「せん妄」の記事一覧

ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号)
ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.8(2022年7月14日号)
COVID-19後遺症の有病率、その危険因子とは COVID-19後遺症(PCC)の有病率を評価したこれまでの研究は、定義があいまいなまま実施されていた。そこで、2020年4~8月の間に入院した成人・小児を対象に6、12ヵ月後のPCC(WHOの定義)の有病率を調査し、その危険因子を評価するため、前向きコホート研究を実施した。BMC Medicine誌2022年7月6日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む ICUの未来:せん妄はもはや問題にならない COVID-19のパンデミック時、ICUにおけるせん妄の発生率は増加した。せん妄の無いICUを実現するための基本的な前提条件とは、どのようなものなのか。Critical Care誌2022年7月5日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む プルーン摂取は閉経後女性の骨密度に影響を与えるか? プルーンの食事摂取は骨の健康に好ましい影響を及ぼすと言われている。単一施設の並行群間ランダム化比較試験において、プルーンの12ヵ月食事摂取介入による閉経後女性の骨密度への影響について評価を行った。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2022年7月7日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 新型コロナウイルスのオミクロン変異株Ba.2.12.1、Ba.4、Ba.5の抗体回避は? 米国と南アフリカのそれぞれで激増しているオミクロン変異株Ba.2.12.1およびBa.4/5。スパイクタンパク質に追加の突然変異を抱えるこれらの新規変異株は、中和抗体をさらに回避する可能性がある。その回避性を明らかにするため、系統的抗原分析による調査が行われた。Nature誌オンライン版2022年7月5日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 「週末まとめて運動」と「日常的な運動」死亡率低下に寄与するのは? 中等度~強度の身体活動の週ごとの推奨量が、1週間に分散している場合とより少ない日数に集中している場合、死亡リスクに同じ利点があるかどうかは不明である。1997~2013年の米国国民健康インタビュー調査で身体活動について報告した35万978人を対象とした大規模前向きコホート研究の結果が報告された。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2022年7月5日の報告。 ≫Bibgraphで続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.7(2022年7月7日号) 糖尿病の有無が影響するか、心不全に対するエンパグリフロジンの臨床転帰 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.6(2022年6月30日号) 老化をあざむく方法は? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.5(2022年6月23日号) 座位時間と死亡率および心血管イベントとの関連性:低~高所得国での違いはあるか? ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.4(2022年6月16日号) 乳製品やカルシウム摂取量と前立腺がんの発症リスクの関連性:前向きコホート研究 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.3(2022年6月9日号) 運動は脳内RNAメチル化を改善し、ストレス誘発性不安を予防する ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.2(2022年6月2日号) 6〜11歳の子供におけるmRNA-1273Covid-19ワクチンの評価 ≫その他4本 ヒポクラ × マイナビ Journal Check Vol.1(2022年5月26日号) SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の特性評価と抗ウイルス感受性 ≫その他4本
入院中の成人のせん妄を予防するための抗精神病薬。系統的レビュー。
入院中の成人のせん妄を予防するための抗精神病薬。系統的レビュー。
Antipsychotics for Preventing Delirium in Hospitalized Adults: A Systematic Review Ann Intern Med 2019;171:474-484. 上記論文のアブストラクト日本語訳 ※ヒポクラ×マイナビ 論文検索(Bibgraph)による機械翻訳です。 【背景】せん妄は、基礎的な医学的問題によって引き起こされる、注意力と認知力の障害を特徴とする急性障害である。抗精神病薬はせん妄の予防に用いられるが,その有益性と有害性は不明である。 【目的】成人におけるせん妄予防のための抗精神病薬の有益性と有害性を評価する系統的レビューを行う。 【データソース】研究設定,発表言語,追跡期間による制限なしに,開始時から2019年7月までPubMed,Embase,CENTRAL,CINAHL,PsycINFOを使用。 【研究選択】抗精神病薬とプラセボまたは別の抗精神病薬を比較した無作為化対照試験(RCT),および比較群を有する前向き観察研究。 【データ抽出】1名の査読者がデータを抽出しエビデンスの強さを評定し,2名の査読者がデータを確認した。2名の査読者が独立してバイアスのリスクを評価した。 データの統合]合計14件のRCTが含まれた。せん妄予防に使用されるハロペリドールとプラセボの間には、せん妄の発生率または期間、入院期間(証拠の強さが高い[SOE])、死亡率に差はなかった。認知機能、せん妄の重症度(不十分なSOE)、不適切な継続、および鎮静(不十分なSOE)に対するハロペリドールの効果を判断するエビデンスはほとんど見いだせなかった。第二世代抗精神病薬が術後設定におけるせん妄発生率を低下させる可能性があるという証拠は限られている。抗精神病薬の短期使用が神経学的有害性と関連するというエビデンスはほとんどない。いくつかの試験では、有害となりうる心臓への影響が抗精神病薬の使用により頻繁に発生していた。 【Limitation】抗精神病薬の投与量、抗精神病薬の投与経路、転帰の評価、有害事象には大きな異質性があった。 【結論】現在のエビデンスは、せん妄の予防のためのハロペリドールや第2世代抗精神病薬のルーチン使用を支持しない。第二世代抗精神病薬が術後患者のせん妄の発生率を低下させる可能性があるという限られたエビデンスはあるが、さらなる研究が必要である。今後の試験では,標準化されたアウトカム指標を用いる必要がある.(プロスペロー:Crd42018109552). 第一人者の医師による解説 今後は第2世代抗精神病薬と非薬理学的介入との比較研究が必要 中村 暖(助教)/岩波 明(主任教授)昭和大学病院附属東病院精神神経科 MMJ.April 2020;16(2) せん妄は、短期間のうちに注意力と認知機能が障害される意識障害の一種で、症状に変動性がみられるのが特徴である。身体疾患や手術などが原因で発症することが多く、発症後に日常生活動作 (ADL)や認知機能の低下、死亡率の上昇を引き起こすことが報告されている。このため、せん妄による2次障害の発生率や死亡率を低下させるためには、 せん妄の治療に加えて発症の予防が非常に重要となる。 せん妄予防を目的とした薬物投与については、 抗精神病薬の使用が複数の研究で報告されているが(1)-(3)、有効性と有害性について統一的な見解は得られていない。そもそも臨床の現場では、症状のない段階での抗精神病薬の使用自体に対する抵抗感が根強いため、予防的投与の有効性に関しての検討は臨床的な観点からも非常に重要である。 本論文は、せん妄の発症予防を目的とした抗精神病薬の有用性と有害性に関する大規模な系統的レビューである。せん妄の発症予防効果に関して、ハ ロペリドールまたは第2世代抗精神病薬とプラセボ、あるいはハロペリドールと第2世代抗精神病薬を比較した14件のランダム化比較試験を解析した。各文献から得られたデータの解析に際しては、認知機能、入院期間、せん妄の重症度、鎮静作用、抗精神病薬の不適切な継続投与、せん妄の発症率、せん妄の持続期間、死亡率、心臓・神経系の障害について評価をした。 せん妄の発症率と持続期間、入院期間、死亡率について、ハロペリドールとプラセボの間で差はみられなかった。認知機能、せん妄の重症度、抗精神病薬の不適切な使用、鎮静作用に関しても、ハロペ リドールの有効性を示す結果は得られなかった。一方で術後の予防投与に限り、第2世代抗精神病薬(リスペリドン、オランザピン)はプラセボと比較してせん妄の発症率を有意に低下させていた。神経系 の障害に関して差が認められなかった一方、心臓 の障害は抗精神病薬の使用によってより高い頻度で生じることが明らかになった。 結論として、成人の入院患者におけるせん妄の発症抑制を目的としたハロペリドールの予防投与は有用ではないことがわかった。術後せん妄の発症予防に関して第2世代抗精神病薬の有効性を支持する結果が得られたが、先行研究では非薬理学 的介入が術後せん妄の発症予防に有効であるとの報告もあるため、今後はこうした非薬理学的介入との比較研究が必要である。 1.Wang W et al. Crit Care Med. 2012;40(3):731-739. 2.Al-Aama T et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2011;26(7):687-694. 3.Larsen KA et al. Psychosomatics. 2010;51(5):409-418
せん妄~BIBGRAPH SEARCH(2022年10月6日号)
せん妄~BIBGRAPH SEARCH(2022年10月6日号)
今回は、せん妄に関する最新論文を取り上げています。日本人せん妄患者の特徴、注意が必要な薬剤、経皮吸収型製剤によるせん妄予防の可能性など注目論文をご紹介。また、麻酔薬セボフルランの投与量が術後せん妄の発現に影響するか、高齢泌尿器科患者のせん妄リスク因子の情報もピックアップしました。せん妄予防の参考にしていただけると幸いです。(エクスメディオ 鷹野 敦夫) 『BIBGRAPH SEARCH』では、エクスメディオが提供する文献検索サービス「Bibgraph」より、注目キーワードで検索された最新論文をまとめてご紹介しています。 日本のせん妄患者、その臨床的特徴は~全国医療データベース分析 Ueda N, et al. BMJ Open. 2022; 12: e060630. ≫Bibgraphを読む 注意が必要なせん妄を誘発する薬剤~メタ解析 Reisinger M, et al. Acta Psychiatr Scand. 2022 Sep 28. [Online ahead of print] ≫Bibgraphを読む 経口薬を拒否する患者へのせん妄予防における経皮吸収型抗精神病薬の可能性~日本におけるレトロスペクティブ観察研究 Hatta K, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2022 Aug 12. [Online ahead of print] ≫Bibgraphを読む セボフルランの投与量は術後せん妄に影響するのか~プロスペクティブコホート Taylor J, et al. Br J Anaesth. 2022 Sep 30. [Online ahead of print] ≫Bibgraphを読む 高齢泌尿器科患者における術後せん妄のリスク因子~メタ解析 Hua Y, et al. Medicine (Baltimore). 2022; 101: e30696. ≫Bibgraphを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら