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判明!食物アレルギー予防に適した離乳食「生後9ヵ月で13〜14種類」がポイント
公開日:2025年2月4日
Boden S, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2025; 36: e70035.
乳児期の離乳食の多様性は、早期の食物アレルギーを予防する可能性があるが、摂取頻度も考慮した離乳食の多様性が食物アレルギーリスクに及ぼす影響に関しては、情報が限られている。スウェーデン・ウメオ大学のStina Boden氏らは、生後6ヵ月または9ヵ月の乳児を対象に、離乳食の摂取頻度、食品数、アレルギー性食品数に基づく3つの離乳食の多様性指標について調査した。Pediatric Allergy and Immunology誌2025年1月号の報告。
対象は、NorthPop Birth Cohort Studyより抽出した生後6ヵ月および/または9ヵ月の乳児2,060人。離乳食の摂取頻度、食品数、アレルギー性食品数に基づく離乳食の多様性加重スコア(加重DDスコア)を用いて調査を行った。生後9ヵ月および18ヵ月における親の報告と医師の診断との関連性を推定するため、directed acyclic graphs(DAG)に基づく多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。分析には、感度分析および層別化解析も含めた。
主な結果は以下のとおり。
・生後9ヵ月で加重DDスコアが高い(24〜31p)乳児は、最も低い(0〜17p)乳児と比較し、18ヵ月での食物アレルギーのオッズ比(OR:0.39、95%CI:0.18〜0.88)が61%低下していた。
・早期の食物アレルギー乳児を除外した後でも、この関連性は有意であった。
・生後9ヵ月で13〜14種類の食品を摂取した乳児は、10種類未満の場合と比較し、摂取頻度とは無関係に、食物アレルギーのオッズ比(OR:0.55、95%CI:0.31〜0.98)が45%低下していた。
・層別化解析では、湿疹を有する場合および食物アレルギーの家族歴がない場合、食物アレルギーのオッズ比に有意な低下が認められた。
・生後6ヵ月での離乳食の多様性と18ヵ月での食物アレルギーとの間に関連性は認められなかった。
著者らは「生後9ヵ月で多様な離乳食を摂取することで、18ヵ月での食物アレルギーを予防できる可能性が示唆された。乳児期の食品摂取頻度の影響については、さらなる調査が必要であろう」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
原著論文はこちら
Boden S, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2025; 36: e70035.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39868464
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