2か月で3kg減)、軽度の黄疸 ■服薬歴降圧薬(ARB)PPI(胃潰瘍の既往により処方) 鉄剤(Hb低下を理由に1年以上継続使用)ビタミンB12補充(鉄剤の効果が乏しいため処方されたが改善せず) ■血液検査値① 白血球数:3,200/μL(軽度低下)② 赤血球数:2.8×10⁶/μL(低下)③ ヘモグロビン:9.2 g/dL(貧血)→ 鉄・ビタミンB12投与で改善せず推移④ ヘマトクリット:30.1%(低下)⑤ 血小板数:20万/μL(正常範囲) ■診断と経過当初の診断: 消化器症状を主訴とし、胃潰瘍や消化器疾患を疑われた。Hb低下に対して鉄剤・ビタミンB12補充を行うも改善せず推移。血液検査により異常が判明: 白血球と赤血球が低下し、出血源がないにもかかわらず貧血の進行を認めた。白血球分画は正常であったが血液内科で精査を行った結果、末梢血で造血器腫瘍を示唆するWT-1が400copyと軽度上昇し、骨髄検査で3系統の異形成を認めた。芽球の増加はなかった。骨髄異形成症候群(MDS)と診断。造血細胞の異常による慢性的な貧血とその緩徐な進行が主な症状と考えられた。 ■治療・経過低リスクのMDSに対する治療としてルスパタセプト(商品名レブロジル)の投与が開始となった。速やかに貧血の改善が得られた。 MDSは高齢者に多い疾患であり、慢性腎不全があるなどすると特に診断が遅れることが多いです。昨今、低リスク(芽球の増加を認めないレベル)のMDSに対し、既存治療のエリスロポイエチン製剤に加えて新薬のルスパタセプトが登場したため治療成績が向上しました。MDSでは芽球の増加が少ないと血液検査では軽度の貧血のみであることも多く、ビタミンB12や亜鉛などの微量元素の検索を行っても貧血の鑑別が付かない場合には、積極的に骨髄検査を実施して診断を確定させる必要です。 血液検査値で悩むことがあれば血ミルへご相談ください 整形外科疾患と思っていても、実は血液内科疾患だったという事例はあります。血液検査値で悩まれた場合は血ミルまでご相談ください。 血ミルは血液内科専門医にオンラインで24時間無料で相談できるサービスです。ぜひお気軽にご利用ください。 少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください!「24時間」「匿名」「専門医と1対1」で、相談可能 ① 血ミルへアクセス ② 患者情報、主な検査値を入力 ③ 直接、専門医から回答が返却 ご相談はこちらから
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~呼吸器内科編~
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~呼吸器内科編~
<監修> 呼吸器内科的症状を持つ血液疾患 血液検査値の異常や検査結果について経験豊富な専門医へ相談できるオンラインコンサルトサービス「血ミル」を開始しました。呼吸器内科の診療現場で日々よく遭遇する、咳や息切れ――。一見、呼吸器内科的な所見に合致するこれらの症状の中には、実は血液内科的疾患が潜んでいることがあります。鑑別がつきにくい症例では、初期診断の遅れが患者の予後に大きく影響することも少なくありません。今回、「血ミル」回答医である玉井先生監修のもと、呼吸器内科的症状を持つ血液疾患の症例を紹介いたします。 症例:慢性の咳と息切れを主訴に受診した血液疾患患者※本症例は実際の症例ではなく、仮想の症例となっております。 ■患者情報年齢 :55歳男性既往歴:軽度の喘息、慢性鼻炎、高血圧 ■現病歴3か月以上続く咳と軽度の息切れ階段昇降時の疲労感が増加顔色が悪く、同僚から「最近やつれている」と言われるようになった体重減少(2か月で3kg減) ■服薬歴吸入ステロイド(過去に喘息のため)抗ヒスタミン薬(慢性鼻炎のため)降圧薬(カルシウム拮抗薬) ■血液検査値① 白血球数:3,200/μL(低下)② 赤血球数:2.7×10⁶/μL(低下)③ ヘモグロビン:7.5 g/dL(貧血)④ ヘマトクリット:26.9%(低下)⑤ 血小板数:52,000/μL(減少) ■診断当初は慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息の増悪が疑われたが、血液検査を実施すると汎血球減少が確認された。骨髄検査をはじめとした精査を行った結果、再生不良性貧血(Aplastic Anemia)と診断された。咳や息切れは、貧血による酸素運搬能低下が影響しており、喘息ではなく血液疾患が原因だった。 ■治療・経過血液内科へ転科し、免疫抑制療法(ATG+シクロスポリン)を開始。輸血による支持療法も併用しながら経過観察中。 再生不良性貧血は気管支喘息と同様に免疫疾患ですが明確な関連性は報告されておりません。呼吸器疾患の患者さんでも症状悪化時には血液検査を行うことが肝要です。本症例中では触れませんでしたが、汎血球減少症では急性前骨髄球性白血病が鑑別に挙がるため、凝固検査の追加提出が必須です。フィブリノーゲン値の低下やFDP、D-ダイマーの上昇を認めたら一刻も早く血液内科のある病院に紹介してください。 血液検査値で悩むことがあれば血ミルへご相談ください 整形外科疾患と思っていても、実は血液内科疾患だったという事例はあります。血液検査値で悩まれた場合は血ミルまでご相談ください。 血ミルは血液内科専門医にオンラインで24時間無料で相談できるサービスです。ぜひお気軽にご利用ください。 少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください!「24時間」「匿名」「専門医と1対1」で、相談可能 ① 血ミルへアクセス ② 患者情報、主な検査値を入力 ③ 直接、専門医から回答が返却 ご相談はこちらから
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~循環器内科編~
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~循環器内科編~
<監修> 循環器内科的症状を持つ血液疾患 血液検査値の異常や検査結果について経験豊富な専門医へ相談できるオンラインコンサルトサービス「血ミル」を開始しました。循環器内科の診療現場で日々よく遭遇する、動悸や息切れ、立ちくらみ――。一見、循環器内科的な所見に合致するこれらの症状の中には、実は血液内科的疾患が潜んでいることがあります。鑑別がつきにくい症例では、初期診断の遅れが患者の予後に大きく影響することも少なくありません。今回、「血ミル」回答医である玉井先生監修のもと、循環器内科的症状を持つ血液疾患の症例を紹介いたします。 症例:動悸と息切れを主訴に受診した血液疾患患者※本症例は実際の症例ではなく、仮想の症例となっております。 ■患者情報年齢 :62歳男性既往歴:高血圧、軽度の糖尿病、慢性腎臓病(ステージ2) ■現病歴数か月前から動悸を感じることが増え、最近は軽い労作でも息切れする疲労感が抜けず、立ちくらみを頻繁に感じる皮膚に軽度の黄疸あり ■服薬歴降圧薬(ACE阻害薬)糖尿病治療薬(メトホルミン) ■血液検査値① 白血球数:3,500/μL(軽度低下)② 赤血球数:2.6×10⁶/μL(低下)③ ヘモグロビン:7.1 g/dL(貧血)④ ヘマトクリット:25.4%(低下)⑤ 血小板数:55,000/μL(減少) ■診断と経過当初は心不全の増悪や不整脈の出現などの循環器疾患が疑われたが、血液検査で貧血の悪化と白血球・血小板の低下が確認され血液疾患が疑われた。追加検査の結果、温式自己免疫性溶血性貧血(AIHA)と診断された。 動悸や息切れは、赤血球の破壊亢進による酸素運搬能力低下が原因だった。黄疸も赤血球の溶血に伴う間接ビリルビン増加と関連していた。 ■治療・経過血液内科へ転科し、免疫抑制療法(ATG+シクロスポリン)を開始。 溶血性貧血は循環器疾患のある患者さんではしばしば弁膜症をはじめとした機械的溶血が鑑別となります。心エコーなどを行うとともに、直接クームス、寒冷凝集反応検査などで自己免疫性溶血性貧血の鑑別を並行して行います。寒冷凝集素症では指端紅痛症で循環器内科が初診となることもしばしばです。自己免疫性溶血性貧血の診断が確定すると、原因検索を行います。原因として多いのは悪性リンパ腫や膠原病であり、その場合は原疾患の治療を優先します。 血液検査値で悩むことがあれば血ミルへご相談ください 整形外科疾患と思っていても、実は血液内科疾患だったという事例はあります。血液検査値で悩まれた場合は血ミルまでご相談ください。 血ミルは血液内科専門医にオンラインで24時間無料で相談できるサービスです。ぜひお気軽にご利用ください。 少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください!「24時間」「匿名」「専門医と1対1」で、相談可能 ① 血ミルへアクセス ② 患者情報、主な検査値を入力 ③ 直接、専門医から回答が返却 ご相談はこちらから
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~一般内科編~
実は血液疾患!?症状に潜む血液疾患をケースから学ぶ~一般内科編~
<監修> 一般内科的症状を持つ血液疾患 血液検査値の異常や検査結果について経験豊富な専門医へ相談できるオンラインコンサルトサービス「血ミル」を開始しました。一般内科の診療現場で日々よく遭遇する、発熱や倦怠感、めまい――。一見、一般内科的な所見に合致するこれらの症状の中には、実は血液内科的疾患が潜んでいることがあります。鑑別がつきにくい症例では、初期診断の遅れが患者の予後に大きく影響することも少なくありません。今回、「血ミル」回答医である玉井先生監修のもと、一般内科的症状を持つ血液疾患の症例を紹介いたします。 症例:倦怠感と発熱を主訴に受診した血液疾患患者※本症例は実際の症例ではなく、仮想の症例となっております。 ■患者情報年齢 :50歳男性既往歴:高血圧、脂質異常症、過去にピロリ菌除菌歴あり ■経過2か月前から続く労作時の息切れと全身倦怠感軽度のめまいと食欲低下あり最近、動悸を感じることが増えた風邪症状はなし ■服薬歴降圧薬(ARB)スタチン(脂質異常症の管理) ■血液検査値① 白血球数:3,100/μL(低下)② 赤血球数:2.8×10⁶/μL(低下)③ ヘモグロビン:7.4 g/dL(貧血)④ ヘマトクリット:27.1%(低下)⑤ 血小板数:48,000/μL(減少) ■診断当初はウイルス感染症や慢性疲労症候群が疑われたが、血液検査を実施すると汎血球減少が確認された。骨髄検査をはじめとした精査を行った結果、再生不良性貧血(Aplastic Anemia)と診断された。 倦怠感や動悸は赤血球減少による酸素運搬能低下と考えられる。 ■治療・経過血液内科へ転科し、免疫抑制療法(ATG+シクロスポリン)を開始。輸血による支持療法も併用しながら経過観察中。 些細な症状でも血液検査を行うことが肝要です。本症例中では触れませんでしたが、汎血球減少症では急性前骨髄球性白血病が鑑別に挙がるため、凝固検査の提出が必須です。フィブリノーゲン値の低下やFDP、D-ダイマーの上昇を認めたら一刻も早く血液内科のある病院に紹介してください。 血液検査値で悩むことがあれば血ミルへご相談ください 整形外科疾患と思っていても、実は血液内科疾患だったという事例はあります。血液検査値で悩まれた場合は血ミルまでご相談ください。 血ミルは血液内科専門医にオンラインで24時間無料で相談できるサービスです。ぜひお気軽にご利用ください。 少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください!「24時間」「匿名」「専門医と1対1」で、相談可能 ① 血ミルへアクセス ② 患者情報、主な検査値を入力 ③ 直接、専門医から回答が返却 ご相談はこちらから
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