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切除不能進行・再発胃がんの1次治療へのニボルマブ上乗せ OSとPFSを有意に延長
切除不能進行・再発胃がんの1次治療へのニボルマブ上乗せ OSとPFSを有意に延長
First-line nivolumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone for advanced gastric, gastro-oesophageal junction, and oesophageal adenocarcinoma (CheckMate 649): a randomised, open-label, phase 3 trial Lancet. 2021 Jul 3;398(10294):27-40. doi: 10.1016/S0140-6736(21)00797-2. Epub 2021 Jun 5. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ×マイナビ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】進行性または転移性のヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の胃または胃食道接合部腺癌に対する第一選択の化学療法は、全生存期間(OS)の中央値が1年未満である。我々は、胃、胃食道接合部、および食道腺がんにおいて、プログラム細胞死(PD)-1阻害剤を用いたファーストライン治療を評価することを目的としました。この多施設共同無作為化非盲検第3相試験(CheckMate 649)では、29カ国の175の病院およびがんセンターから、PD-リガンド1(PD-L1)の発現状況にかかわらず、前治療歴のある切除不能な非HER2陽性の胃・胃食道接合部・食道腺がんの成人患者(18歳以上)を登録しました。患者は、インタラクティブなウェブ応答技術を用いて、ニボルマブ(360mgを3週に1回または240mgを2週に1回)と化学療法(カペシタビンとオキサリプラチンを3週に1回またはロイコボリンとフルオロウラシルとオキサリプラチンを2週に1回)、ニボルマブとイピリムマブ、または化学療法単独に無作為に割り付けられました(ブロックサイズは6)。ニボルマブと化学療法の併用療法と化学療法単独療法の主要評価項目は、PD-L1複合陽性スコア(CPS)が5以上の腫瘍を有する患者を対象に、盲検化された独立中央審査によるOSまたは無増悪生存期間(PFS)とした。安全性は、割り当てられた治療を少なくとも1回受けたすべての患者で評価しました。本試験はClinicalTrials. gov, NCT02872116に登録されています。 【結果】2017年3月27日から2019年4月24日までに、適格性を評価した2687名の患者のうち、1581名の患者を治療(ニボルマブ+化学療法[n=789、50%]または化学療法単独[n=792、50%])に同時無作為に割り付けました。OSの追跡期間中央値は、ニボルマブと化学療法の併用で13-1カ月(IQR 6-7-19-1)、化学療法単独で11-1カ月(5-8-16-1)であった。PD-L1 CPSが5以上の患者(最低追跡期間12-1カ月)において、ニボルマブと化学療法の併用により、OS(ハザード比[HR]0-71[98-4%CI 0-59-0-86]、p<0-0001)およびPFS(HR 0-68[98%CI 0-56-0-81]、p<0-0001)が化学療法単独に比べて有意に改善しました。さらに、PD-L1 CPSが1以上の患者および無作為に割り付けられたすべての患者において、PFSの有益性とともに、OSの有意な改善が認められました。治療を受けた全患者のうち、ニボルマブと化学療法の併用群では782人中462人(59%)、化学療法単独群では767人中341人(44%)にグレード3~4の治療関連有害事象が認められました。両群で最も多かった(25%以上)グレードの異なる治療関連有害事象は、吐き気、下痢、末梢神経障害でした。ニボルマブと化学療法併用群で16名(2%)、化学療法単独群で4名(1%)の死亡が治療関連死とされた。 【解釈】ニボルマブは、前治療歴のない進行性胃癌、胃食道接合部癌、食道腺癌患者において、化学療法との併用により、化学療法単独と比較して、優れたOS、PFSのベネフィット、許容できる安全性プロファイルを示した初めてのPD-1阻害剤です。ニボルマブと化学療法の併用は、これらの患者さんに対する新しい標準的な第一選択治療となります 【資金提供】ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、小野薬品工業株式会社との共同研究。 第一人者の医師による解説 新たな標準1次治療としてニボルマブ+化学療法を支持する結果 堀江 沙良、浜本 康夫(准教授) 慶應義塾大学医学部腫瘍センター MMJ. April 2022;18(2):45 ヒト上皮増殖因子受容体(HER2)陰性の切除不能・再発進行胃がんに対する化学療法による1次治療後の全生存期間(OS)は1年以下であり、予後不良である。CheckMate(CM)649試験は日本を含む29カ国で行われた切除不能な進行・再発胃がんを対象にニボルマブ(抗 PD-1抗体)+化学療法群の化学療法群に対する優越性を検討した第3相非盲検無作為化対照試験である。主要評価項目はPD-L1発現状況の指標 CPS(combined positive score)5以上の集団におけるOSと無増悪生存期間(PFS)であった。 CPS 5以上の集団のOS中央値はニボルマブ+化学療法群14.4カ月、化学療法群11.1カ月(ハザード比[HR], 0.71;P<0.0001)であり、ニボルマブ+化学療法群はOSで統計学的に有意な延長を示した。PFS中央値はニボルマブ+化学療法群7.7カ月、化学療法群6.0カ月(HR, 0.68;P<0.0001)であり、ニボルマブ+化学療法群で有意に長かった。CPS 1以上の集団および全体集団でもニボルマブ+化学療法群と化学療法群のOS中央値はそれぞれ14.0カ月と11.3カ月(HR, 0.77;P<0.0001)、13.8カ月と11.6カ月(HR, 0.80;P=0.0002)であり、いずれの集団でもニボルマブ+化学療法群の優越性が示された。PFSに関しても、両集団ともニボルマブ+化学療法群でPFS延長効果が示された。全体集団におけるグレード 3/4治療関連有害事象はニボルマブ+化学療法群では59%、化学療法群では44%に認められた。 CM 649試験の結果ではHER2陰性の進行・再発胃がん患者において、ニボルマブと化学療法の併用によってCPSに関わらずOSとPFSの延長が示された。本試験と同様、進行・再発胃がんの1次治療においてニボルマブ+化学療法を化学療法単独と比較したアジアのATTRACTION-4(AT-4)試験では、ニボルマブ併用によりPFSは有意に延長したが、OSの有意な延長は示されなかった。CM649試験との結果の違いは主に後治療の差によると考えられている。後治療の実施率はCM649試験の39%に対し、AT-4試験では66%と高く、特に日本人サブセットでは3次治療以降でニボルマブが広く使用されていた。CM649試験の結果は新たな標準1次治療としてニボルマブを支持するものであるが、高齢者や全身状態不良例における併用療法の適性、長期使用に伴う毒性についてはさらに検証が必要である。なお、PD-L1発現によりニボルマブの上乗せ効果が異なる傾向が示唆されていることから、日本胃癌学会の速報では可能な限りPD-L1検査を行うことが望ましいとし、CPS5未満では3次治療以降での使用機会の可能性を考慮し、治療戦略を慎重に検討する必要があるとしている。
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.40(2023年3月9日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.40(2023年3月9日号)
地上とトレッドミルでのランニング、効果に差はあるか? トレッドミル(ランニングマシン)は、トレーニングやパフォーマンステストに広く使用されており、その勾配は通常0~2%に設定されている。著者らは、地上で走ったときと、0%、1%、および2%勾配のトレッドミルで走ったときの下半身の筋肉の活性化レベルを比較した。Medicine and Science in Sports and Exercise誌2023年3月1日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 舌をみることで、胃がん診断が可能!? 全身の健康状態を反映する舌の状態(舌の色・サイズ・形状、舌苔の色・厚さ・水分含有量)は、伝統的な中医学(TCM)の理論に従って、何千年もの間中国で広く使用されている。著者らは、胃癌の診断に、舌画像と舌苔の微生物叢の状態が利用できるのではないかと考え、ディープラーニングによりAIモデルを構築し、その精度を評価した。eClinicalMedicine誌2023年3月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 人工甘味料が心血管イベントリスクを増加させるか? 人工甘味料は広く使用されている砂糖の代用品だが、心血管代謝疾患のリスクに対する長期的な影響についてはほとんど知られていない。著者らは、一般的に使用されている人工甘味料であるエリスリトール摂取によるアテローム血栓性疾患のリスクを調べた。Nature Medicine誌オンライン版2023年2月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む CKDにおける様々な食事パターンのリスクと利点 食べ物は多くの生活習慣病を引き起こし、悪化させる可能性がある一方、本態性高血圧、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性などの予防と治療に使用することも可能である。ここでは、医療専門家が腎疾患患者を治療する際の指針となるよう、主な人気のある食事パターンのリスクと利点について説明する。American Journal of Kidney Diseases誌2023年3月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ソーダ税はどの階層に有効か? WHOは、砂糖の消費を減らすためにソーダ税の導入を推奨しているが、社会経済グループ間での効果は不明である。著者らは、ソーダ税を導入しているヨーロッパの4か国と比較対象の5か国における青少年のソーダ消費量の16年間(2001/2002~2017/2018)の傾向を、家族の裕福度別に評価する横断研究を行った。The American Journal of Clinical Nutrition誌2023年3月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.39(2023年3月2日号) 筋トレには、動物性タンパク質?植物性タンパク質は効果あり? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.38(2023年2月23日号) 過去30年間で男性器サイズが大きく変化!? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.37(2023年2月16日号) 話題の不老長寿薬NMNは、過体重/肥満の中高年の健康を取り戻すか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.36(2023年2月9日号) 低炭水化物ダイエットで、EDは改善するか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.35(2023年2月2日号) 高齢者の記憶力低下を防ぐための生活習慣とは? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.34(2023年1月26日号) 環境配慮の食事は、2型糖尿病のリスク低減にも有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.33(2023年1月19日号) 結局どんな食事が健康に良いのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.32(2023年1月12日号) 高タンパクの朝食は、昼食・夕食の食後血糖値にどのように影響するか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.31(2022年12月22日号) 抗生物質が運動のモチベーションを下げる!? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.30(2022年12月15日号) 最も糖尿病リスクを軽減する野菜は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.29(2022年12月8日号) リバウンド予防に効果的な食事とは? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.28(2022年12月1日号) 妊娠で母性が宿るか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.27(2022年11月24日号) 精子数の世界的な減少 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.26(2022年11月17日号) マスクは本当に効果があるのか?:学校における検証 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.25(2022年11月10日号) キツい筋トレは筋肥大に効果があるのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.24(2022年11月3日号) AIによる膵臓がん予後予測は有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.23(2022年10月27日号) 蚊を寄せ付ける体臭は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.22(2022年10月20日号) 片頭痛には有酸素運動、筋トレどちらが有効か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.21(2022年10月13日号) 妊婦の"超加工食品"摂取は子供の神経心理学的発達に影響を及ぼすか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.20(2022年10月6日号) CRPはがんのバイオマーカーになるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.19(2022年9月29日号) 免疫チェックポイント阻害剤の奏効率は、食事によって変わるのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.18(2022年9月22日号) メタボを防ぐ腸内細菌に対して、最も悪影響を及ぼす食事は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.17(2022年9月15日号) セレブからも注目されているプチ断食は、ダイエットや心血管代謝に良い影響を及ぼすのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.16(2022年9月8日号) 長生きできる紅茶の摂取量は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.15(2022年9月1日号) 顔が似ていると、遺伝情報も似ている!? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.14(2022年8月25日号) ゼロカロリー甘味料は、耐糖能に影響を及ぼさないのか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.13(2022年8月18日号) 運動後の摂取はゆで卵、生卵どちらの摂取が有用か? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.12(2022年8月11日号) 慢性腰痛を軽減する最良の運動オプションとは~RCTのネットワークメタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.11(2022年8月4日号) サル痘の臨床的特徴~最新症例報告 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.10(2022年7月28日号) 小児におけるオミクロンに対するファイザー社製COVID-19ワクチンの有効性 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.9(2022年7月21日号) 慢性便秘症に効果的な食物繊維摂取量は?:RCTの系統的レビュー&メタ解析 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号) COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6~11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本