ライブラリー 再発・難治性の高齢者PTCLに対するGDP療法+ロミデプシン〜国内第II相試験
公開日:2024年7月1日
Yamasaki S, et al. Hematol Rep. 2024; 16: 336-346.
末梢性T細胞リンパ種(PTCL)の重要な治療選択肢の1つであるロミデプシンは、投与するタイミングについて、議論の余地が残っている。九州大学別府病院の山崎 聡氏らは、ゲムシタビン+デキサメタゾン+シスプラチン(GDP療法)後のconsolidationとしてのロミデプシンの安全性および有効性を検討した。Hematology Reports誌2024年5月28日号の報告。
本国内第II相試は、2019年3月〜2021年3月に治療を行った65歳以上の再発・難治性PTCL患者を対象に、PTCL -GDPR試験として実施した。GDP療法を2〜4サイクル実施後、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定(SD)であった場合、ロミデプシンを4週間ごとに1年間投与した。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者は、再発・難治性PTCL 7例(T濾胞ヘルパー細胞起源節性リンパ腫:1例、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫:6例)。
・フォローアップ期間(平均は34ヵ月)中の、2年全生存期間(OS)は71%、治療後の全奏効率(OR)は57%であった。
・主な有害事象として、好中球減少症などの血液毒性がみられたが、支持療法により改善が認められた。
・治療に関連する死亡は認められなかった。
著者らは「ロミデプシンは、移植適応のない高齢者の最初・難治性PTCLに安全かつ効果的に使用可能であると考えられるが、さらなる調査が求められる」としている。
(エクスメディオ 鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Yamasaki S, et al. Hematol Rep. 2024; 16: 336-346.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38921182
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