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再発・難治性MMに対する実臨床での処方パターンとその結果/Blood Adv
再発・難治性MMに対する実臨床での処方パターンとその結果/Blood Adv
公開日:2024年8月9日 Dhakal B, et al. Blood Adv. 2024 Aug 7. [Epub ahead of print]  多発性骨髄腫(MM)の治療では、早い段階での免疫調節薬レナリドミドの使用により、早期のレナリドミド抵抗性MM患者が増加しているが、このような患者におけるアウトカムは明らかになっていない。米国・ウィスコンシン医科大学のBinod Dhakal氏らは、プロテアソーム阻害薬で治療を行ったレナリドミド抵抗性MM患者における第1〜3選択治療(LOT)の治療パターン、生存アウトカム、予後変数、脱落率について、調査を行った。Blood Advances誌オンライン版2024年8月7日号の報告。  2016年1月〜2022年4月にFlatiron Healthデータベースに登録されたMM患者1万2,767例のうち、選択基準を満たした1,455例を対象に分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・最も多かった治療は、3剤併用療法であり(41.6%)、レジメンでは、ダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(DPd療法)が13.2%で最も多かった。 ・実臨床における無増悪生存期間(RW-PFS)中央値は6.5ヵ月、全生存期間(OS)中央値は44.4ヵ月であった。 ・RW-PFS中央値は、LOTが1〜3回のいずれにおいても同様であった。 ・RW-PFSおよびOSの悪化と関連している因子として、ベースライン時の国際病期分類(ISS)ステージIII、ECOGパフォーマンスステータス1、ヘモグロビン値12g/dL未満、high-risk cytogenetics、抗CD38抗体抵抗性が挙げられた。 ・NCCNガイドライン推奨治療を受けた患者と2020年以降に治療を受けた患者のアウトカムは同様であった。 ・登録時にLOTが1回のみの患者は561例では、LOT2〜5の累積脱落率が85%、そのうち死亡例が25%であり、60%はそれ以上の治療を行っていなかった。  著者らは「LOTが1〜3回のレナリドミド抵抗性MM患者では、アウトカムが不良であり、利用可能な治療法による病勢進行が速いため、治療を脱落する前に早期段階での効果的な治療を行う必要性が浮き彫りとなった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dhakal B, et al. Blood Adv. 2024 Aug 7. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39110988 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら