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抗BCMA/CD3二重特異性抗体teclistamab、抗BCMA治療歴の有無に関わらず有効/Blood
抗BCMA/CD3二重特異性抗体teclistamab、抗BCMA治療歴の有無に関わらず有効/Blood
公開日:2024年8月26日 Touzeau C, et al. Blood. 2024 Aug 20. [Epub ahead of print]  teclistamabは、トリプルクラス曝露の再発・難治性多発性骨髄腫(MM)の治療薬として、FDAやEMAより承認されているB細胞成熟抗原(BCMA)およびCD3を標的とする二重特異性抗体である。第I/II相試験であるMajes TEC-1試験の対象には、抗体薬物複合体(ADC)やCAR-T細胞療法などのBCMAを標的とした治療を過去に行った患者も含まれていた。フランス・ナント大学のCyrille Touzeau氏らは、抗BCMA治療歴を有する再発・難治性MM患者に対するteclistamabの有用性を検討するため、Majes TEC-1試験コホートCを実施した。Blood誌オンライン版2024年8月20日号の報告。  対象は、抗BCMA治療歴を有する再発・難治性MM患者40例。対象患者には、teclistamab 1.5mg/kgを毎週皮下注射で投与した。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は28.0ヵ月(範囲:0.7〜31.1)。 ・過去の治療歴の中央値は、6ライン(範囲:3〜14)であった。 ・過去の抗BCMA治療には、ADC29例、CAR-T細胞療法15例、ADCとCAR-T細胞療法4例が含まれた。 ・全奏効(OR):52.5% ・最良部分奏効(PR):47.5% ・完全奏効(CR)以上:30.0% ・奏効期間中央値:14.8ヵ月 ・無増悪生存期間(PFS)中央値:4.5ヵ月 ・全生存期間(OS)中央値:15.5ヵ月 ・最も発生した治療関連有害事象(TEAE)は、好中球減少、感染症、サイトカイン放出症候群、貧血であり、グレード3以上のTEAEは、血球減少、感染症であった。 ・感染症が発生した患者は28例(70.0%)、グレード3〜4が13例(35.5%)、グレード5が4例(10%)であった。 ・teclistamab治療開始前のベースライン時のBCMA発現および免疫特性は、過去の抗BCMA治療の影響を受けなかった。  著者らは「本Majes TEC-1試験コホートCにおいて、重度および抗BCMA治療歴を有する再発・治療抵抗性MM患者に対するteclistamabの有効性および安全性が確認された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Touzeau C, et al. Blood. 2024 Aug 20. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39172760 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら