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老化予防のポイントは「ω3脂肪酸」、 3年間で約3ヵ月老化が遅延
老化予防のポイントは「ω3脂肪酸」、 3年間で約3ヵ月老化が遅延
公開日:2025年2月12日 Bischoff-Ferrari HA, et al. Nat Aging. 2025 Feb 3. [Epub ahead of print]  観察研究や小規模パイロット試験において、ビタミンD、ω3脂肪酸、運動が生物学的老化を遅延させる可能性が示唆されている。しかし、これらの介入をそれぞれまたは組み合わせた場合の抗老化作用を評価した大規模臨床試験は不十分である。スイス・チューリッヒ大学のHeike A. Bischoff-Ferrari氏らは、DO-HEALTH試験に参加した高齢者を対象に3年間にわたるビタミンD、ω3脂肪酸、運動プログラムが生物学的老化に及ぼす影響について、新たな事後分析結果を報告した。Nature Aging誌オンライン版2025年2月3日号の報告。  DO-HEALTH試験は、高齢者の健康寿命を延長させることを目的とした大規模臨床試験である。対象は、スイス在住の70歳以上の健康高齢者777人。 3年間にわたるビタミンD(2,000IU/日)、ω3脂肪酸(1g/日)、自宅での運動プログラム(週3回30分)の3つの介入と生物学的老化との関連を評価した。生物学的老化の評価には、4種類のDNAメチル化指標(PhenoAge、GrimAge、GrimAge2、DunedinPACE)を用いた。対象高齢者は、対照群、ビタミンD、ω3脂肪酸、運動プログラムのそれぞれ単独または組み合わせた8群に分類し、3年間の介入を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・ω3脂肪酸単独介入だけで、 3つの指標(PhenoAge、GrimAge2、DunedinPACE)において、生物学的老化の延長効果が認められた。  【PhenoAge】d=−0.16(95%CI:−0.02~−0.30)  【GrimAge2】d=−0.32(95%CI:−0.06~−0.59)  【DunedinPACE】d=−0.17(95%CI:−0.04~−0.31) ・ω3脂肪酸とビタミンDおよびまたは運動プログラムを組み合わせた場合、PhenoAgeにおいて相加的な効果が認められた(dの範囲:−0.24~−0.32)。 ・全体として、ベースラインから3年目までの標準化効果は0.16〜0.32単位であり、 3年間で2.9〜3.8ヵ月の抗老化作用が確認された。  著者らは「ω3脂肪酸を3年間摂取することで、生物学的老化を遅延させることが示唆された。さらに、ビタミンDや運動プログラムによる介入を併用することにより、相加的な効果が期待できることが明らかとなった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bischoff-Ferrari HA, et al. Nat Aging. 2025 Feb 3. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39900648 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
新たな治療戦略となるか!JAK2経路の選択的阻害でCAR-T細胞療法を強化可能
新たな治療戦略となるか!JAK2経路の選択的阻害でCAR-T細胞療法を強化可能
公開日:2025年2月11日 Mitsuno K, et al. Cancer Immunol Immunother. 2025; 74: 79.  分子標的薬とCAR-T細胞療法の組み合わせは、免疫療法の抗腫瘍効果を高めるための新たな治療戦略である。CD19を標的としたCAR-T細胞療法とヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は、フィラデルフィア染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(ALL)などの特定のB細胞性白血病に対し、それぞれ有効性を示すが、ルキソリチニブなどのJAK1/2阻害薬の併用は、JAK1依存性T細胞活性化経路を阻害することでCAR-T細胞の作用を減弱させるとされている。京都府立医科大学の三野 耕平氏らは、選択的II型JAK2阻害薬であるCHZ868とCD19標的CAR-T細胞療法との併用を検討した。その結果、JAK2変異状態とは無関係に、B細胞腫瘍モデル全体で、抗白血病活性が相乗的に増強されることを報告した。Cancer Immunology, Immunotherapy誌2025年2月1日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・CHZ868によるJAK2阻害は、CAR-T細胞の疲弊化を誘発することなく、抗腫瘍効果が維持された。 ・JAK2阻害耐性白血病細胞を移植したマウスモデルにおいて、生存率の有意な延長が認められた(生存期間中央値:CD19 CAR-T+CHZ868群:32日、CD19 CAR-T+対照群:26日、p=0.0303)。 ・トランスクリプトーム解析では、CH868がCAR-T細胞の分化を阻害しながら、CAR-T細胞の機能維持に重要な要素である増殖能を維持することが示唆された。  著者らは「JAK2経路の選択的阻害は、CAR-T細胞療法を強化し、耐性B細胞性白血病患者に実行可能な治療戦略となりうる可能性が示唆された」としている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mitsuno K, et al. Cancer Immunol Immunother. 2025; 74: 79.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39891728 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
男性不妊症に超加工食品が影響、精子濃度低下の可能性
男性不妊症に超加工食品が影響、精子濃度低下の可能性
公開日:2025年2月11日 Soltani M, et al. BMC Res Notes. 2025; 18: 48.  最近の研究では、男性不妊症と不健康な食生活、酸化ストレス、炎症などとの関連が示唆されているが、超加工食品と男性不妊症との潜在的な関連性は、十分に調査されていない。イラン・テヘラン医科大学のMitra Soltani氏らは、超加工食品と男性不妊症との関連を調査するため、精子の質のパラメータを評価した。BMC Research Notes誌2025年2月1日号の報告。  対象は、イラン・エスファハーン州の不妊センターより募集された男性260例。総精子運動性、精子濃度、精子数、精子形態などの4つのパラメータを評価した。対象者の食物摂取量は、検証済みの168項目食物摂取頻度質問票を用いて評価した。超加工食品には、加工肉、ビスケット、ケーキ、キャンディー、菓子、アイスクリーム、塩味スナック、甘味飲料、パン、人工フルーツ飲料、菓子パン、ソース、マーガリン、ソフトドリンク、ドレッシング、フライドポテトなどを含めた。超加工食品指数は、NOVAシステムを用いて算出した。超加工食品の摂取量に基づき三分位に分類した(最高三分位〜最低三分位)。超加工食品と精子パラメータとの関連性の分析には、ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・crude modelでは、超加工食品の第2三分位と最高三分位との間で精子濃度、総精子運動性、精子の形態異常に有意な関連は認められなかった(各々、p>0.05)。 ・年齢、婚姻期間、BMI、身体活動、うつ病、不安、ストレス、エネルギー摂取量、喫煙歴、ミネラルおよびビタミン サプリメントで調整した後、超加工食品の第2三分位と精子濃度の異常との間に有意に強い関連性が認められた(オッズ比: 3.962、95%信頼区間:1.345〜11.670、p=0.013)。  著者らは「超加工食品の摂取量と精子運動性、精子形態との間に有意な関連は認められなかったが、超加工食品の摂取量が多いほど精子濃度が低下することが明らかとなった。今後の研究で、これらの結果がさらに確認されれば、生殖年齢男性の不妊症に対処する介入や予防プログラムの作成に役立つ可能性がある」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Soltani M, et al. BMC Res Notes. 2025; 18: 48.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39891278 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
CLLに対する2つのBTK阻害薬、ザヌブルチニブはイブルチニブより優れるのか
CLLに対する2つのBTK阻害薬、ザヌブルチニブはイブルチニブより優れるのか
公開日:2025年2月10日 Fan F, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70041.  イブルチニブの登場により、慢性リンパ性白血病(CLL)治療は一変した。しかし、有害事象に悩まされることも少なくない。第2世代のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるザヌブルチニブは、安全性の向上に期待される薬剤である。中国・青島大学のFuli Fan氏らは、CLLに対する2つのBTK阻害薬、ザヌブルチニブとイブルチニブの安全性プロファイルの比較を行った。Hematological Oncology誌2025年3月号の報告。  本プロスペクティブコホート研究では、CLL患者200例が登録され、ザヌブルチニブ群(100例)、イブルチニブ群(100例)に割り付けられた。年齢、性別、BMI、ECOGのPS、遺伝学的要因などのベースライン特性を比較した。有害事象および重篤な有害事象のフォローアップおよび分類には、有害事象共通⽤語規準(CTCAE)を用いた。重篤な有害事象およびグレードIII以上の有害事象の予測因子を特定するため、多変量ロジスティック回帰モデルを実施した。調整オッズ比(aOR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・平均年齢は、ザヌブルチニブ群49.16歳、イブルチニブ群49.65歳(p=0.285)。 ・ザヌブルチニブ群では、ECOGのPS不良な患者の割合が高かった(71% vs.57%、p=0.039)。 ・ザヌブルチニブ群は、重症有害事象(4% vs.9%、p=0.152)および重篤な有害事象(8% vs.17%、p=0.054)の割合が低かった。 ・好中球減少は、イブルチニブ群のみでみられた(3%)。 ・サブグループ解析では、非難治性患者においてザヌブルチニブ群の合併症発生率が高かった(11.40% vs.5.26、p=0.065)。 ・ステージIIIのCLLは、グレードIII以上の有害事象(aOR:0.007、95%CI:0.0003〜0.1829)および重篤な有害事象(aOR:0.015、95%CI:0.0010〜0.1770)の保護因子であった。 ・ECOSのPS状態(2 vs.3)により、重篤な有害事象リスクの低下がみられ、17p欠損が重篤な有害事象の主なリスク因子であることが示唆された(aOR:6.40、95%CI:1.33〜30.79)。  著者らは「ザヌブルチニブは、イブルチニブよりも安全性プロファイルが良好であり、重症有害事象が少なかったことから、CLL患者、とくにBTK阻害薬による合併症リスクが高い患者では、ザヌブルチニブの方が安全な選択肢であると考えられる。しかし、これらの違いは、ベースライン時の臨床特性のばらつきに起因している可能性があるため、解釈には注意が必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fan F, et al. Hematol Oncol. 2025; 43: e70041.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39887746 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
メトホルミンの大腸がん腫瘍殺傷効果、そのメカニズムは
メトホルミンの大腸がん腫瘍殺傷効果、そのメカニズムは
公開日:2025年2月10日 Shabkhizan R, et al. Stem Cell Res Ther. 2025; 16: 45.  標準的な2次元細胞培養により有望なアウトカムが得られているにもかかわらず、これらのデータは、in vivoにおける腫瘍実質と完全に類似しているとはいえない。そこで、さまざまな3次元細胞培養システムが開発、製造され、実際の細胞集塊における複雑な細胞間相互作用を部分的に模倣可能となった。イラン・タブリーズ医科大学のRoya Shabkhizan氏らは、in vitroシステムにおける大腸がん腫瘍様細胞に対する、オートファジーの調節を介したメトホルミンの腫瘍殺傷効果を評価した。Stem Cell Research & Therapy誌2025年2月4日号の報告。  大腸がん腫瘍様細胞を、2.5%メチルセルロースを含む培地でヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)、腺がんHT29細胞、線維芽細胞を1:2:1の比率で使用し、作成した。腫瘍様細胞に対し、メトホルミン20〜1,000mMのさまざまな濃度で72時間曝露を行った。細胞生存率の検出には、LDH release assayを用いた。オートファージ関連因子の発現およびタンパク質レベルは、それぞれPCRアレイ、ウエスタンブロッティングを用いて測定した。ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)および免疫組織学的染色(Ki67)を用いて、大腸がん腫瘍様細胞のintegrityおよび増殖率を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・明視野画像では、本プロトコルで作成された大腸がん腫瘍様細胞は、比較的明るい周辺領域(外層)に囲まれた中央の暗い領域を示す、典型的かつコンパクトな腫瘍様細胞であった。 ・リリースされたLDH含有量にわずかな変化がみられたが、メトホルミン群と対照群の比較において、細胞毒性の関する統計学的な有意差は認められず、腫瘍細胞死に対するメトホルミンの作用は不十分であった(p>0.05)。 ・ウエスタンブロッティング解析では、メトホルミン120mMで曝露された腫瘍様細胞において、LC3II/I比の減少が認められた(p<0.05)。これらのデータは、メトホルミン40mM群および対照群と比較した、メトホルミン120mM群の腫瘍様細胞内p62含有量の減少と一致していた(p<0.05)。 ・PCRアレイ解析では、対照群と比較し、メトホルミン40mM群および120mM群において、オートファジー機構に関連するさまざまなシグナル伝達経路、オートファジーとアポトーシスの共通エフェクターに関連する複数遺伝子の上方および下方制御が確認された(p<0.05)。これらの変化は、メトホルミン120mMで曝露された腫瘍様細胞でより顕著であった。 ・組織学的検査では、メトホルミン曝露群(とくに120mM群)の腫瘍様細胞において、integrityが緩和され、アポトーシスおよびネクローシスの変化による細胞死が増加していることが確認された。 ・メトホルミン120mM群では、線維状マトリックスの残滓を伴う紡錘形状細胞が検出された。 ・メトホルミン濃度を40mMから120mMにすることで、腫瘍様組織内で増殖中のKi67陽性細胞の減少が認められた。  著者らは「メトホルミンにより、大腸がん腫瘍様細胞内で典型的なネクローシスおよびアポトーシス細胞の両方が同時に発生し、腫瘍様細胞で共有されるさまざまなオートファジーやアポトーシス遺伝子が調整されていることがわかった。これは、メトホルミンが過剰なオートファジー反応を刺激し、アポトーシス関連遺伝子を活性化する可能性を示しており、同時に増殖(Ki67陽性細胞)を抑制し、ネクローシス変化を増加させ、大腸がん腫瘍様細胞の崩壊につながることを示唆している。また、これらの効果は、用量依存的に高まることが明らかとなった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shabkhizan R, et al. Stem Cell Res Ther. 2025; 16: 45.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39901295 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
コーヒー・紅茶の健康効果が高いのはどんな人?
コーヒー・紅茶の健康効果が高いのはどんな人?
公開日:2025年2月8日 Hou KC, et al. J Formos Med Assoc. 2025; 124: 178-185.  コーヒーや紅茶の摂取は、認知症と関連していることが示唆されている。しかし、この関連に、性別や心血管リスク因子がどのような影響を及ぼすかは、よくわかっていない。国立台湾大学のKuan-Chu Hou氏らは、コーヒーおよび紅茶の摂取と認知症との関連および性別や心血管合併症による影響を調査した。Journal of the Formosan Medical Association誌2025年2月号の報告。  対象は、3つの医療機関より募集したアルツハイマー病患者278例、血管性認知症患者102例、健康対象者468例。コーヒーと紅茶の摂取頻度および摂取量、心血管合併症の有無を収集した。性別および心血管合併症で層別化し、コーヒーや紅茶の摂取と認知症との関連性を評価するため、多項ロジスティック回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・コーヒーと紅茶の摂取は、さまざまな組み合わせおよび量において、アルツハイマー病および血管性認知症の予防と関連していた。 ・1日当たり3杯以上のコーヒーまたは紅茶の摂取は、アルツハイマー病(調整オッズ比[aOR]:0.42、95%信頼区間[CI]:0.22〜0.78)および血管性認知症(aOR:0.42、95%CI:0. 19〜0.94)の保護因子であることが示唆された。 ・層別化解析では、女性および高血圧患者において、コーヒーや紅茶の摂取量が多いほど、アルツハイマー病に対する保護作用が顕著であることが示された。 ・コーヒーまたは紅茶のいずれかを摂取した場合、糖尿病患者における血管性認知症リスクの低下との関連が認められた(aOR:0.23、95%CI:0.06〜0.98)。 ・脂質異常症は、コーヒーまたは紅茶の摂取とアルツハイマー病および血管性認知症との関連を変化させる因子であった(各々、Pinteraction<0.01)。  著者らは「コーヒーおよび紅茶の摂取量が増加すると、アルツハイマー病および血管性認知症リスクが低下することが明らかとなった。この関連は、性別および高血圧、脂質異常症、糖尿病などの心血管合併症により変化することが示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hou KC, et al. J Formos Med Assoc. 2025; 124: 178-185.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38714417 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
Ph陽性ALLにおける同種HSCT後のTKI維持療法、p190とp210の予後の違いは?
Ph陽性ALLにおける同種HSCT後のTKI維持療法、p190とp210の予後の違いは?
公開日:2025年2月7日 Zhen J, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2025 Jan 7. [Epub ahead of print]  中国・中山大学附属第一医院のJiayi Zhen氏らは、フィラデルフィア染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(ALL)における同種造血幹細胞移植(HSCT)後のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)維持療法が、BCR::ABL融合遺伝子のタイプであるp190とp210患者の再発率および予後に及ぼす影響を分析するため、多施設共同研究を実施した。Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia誌オンライン版2025年1月7日号の報告。  HSCTを行ったPh陽性ALL患者58例を対象に、臨床データをレトロスペクティブに分析した。すべての対象患者に対し、移植後TKI維持療法を行った。p190群(43例)およびp210群(15例)の臨床的特徴および予後を比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・臨床的特徴は、両群間で有意な差が認められなかった。 ・多変量解析により、T315I変異が移植後の無再発生存期間(RFS)の独立したリスク因子であることが明らかとなった(HR:5.021、95%CI:1.129〜22.300、p=0.034)。 ・さらに、1年超のTKI維持療法は、RFSの保護因子であることが確認された(HR:0.315、95%CI:0.115〜0.860、p=0.025)。 ・RFS中央値は、p190群で89.4ヵ月、p210群で59.1ヵ月であり、有意な差が認められた(p=0.031)。 ・1年超のTKI維持療法を行った患者におけるサブグループ解析では、RFS中央値は、p190群で95.3ヵ月、p210群で90.5ヵ月であり、有意な差は認められなかった(p=0.080)。  著者らは「Ph陽性ALL患者に対するHSCT後のTKI維持療法における予後は、p190群と比較し、p210群で不良であった。しかし、寛解導入療法後の早期HSCTおよび移植後の長期TKI維持療法により、p210群の予後が改善され、p190群と同程度になる傾向が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zhen J, et al. Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2025 Jan 7. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39875277 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
ビールだけではない!高尿酸血症予防に重要な食品はこれ
ビールだけではない!高尿酸血症予防に重要な食品はこれ
公開日:2025年2月7日 Zhang WZ, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41399.  中国・マカオ科技大学のWei-Zheng Zhang氏らは、ライフスタイルや食習慣が高尿酸血症に及ぼす影響を調査した。Medicine誌2025年1月30日号の報告。  対象は、2018年に高尿酸血症でなかった1万883人。質問票を用いて、食習慣およびライフスタイルを収集した。高尿酸血症のリスク因子を特定するため、多変量ロジスティック回帰を用いた。2年前と現在の尿酸値の変化を比較するため、t検定およびスピアマンの順位相関係数を用いた。各変数が尿酸値の変化に及ぼす傾向効果の分析には、線形回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・2年間のフォローアップ期間後、高尿酸血症を発症した人は3,156人、発症しなかった人は7,727人。 ・高尿酸血症の有病率の違いと関連していた因子は、性別、高脂肪食、燻製、揚げ物、牛乳/大豆製品、甘味飲料、睡眠時間、喫煙/飲酒の頻度であった。 ・その中でも、牛乳/大豆製品摂取の低さおよび短時間睡眠は、高尿酸血症のリスク因子であり、男性では2年後の尿酸値の上昇傾向が認められた。  著者らは「高尿酸血症患者は、揚げ物、アルコール、プリン体を多く含む食品摂取を極力減らし、牛乳/大豆製品の摂取量を増やして、睡眠時間を改善し、腎臓および肝臓の機能改善に務めることが推奨される」とまとめている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zhang WZ, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41399.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39889152 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
コーヒー・紅茶の健康効果が高いのはどんな人? 他4本≫ Journal Check Vol.135(2025年02月08日号)
コーヒー・紅茶の健康効果が高いのはどんな人? 他4本≫ Journal Check Vol.135(2025年02月08日号)
コーヒー・紅茶の健康効果が高いのはどんな人? コーヒー・紅茶の摂取と認知症との関連が示唆されているが、性別や心血管リスク因子がこの関連性に及ぼす作用は十分に解明されていない。著者らは、コーヒーおよび紅茶の摂取量と認知症との関連性、および性別や高血圧、糖尿病、脂質異常症などの心血管合併症がその関連に与える影響について検討した。Journal of the Formosan Medical Association誌2025年2月号の報告。 ≫ヒポクラPLUSで続きを読む COVID-19はインフルエンザより危険か? COVID-19は2022年5月以降減少傾向にあるが、依然として多くの入院や死亡の原因となっている。 著者らは、2022年5月〜2024年6月のデンマークにおけるCOVID-19とインフルエンザによる疾病負担を比較するため、全国データベースを用いた観察コホート研究を実施した。The Lancet Infectious diseases誌オンライン版2025年1月29日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 禁煙には「ニコチン入り」電子タバコの方が効果的!? 電子タバコ(EC)は禁煙補助具として注目されているが、その有効性と安全性については議論が続いている。著者らは、ニコチン入りECの禁煙成功率や副作用の発生率を、ニコチンフリーECやニコチン置換療法(NRT)、無治療群と比較検討するためにシステマティックレビューとメタ解析を実施した。The Cochrane Database of Systematic Reviews誌2025年1月29日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む アイスバス(冷水浴)は健康とウェルビーイングに結びつく!? 冷水浴(CWI)は、健康やウェルビーイング向上の手段として人気があるが、その心理的、認知的、生理的な効果については十分に解明されていない。著者らは、健常な成人におけるCWIがストレス、免疫、睡眠の質、生活の質などに及ぼす影響を評価するために、システマティックレビューとメタ解析を実施した。PLOS ONE誌オンライン版2025年1月29日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 利用者の医薬品が漏れ出てる!?温泉・プールの意外な水質汚染 医薬品や違法薬物などの微量汚染物質による水質汚染は、環境および公衆衛生上の重要な課題であるが、温泉やプールといったレジャー施設における汚染の実態とその原因は十分に解明されていない。著者らは、温泉・プールの水を分析し、汚染物質の分布パターンとその発生源について調査した。Environmental Pollution誌オンライン版2025年1月29日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.134(2025年02月01日号) 筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.133(2025年01月25日号) 結局、赤肉は健康に是か非か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.132(2025年01月18日号) コーヒーはいつ飲むのがベストか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.131(2025年01月11日号) 結局、アジア人にとって乳製品はCVDリスクを減らすのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号) 月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号) 寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.123(2024年11月02日号) アルコール摂取で寿命は何年縮むのか? 他4本
LBCLに対するCAR-T細胞療法、2ndと3rdラインで治療結果はどのくらい違うのか?
LBCLに対するCAR-T細胞療法、2ndと3rdラインで治療結果はどのくらい違うのか?
公開日:2025年2月6日 Corona M, et al. Bone Marrow Transplant. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]  CAR-T細胞療法は、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の第2選択治療に利用可能となった。米国・ニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターのMagdalena Corona氏らは、CAR-T細胞療法を第2選択で実施した患者と第3選択以降で実施した患者における再発リスクおよび進行パターンの比較を行った。Bone Marrow Transplantation誌オンライン版2025年2月1日号の報告。  対象は、アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel)またはリソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel)で治療を行った再発・難治性LBCL患者354例(axi-cel:71%、liso-cel:29%)。治療ラインの内訳は、CAR-T細胞療法を第2選択で実施した患者(早期治療群)80例(23%)、第3選択以降で実施した患者(後期治療群)274例(77%)。 主な結果は以下のとおり。 ・1年全生存率(OS)は、早期治療群の方が良好であった(82%[95%CI:72〜93] vs.71%[95%CI:66〜77]、p=0.048)。 ・多変量Cox回帰モデルおよび傾向スコアマッチングでは、生存率に対するメリットは持続しなかった。 ・再発の1年累積発生率は同程度であり、1年無増悪生存期間(PFS)も同様であった。  【再発の1年累積発生率】37%(95%CI:24〜50) vs.43%(95%CI:37〜49)、p=0.200  【1年PFS】62%(95%CI:50〜76) vs.50%(95%CI:44〜57)、p=0.140 ・早期治療群では、グレードII以上のサイトカイン放出症候群(CRS)の発生率が低く、重度の好中球減少の累積発生率も低下が認められるなど、毒性プロファイルは良好であった。  【グレードII以上のCRS発生率】26%vs.39%、p=0.031  【重度の好中球減少の累積発生率】41%(95%CI:30〜52) vs.55%(95%CI:49〜60)、p=0.027  著者らは「CAR-T細胞療法は、治療ラインとは無関係に、良好なアウトカムを示すことが確認された。病勢制御の同等性が認められたことから、第1選択治療で再発したLBCLにおいて、CAR-T耐性メカニズムが持続している可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Corona M, et al. Bone Marrow Transplant. 2025 Feb 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39893244 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
衝撃の結果!遠隔医療導入で外来待ち時間はどのくらい短縮されるか/BMJ Open
衝撃の結果!遠隔医療導入で外来待ち時間はどのくらい短縮されるか/BMJ Open
公開日:2025年2月6日 Capodici A, et al. BMJ Open. 2025; 15: e088153.  社会の高齢化や慢性疾患の増加は、医療システムの継続に多大な負担を及ぼしている。医療資源のリソース不足は、とくに地方において平等な医療アクセスへの妨げとなり、待ち時間の増加による、罹患率および死亡率のリスク増加を引き起こす可能性がある。遠隔医療は、アクセスギャップを改善し、健康アウトカムを向上させる有望な解決策となりうることが期待される。イタリア・ボローニャ大学のAngelo Capodici氏らは、待ち時間に対する遠隔医療導入の影響を定量的に調査するため、システマティックレビューおよび定量分析を行った。BMJ Open誌2025年1月30日号の報告。  英語で公表された待ち時間に特化した遠隔医療介入に関する研究をPubMed および Scopus データベースよりシステマティックに検索し、レビューを行った。待ち時間の定義は、外来患者の診察予約からサービス提供までの経過時間とした。待ち時間について言及していない研究は除外した。待ち時間の加重平均短縮を算出し、バイアスリスクを評価した。バイアスリスクの評価には、3つのツール(ROBINS-I、AXIS、RoB-2)を用いた。平均値を報告した研究では加重平均アプローチ、中央値を報告した研究では中央値アプローチを用いて、結果を統合した。 主な結果は以下のとおり。 ・遠隔医療介入群および対照群あわせて27万388例を含む53件の研究を分析に含めた。 ・バイアスリスク評価では、低リスクが69.8%、中リスクが26.4%、高リスクが0%。 ・全体での待ち時間の加重平均短縮は、25.4日であった。 ・臨床専門分野に焦点を当てた場合(11万4,042例)、加重平均短縮は34.7日であった。 ・外来患者(15万6,346例)における加重平均短縮は17.3日であった。  著者らは「遠隔医療システムを導入することで、待ち時間が大幅に短縮され、より効率的かつ平等な医療システムとなりうる可能性が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Capodici A, et al. BMJ Open. 2025; 15: e088153.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39884707 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
新規PCNSLに対するHD-MTX療法、最適なレジメンは〜メタ解析
新規PCNSLに対するHD-MTX療法、最適なレジメンは〜メタ解析
公開日:2025年2月5日 Shi H, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41363.  中国・首都医科大学のHan Shi氏らは、中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の治療における大量メトトレキサート(HD-MTX)療法の最適なレジメンを包括的に評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Medicine誌2025年1月31日号の報告。  8つのデータベース(PubMed、EMBASE、Cochrane Library、WOS、Epistemonikos、CNKI、WAN-FANG Database、CBM)よりPCNSLに関する臨床試験をシステマティックに検索した。 主な結果は以下のとおり。 ・37件の研究(ランダム化比較試験:6件、単群臨床試験:31件)をメタ解析に含めた。 ・プールされた全奏効率(ORR)は、低用量MTX(3g/m2未満)で78%(95%CI:0.61〜0.91、I2=88.05%、6研究)、中用量MTX(3〜5g/m2)で80%(95%CI:0.75〜0.85、I2=81.40%、26研究)、高用量MTX(5g/m2超)で80%(95%CI:0.71〜0.88、I2=75.53%、10研究)であった。 ・プールされた2年全生存率(OS)は、低用量MTXで52%(95%CI:0.40〜0.64、I2=77.44%)、中用量MTXで60%(95%CI:0.55〜0.65、I2=74.54%)、高用量MTXで71%(95%CI:0.62〜0.79、I2=71.13%)であった。 ・MTX療法が5サイクル未満の患者では、ORRが79%(95%CI:0.72〜0.84、I2=81.46%、21研究)、完全奏効率(CR)が41%(95%CI:0.35〜0.48、I2=78.62%、21研究)、2年OSが59%(95%CI:0.52〜0.66、I2=80.72%)であり、5サイクル以上の患者では、ORRが81%(95%CI:0.75〜0.87、I2=81.54%、21研究)、CRが54%(95%CI:0.48〜0.59、I2=68.20%、20研究)、2年OSが64%(95%CI:0.58〜0.69、I2=73.12%)。 ・プールされたORRは、MTX単剤で71%(95%CI:0.44〜0.92、I2=90.21%、5研究)、2剤併用で70%(95%CI:0.60〜0.79、I2=61.60%、6研究)、3剤併用で81%(95%CI:0.72〜0.88、I2=82.09%、9研究)、4剤併用で85%(95%CI:0.80〜0.90、I2=70.29%、14研究)、多剤併用で80%(95%CI:0.72〜0.87、I2=69.44%、8研究)。 ・プールされた2年OSは、MTX単剤で59%(95%CI:0.45〜0.73、I2=63.00%)、2剤併用で52%(95%CI:0.42〜0.63、I2=62.14%、5研究)、3剤併用で66%(95%CI:0.58〜0.74、I2=74.39%、9研究)、4剤併用で63%(95%CI:0.54〜0.72、I2=84.99%)、多剤併用で60%(95%CI:0.52〜0.68、I2=67.12%)。 ・MTXベースの化学療法にシタラビンを併用することで、CRの改善が認められたが、OSには有意な影響が認められなかった。 ・MTX治療レジメンにリツキシマブを併用すると、治療奏効率やOSに影響を及ぼすことなく、無増悪生存期間(PFS)の改善が認められた。  著者らは「MTX治療戦略は、PCNSL患者の予後や治療効果と関連しており、良好な奏効を得るための用量は、HD-MTX 3.5g/m2で十分であることが示唆された。また、サイクル数の増加は、治療効果や予後を改善し、MTXベースの3剤併用療法で治療された患者のORRおよびCRが良好であることも確認された。さらに、HD-MTX療法の忍容性は、一般的に良好であったが、急性毒性の可能性を考慮し、シタラビンを含む多剤併用療法では、とくに注意が必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shi H, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41363.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39889167 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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