「loncastuximab tesirine(国内未承認)」の記事一覧

CAR-T細胞療法抵抗性DLBCL治療に期待される抗体薬物複合体loncastuximab tesirine
CAR-T細胞療法抵抗性DLBCL治療に期待される抗体薬物複合体loncastuximab tesirine
公開日:2024年12月16日 Epperla N, et al. Blood Cancer J. 2024; 14: 210.  CAR-T細胞療法後に治療抵抗性を示すまたは病勢進行が認められた患者に対する抗体薬物複合体loncastuximab tesirineの有効性は明らかになっていない。米国・ユタ大学のNarendranath Epperla氏らは、米国における再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するCAR-T細胞療法後のloncastuximab tesirineの使用実態およびアウトカムを評価するため、レトロスペクティブ研究を実施した。Blood Cancer Journal誌2024年11月28日号の報告。  対象は、2ndラインまたは3rdラインでCAR-T細胞療法を行い病勢進行が認められ、3rdラインまたは4thラインでloncastuximab tesirine単剤療法を行った18歳以上の再発・難治性DLBCL患者。CAR-T細胞療法後のloncastuximab tesirineのアウトカムには、奏効率(全奏効率[ORR]、完全奏効 [CR] 率)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・解析対象患者は118例。2ndラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者は95例(年齢中央値:66歳、男性の割合:61%)、3rdラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者は23例(年齢中央値:57歳、男性の割合:43%)。 【2ndラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者】 ・ORRは73%、CR率は34%。 ・loncastuximab tesirine単剤療法後のフォローアップ期間中央値8.5ヵ月、DOR、PFS、OSの中央値は未達であった。 ・12ヵ月時点でのDORは68%、PFSは77%、OSは84%。 【3rdラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者】 ・ORRは78%、CR率は17%。 ・loncastuximab tesirine単剤療法後のフォローアップ期間中央値は13ヵ月、DOR中央値は7.6ヵ月、PFS中央値は12.0ヵ月、OS中央値は未達であった。 ・12ヵ月時点でのOSは95%。  著者らは「CAR-T細胞療法後に治療抵抗性を示すまたは病勢進行が認められたDLBCL患者に対する3rdラインまたは4thラインでのloncastuximab tesirine単剤療法は、効果的であり、治療選択肢の1つとなりうる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Epperla N, et al. Blood Cancer J. 2024; 14: 210.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39609431 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら