「Pola-BR療法」の記事一覧

CAR-T細胞療法に移行したLBCL患者の治療成績
CAR-T細胞療法に移行したLBCL患者の治療成績
公開日:2024年5月29日 Iacoboni G, et al. Hemasphere. 2024; 8: e62.  CAR-T細胞療法を行なった再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者の60%は、その後の疾患進行を経験する。CAR-T細胞療法後の標準的な治療法はいまだ明らかではなく、情報不足や不均一性が見られる。スペイン・バルデブロン大学のGloria Iacoboni氏らは、スペインと英国でCAR-T細胞療法後に進行した再発・難治性LBCL患者を対象に分析を行った。HemaSphere誌2024年5月21日号の報告。  対象は、2018年7月〜2022年3月にスペインと英国でCAR-T細胞療法後に進行した再発・難治性LBCL患者387例。 主な結果は以下のとおり。 ・全生存期間(OS)中央値は5.3ヵ月、注入と進行の間隔に応じて有意な差が認められた(2ヵ月未満:1.9ヵ月、2〜6ヵ月:5.2ヵ月、6ヵ月以上:未到達)。 ・進行後、237例(61%)が次の治療へ移行し、全(完全)奏効率、12ヵ月無増悪生存率(PFS)およびOSは以下の通りであった。 ●Pola-BR療法:67%(奏功率:38%、PFS:36.2%、OS:51.0%) ●二重特異性抗体:51%(奏功率:36%、PFS:32.0%、OS:50.1%) ●放射線療法:33%(奏功率:26%、PFS:30.8%、OS:37.5%) ●免疫チェックポイント阻害薬:25%(奏功率:0%、PFS:29.9%、OS:27.8%) ●レナリドマイド:25%(奏功率:14%、PFS:7.3%、OS:20.8%) ●化学療法:25%(奏功率:14%、PFS:6.1%、OS:18.3%) ・同種造血幹細胞移植を行った患者は32例(14%)、フォローアップ期間中央値の15.1ヵ月後にOS中央値に達しなかった。  著者らは「CAR-T細胞療法後、最初の2ヵ月以内に進行した再発・難治性LBCL患者のアウトカムは不良であった。ポラツズマブや二重特異性抗体などの新規標的薬による治療は、CAR-T細胞療法後においても、長期生存率の改善が期待できる」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Iacoboni G, et al. Hemasphere. 2024; 8: e62.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38774657 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
ポラツズマブ併用療法時のG-CSF製剤予防投与はどの程度有用なのか
ポラツズマブ併用療法時のG-CSF製剤予防投与はどの程度有用なのか
公開日:2024年8月29日 Kodama A, et al. Gan To Kagaku Ryoho. 2024; 51: 741-745.  びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療では、ポラツズマブ ベドチン(Pola)併用療法が広く用いられる。Pola併用療法の臨床試験では、90%以上の症例に対しG-CSF製剤が一次予防目的で投与されているが、予防投与のメリットを調査した報告はほとんどない。大阪・市立吹田市民病院の児玉 暁人氏らは、Pola併用療法時における持続型G-CSF製剤による1次予防の有無により、発熱性好中球減少症(FN)の発生率に影響を及ぼすかを調査した。癌と化学療法2024年7月号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・Pola-BP療法によるFN発生率は、G-CSFあり群で0%、G-CSFなし群で9.5%であった。 ・Pola-R-CHP療法によるFN発生率は、G-CSFあり群で0%、G-CSFなし群で31.2%であり、より高くなる傾向が認められた。 ・Pola-BP療法G-CSFあり群の入院期間は11日、G-CSFなし群は18日であり、G-CSF予防投与による入院期間の有意な短縮が認められた(p=0.046)。 ・G-CSF予防投与によりグレード3以上の白血球減少、好中球減少の発生率に減少傾向が認められたが、統計学的に有意な差は認められなかった。 ・Pola併用療法におけるG-CSF製剤の一次予防投与は、血液毒性の軽減に寄与する可能性が示唆された。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kodama A, et al. Gan To Kagaku Ryoho. 2024; 51: 741-745.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39191692 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら