「レテルモビル(プレバイミス)」の記事一覧

アレムツズマブ前処置後HSCT、レテルモビルCMV予防の有用性は
アレムツズマブ前処置後HSCT、レテルモビルCMV予防の有用性は
公開日:2024年9月17日 Muhsen IN, et al. Transplant Cell Ther. 2024 Sep 12. [Epub ahead of print]  アレムツズマブは、生体内のT細胞を除去することで、同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)における移植片対宿主病(GVHD)リスクを低下させる。しかし、アレムツズマブ投与は、allo-HSCT後のサイトメガロウイルス(CMV)を含む感染症リスクを上昇させる。allo-HSCT後のCMV予防には、レテルモビルが承認されているが、アレムツズマブ投与患者におけるレテルモビルの有効性を調査した研究は、これまでほとんどなかった。米国・ベイラー医科大学のIbrahim N. Muhsen氏らは、アレムツズマブ前処置後HSCTを行った患者におけるレテルモビルのCMV予防効果を明らかにするため、単施設レトロスペクティブ研究を実施した。Transplantation and Cellular Therapy誌オンライン版2024年9月12日号の報告。  対象は、アレムツズマブ前処置後allo-HSCT受けたレシピエント84例。主要アウトカムは、移植後100日以内の重大なCMV感染(予防的抗ウイルス療法を要するウイルス血症またはCMV感染症と定義)の累積発生率とした。副次的アウトカムは、グレード2以上の急性GVHDの累積発生率、広範囲慢性GVHDの累積発生率、全生存期間(OS)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・84例のうち、レテルモビルが投与された患者は30例(レテルモビル群)、投与されなかった患者は54例(対照群)。 ・平均年齢は、レテルモビル群59歳(範囲:26〜75)、対照群55.5歳(範囲:20〜73)。 ・非血縁ドナーからの移植は66.7%、骨髄性腫瘍による移植が最も多かった。 ・100日以内の重大なCMV感染の累積発症率は、レテルモビル群10%(95%CI:2.5〜23.9)、対照群55.6%(95%CI:41.2〜67.8)であり、レテルモビル群が有意に低かった(p<0.0001)。 ・グレード2以上の急性GVHDの累積発生率、OSは、両群間で差は認められなかった。 ・広範囲慢性GVHDの累積発生率については、レテルモビル群10.5%(95%CI:2.6〜24.9)、対照群36.5%(95%CI:23.6〜49.5)であり、レテルモビル群が有意に低かった(p=0.0126)。  著者らは「アレムツズマブ前処置後allo-HSCTにおけるレテルモビル投与は、重大なCMV感染の予防に有効であることが示された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Muhsen IN, et al. Transplant Cell Ther. 2024 Sep 12. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39277112 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら