「ニボルマブ(オプジーボ)」の記事一覧

悪性黒色腫~BIBGRAPH SEARCH(2022年10月5日号)
悪性黒色腫~BIBGRAPH SEARCH(2022年10月5日号)
今回は、悪性黒色腫に関する最新論文を取り上げました。「紫外線曝露は悪性黒色腫発生率に影響しているのか」やPD-1阻害薬、免疫チェックポイント阻害薬などの薬物治療に関する最近の論文をまとめています。ぜひ、ご一読ください。(エクスメディオ 鷹野 敦夫) 『BIBGRAPH SEARCH』では、エクスメディオが提供する文献検索サービス「Bibgraph」より、注目キーワードで検索された最新論文をまとめてご紹介しています。 紫外線曝露は悪性黒色腫発生率に影響しているのか Adamson AS, et al. JAMA Intern Med. 2022 Oct 3. [Online ahead of print] ≫Bibgraphを読む 悪性黒色腫に対するPD-1阻害薬治療による皮膚免疫関連有害事象 Shreberk-Hassidim R, et al. Dermatol Ther. 2022; 35: e15747. ≫Bibgraphを読む 未治療のBRAFV600遺伝子変異陽性の転移性悪性黒色腫に対するニボルマブ+イピリムマブ vs. ダブラフェニブ+トラメチニブ~DREAMseq試験 Atkins MB, et al. J Clin Oncol. 2022 Sep 27. [Online ahead of print] ≫Bibgraphを読む III~IV期の悪性黒色腫患者におけるニボルマブ単独 vs. イピリムマブ併用~CheckMate 915試験 Weber JS, et al. J Clin Oncol. 2022 Sep 26. [Online ahead of print] ≫Bibgraphを読む 免疫チェックポイント阻害薬で治療された悪性黒色腫患者における免疫関連有害事象の発生と予後 Sun Q, et al. Front Oncol. 2022; 12: 976224. ≫Bibgraphを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら
再発・難治性PCNSLに対する治療選択の現状は?
再発・難治性PCNSLに対する治療選択の現状は?
公開日:2024年10月4日 Primeaux B, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e3313.  中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は、全身的な病変を伴わずに中枢神経系へ影響を及ぼすアグレッシブリンパ腫である。第1選択治療として、大量メトトレキサート(HDMTX)ベースのレジメンが推奨されるが、その後は、高用量化学療法、全脳放射線療法、テモゾロミド併用または維持療法、自家造血幹細胞移植(auto HSCT)などによる強化療法が行われる。HDMTX+リツキシマブによる治療が進歩したものの、いまだ多くの患者が再発している。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのBrian Primeaux氏らは、再発・難治性PCNSLに対するリアルワールドでの治療の特徴を明らかにするため、本研究を実施した。Hematological Oncology誌2024年11月号の報告。  2016年4月1日〜2022年7月1日にHDMTXベースの第1選択治療を行なった成人PCNSL患者54例を対象に、レトロスペクティブ記述的分析を行なった。二次性中枢神経系リンパ腫、非B細胞由来PCNSL、眼内悪性リンパ腫の治療目的でHDMTXを行なった患者は除外した。再発・難治性PCNSLに対するリアルワールドでの治療の特徴および第1選択治療後の強化療法の特徴について、分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・31例(57%)の患者には、リツキシマブ+大量シタラビン(R-HD-AraC療法)、全脳放射線療法、またはその両方による強化療法が行われていた。 ・13例(24%)は、auto-HSCTに進んでいた。 ・病勢進行は25例で認められ、17例に対し第2選択治療が行われた。 ・第2選択治療の内訳は、臨床試験(18%)、リツキシマブ+レナリドミド(18%)、HDMTXベースのレジメン(18%)、イブルチニブ+リツキシマブ(12%)、R-HD-AraC療法(12%)。 ・さらに7例で病勢進行が認められ、第3選択治療が行われた。 ・第3選択治療はさまざまであり、リツキシマブ+レナリドミド、イブルチニブ+HDMTX、イブルチニブ、リツキシマブ、メトトレキサート、シタラビン、R-HD-AraC療法、リツキシマブ+ニボルマブ、全脳放射線療法などで治療されていた。 ・5例は第4選択治療として、リツキシマブ、リツキシマブ+レナリドミド、R+HDMTX、ニボルマブが行われた。 ・第5選択治療以降を行った患者は3例、これまでのレジメンに加え、リツキシマブ+テモゾロミド、ペムブロリズマブが用いられていた。  著者らは「再発・難治性PCNSLの治療選択肢は多様であり、医師の好み、臨床試験の適格性、治療歴、PS、臓器機能、治療目的など、患者の要因に大きく影響されていることがわかった。最適なマネジメントを実現するためにも、プロスペクティブ臨床試験の必要性が示唆された」としている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Primeaux B, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e3313.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39340121 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
進行期CHLに対するニボルマブ+AVD療法 vs. BV併用AVD療法/NEJM
進行期CHLに対するニボルマブ+AVD療法 vs. BV併用AVD療法/NEJM
公開日:2024年11月15日 Herrera AF, et al. N Engl J Med. 2024; 391: 1379-1389.  進行期古典的ホジキンリンパ腫(CHL)の治療にブレンツキシマブ ベドチン(BV)を組み入れることで成人および小児患者の臨床アウトカムは改善した。しかし、成人患者に対するBV使用は毒性リスクが懸念され、小児患者の約半数では、放射線療法による地固め療法が行われており、再発は依然として課題となっている。一方、PD-1阻害は、未治療患者を対象とした予備的研究を含め、ホジキンリンパ腫(HL)に有効であることが示唆されている。米国・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのAlex F. Herrera氏らは、新たにステージIIIまたはIVと診断された12歳以上のHL患者を対象に、第III相多施設共同非盲検ランダム化試験を実施した。NEJM誌2024年10月17日号の報告。  対象は、新たにステージIIIまたはIVと診断された12歳以上のHL患者994例。対象患者は、ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD療法)にBVを併用したBV併用AVD療法群498例、AVD療法にニボルマブを併用したニボルマブ併用AVD療法群496例にランダムに割り付けた。事前に指定した患者には、残存する代謝活性病変に対し、放射線療法を行った。主要エンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)とし、ランダム化から病勢進行またはすべての原因による死亡までの期間と定義した。 主な結果は以下のとおり。 ・有効性分析のためのITT集団には970例が含まれた。 ・計画された2回目の中間解析では、フォローアップ期間中央値12.1ヵ月(範囲:0〜38.6)で有効性の閾値を超え、ニボルマブ併用AVD療法群は、BV併用AVD療法群と比較し、PFSの有意な改善が認められた(病勢進行または死亡のハザード比:0.48、99%信頼区間[CI]:0.27〜0.87、p<0.001)。 ・フォローアップ期間が短かったため、PFS延長の持続性を評価するため、さらに1年間のフォローアップ調査を行った後、解析を繰り返し行なった。 ・フォローアップ期間中央値2.1年(範囲:0〜4.2)における2年PFSは、ニボルマブ併用AVD療法群92%(95%CI:89〜94)、BV併用AVD療法群83%(95%CI:79〜86)であった(病勢進行または死亡のハザード比:0.45、95%CI:0.30〜0.65)。 ・放射線療法を行った患者は、全体で7例。 ・ニボルマブ併用AVD療法群は、免疫関連毒性の発生率が低かった。 ・BV併用AVD療法群では治療中止が多かった。  著者らは「ニボルマブ併用AVD療法は、ステージIIIまたはIVの進行期CHLの青年および成人において、BV併用AVD療法よりもPFSがより長く、副作用プロファイルが良好である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Herrera AF, et al. N Engl J Med. 2024; 391: 1379-1389.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39413375 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら