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ベンゾジアゼピン減量・中止のための臨床実践ガイドライン
ベンゾジアゼピン減量・中止のための臨床実践ガイドライン
公開日:2025年2月19日 Palagini L, et al. Sleep Med. 2025 Jan 31. [Epub ahead of print]  現在のガイドラインでは、慢性不眠症の第1選択治療として、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)が推奨されている。欧州ガイドラインにおける薬理学的治療の推奨事項には、短時間または中間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬・Z薬(エスゾピクロン、zaleplon、ゾルピデム、ゾピクロン)、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA:ダリドレキサント)、メラトニン受容体作動薬(徐放性メラトニン2mg)などの薬剤が含まれている。不眠症は慢性的な疾患であり、一部の治療に反応しない患者も少なくないため、さまざまな治療アプローチや治療薬の切り替えが必要とされる。しかし、現在の欧州では、これらの治療薬切り替えを安全かつ効果的に実践するためのプロトコルに関して、明確な指標が示されているわけではない。イタリア・ピサ大学のLaura Palagini氏らは、このギャップを埋めるために、不眠症に使用される薬剤を切り替える手順と妥当性を評価し、実臨床現場で使用可能な不眠症治療薬の減量アルゴリズムを提案した。Sleep Medicine誌オンライン版2025年1月31日号の報告。  不眠症治療薬の切り替え手順の評価には、RAND/UCLA適切性評価法を用いた。PRISMAガイドラインに従い実施された文献をシステマティックにレビューし、いくつかの推奨事項を作成した。 主な結果は以下のとおり。 ・選択された文献は21件。 ・ベンゾジアゼピン系睡眠薬およびZ薬の中止は、段階的に行う必要があり、1週間当たり10〜25%ずつ減少すること。 ・マルチコンポーネントCBT-I、DORA、エスゾピクロン、メラトニン受容体作動薬は、必要に応じて減量期間を延長可能なクロステーパプログラムにより、ベンゾジアゼピン系睡眠薬およびZ薬の中止を促進することが示唆された。 ・DORA、メラトニン受容体作動薬は、特別な切り替えや処方中止のプロトコルは不要であった。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Palagini L, et al. Sleep Med. 2025 Jan 31. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39923608 ヒポクラ(医師限定)へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら
多発性骨髄腫の1stラインにD-BLd療法は支持されるか〜CEPHEUS試験
多発性骨髄腫の1stラインにD-BLd療法は支持されるか〜CEPHEUS試験
公開日:2025年2月18日 Usmani SZ, et al. Nat Med. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]  多発性骨髄腫(MM)の治療において、ダラツムマブをベースとした3剤併用および4剤併用の標準治療レジメンは、未治療MM患者の生存率向上に寄与することが実証されている。現在、未治療で移植適応のないMM患者では、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(DLd療法)またはボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(BLd療法)のいずれかによる3剤併用療法が、標準療法とされている。米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのSaad Z. Usmani氏らは、未治療で移植適応のないMM患者または初期治療として移植が計画されていないMM患者を対象に、ダラツムマブ+BLd療法(D-BLd療法)の有用性を評価するため、ランダム化第III相試験であるCEPHEUS試験を実施した。Nature Medicine誌オンライン版2025年2月5日号の報告。  対象は、未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者約395例。D-BLd療法群またはBLd療法群のいずれかにランダムに割り付けられた。8コースのD-BLd療法またはBLd療法を実施した。その後、病勢進行が認められるまでD-Ld療法またはLd療法を継続した。主要エンドポイントは、次世代シーケンサー(NGS)による10−5での全体的な微小残存病変(MRD)陰性化率とした。主な副次的エンドポイントは、完全奏効(CR)以上の割合、無増悪生存期間(PFS)、10−5での持続的なMRD陰性化を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は58.7ヵ月。 ・MRD陰性化率は、D-BLd療法群で60.9%、BLd療法群で39.4%であった(オッズ比:2.37、95%信頼区間[CI]:1.58〜3.55、p<0.0001)。 ・D-BLd療法群では、BLd療法群よりもCR以上の割合、持続的なMRD陰性化率が有意に高かった。  【CR以上の割合】81.2% vs.61.6%、p<0.0001  【持続的なMRD陰性化率(12ヵ月以上)】48.7% vs. 26.3%、p<0.0001 ・病勢進行または死亡リスクは、D-BLd療法群の方がBLd療法群よりも43%低かった(ハザード比:0.57、95%CI:0.41〜0.79、p=0.0005)。 ・有害事象は、ダラツムマブおよびBLd療法で報告されている既知の安全性プロファイルと一致していた。  著者らは「BLd療法にダラツムマブを併用することで、MRD陰性などの奏効がより深く、持続的にみられることが示された。未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者に対する新たな標準治療として、D-BLd療法による4剤併用は支持されるものである」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Usmani SZ, et al. Nat Med. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39910273 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
消化器がんリスクを上げる食事と下げる食事は?
消化器がんリスクを上げる食事と下げる食事は?
公開日:2025年2月18日 Qin X, et al. Front Nutr. 2025: 12: 1539401.  近年、消化器がんの発生率は増加している。消化器がんは、世界においてがんの死因の主な原因の1つであり、生命や健康に深刻な脅威をもたらしている。主な消化器がんである胃がん、大腸がん、肝がんの進行に対する食事の影響は、とくに注目されている。しかし、食事因子と消化器がんとの関連は、十分に調査されていない。中国・吉林大学のXinxin Qin氏らは、30種の食事因子と消化器がんとの関連性を評価するため、横断的研究を実施した。Frontiers in Nutrition誌2025年1月22日号の報告。  対象は、2007〜18年のNHANES調査に参加した20歳以上の成人3万789人。食事因子30種と消化器がんとの関連を評価した。参加者の人口統計学的特徴は、記述式分析により調査した。加重線形回帰モデルを用いてp値を算出した。カテゴリ変数は、パーセントで記述し、加重カイ二乗検定を用いてp値を算出した。  大腸がん、胃がん、肝がんと相関が認められた食事因子は次のとおり。 ・大腸がんと正の相関:タンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄 ・大腸がんと負の相関:ビタミンB2、リン ・胃がんと正の相関:ビタミンD、銅 ・胃がんと負の相関:葉酸、ビタミンB12 ・肝がんと正の相関:リコピン、ビタミンB2、カルシウム、鉄、亜鉛 ・肝細胞がんと負の相関:ビタミンE ・それ以外では、食事因子と消化器がんとの関連は認められなかった。  著者らは「食事摂取は消化器がんと関連しており、これらの結果を検証するためにも更なる疫学研究が求められる」としている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Qin X, et al. Front Nutr. 2025: 12: 1539401.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39911800 ヒポクラ(医師限定)へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら
再発・難治性MCLに対するイブルチニブ+ベネトクラクス併用療法〜SYMPATICO試験
再発・難治性MCLに対するイブルチニブ+ベネトクラクス併用療法〜SYMPATICO試験
公開日:2025年2月17日 Wang M, et al. Lancet Oncol. 2025; 26: 200-213.  イブルチニブとベネトクラクスの併用療法は、互いに補完し合う作用機序により、マントル細胞リンパ腫(MCL)において、有望な臨床効果を示すことが期待されている。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMichael Wang氏らは、再発・難治性MCL患者を対象に、イブルチニブ+ベネトクラクス併用療法の有効性および安全性を評価するため、多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験(SYMPATICO試験)を実施した。The Lancet. Oncology誌2025年2月号の報告。  SYMPATICO試験には、ヨーロッパ、北米、アジア太平洋地域の84施設が参加した。対象患者は、2018年4月26日〜2019年8月28日の登録された1〜5回の治療歴を有するEOCG PSが0〜2の病理学的に再発または難治性のMCLと診断された18歳以上の成人患者267例。患者は、イブルチニブ+ベネトクラクス併用療法群(IBT+VEN群)134例またはイブルチニブ+プラセボ療法群(対照群)133例にランダムに割り付けられ、病勢進行または許容できない毒性が認められない限り2年間治療を継続した。イブルチニブの用量は560mg/日、ベネトクラクスは5週間かけて400mg/日まで増量した。ランダム化および治療割り付けは、EOCGのPS、治療歴、腫瘍崩壊症候群リスクにより層別化されたstratified permuted block scheme(ブロックサイズ:2 and 4)を用いて行った。患者および治験責任医師は、治療割り当てについて盲検化された。主要エンドポイントは、ITT集団における無増悪生存期間(PFS)の治験責任医師による評価とした。安全性については、研究期間中に1回以上治療を行ったすべての患者を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者267例のうち、男性は211例(79%)、女性は59例(21%)。 ・フォローアップ期間中央値は51.2ヵ月(IQR:48.2〜55.3)。 ・PFS中央値は、IBT+VEN群で31.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:22.8〜47.0)、対照群で22.1ヵ月(95%CI:16.5〜29.5)であった(ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.47〜0.88、p=0.0052)。 ・主なグレードIII〜IVの有害事象は、好中球減少、血小板減少、肺炎であった。  【好中球減少】IBT+VEN群:31%(134例中42例)、対照群:11%(132例中14例)  【血小板減少】IBT+VEN群:13%(17例)、対照群:8%(10例)  【肺炎】IBT+VEN群:12%(16例)、対照群:11%(14例) ・重篤な有害事象は、IBT+VEN群で60%(81例)、対照群で60%(79例)にみられた。 ・治療関連死亡は、IBT+VEN群で3例(COVID-19感染、心停止、呼吸不全)、対照群で2例(心不全、COVID-19関連肺炎)に発生した。  著者らは「再発・難治性MCL患者に対するIBT+VEN併用療法は、対照群(IBT単剤療法)と比較し、PFSの有意な改善をもたらし、未知の安全性プロファイルは検出されなかった」とし、このことから「再発・難治性MCLに対するIBT+VEN併用療法は、ベネフィット・リスクプロファイルが良好な治療選択肢である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wang M, et al. Lancet Oncol. 2025; 26: 200-213.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39914418 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
赤ワインの新たな生物学的効果、ヘプシジン発現調節メカニズムとは?
赤ワインの新たな生物学的効果、ヘプシジン発現調節メカニズムとは?
公開日:2025年2月17日 Nazlic J, et al. Food Funct. 2025 Feb 11. [Epub ahead of print]  アルコール摂取は、鉄代謝制御の中心を担うペプチドホルモンであるヘプシジンの発現低下と関連しており、体内の鉄蓄積に影響を及ぼす可能性がある。ワインに含まれるポリフェノールは、ヘプシジン発現や鉄吸収に対するアルコールとは異なる影響が示唆されている。クロアチア・スプリット大学のJurica Nazlic氏らは、血清ヘプシジン濃度に対する赤ワインの影響およびそのメカニズムを評価した。Food & Function誌オンライン版2025年2月11日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・以前の研究において、健康成人13例および2型糖尿病患者18例を対象に2週間のアルコールフリー後、赤ワイン300mlを3週間摂取した際の血清ヘプシジン濃度の変化を検討した。その結果、赤ワイン摂取による血清ヘプシジン濃度の減少が確認された。 ・赤ワイン摂取後のヘプシジン減少メカニズムを明らかにするため、対象者の予備の血清サンプルを用いて、追加の生物学的分析を行った。 ・両群において、エリスロポエチンレベルの上昇を伴うヘプシジン減少が認められた。 ・2型糖尿病患者のみで、エリスロフェロンの有意な増加が確認された。 ・これらの結果は、赤ワインの摂取により、エリスロポエチン−エリスロフェロン−ヘプシジン経路が活性化されることを示唆している。 ・エリスロポエチン−エリスロフェロン−ヘプシジン経路の活性化の指標として、両群で赤血球分布幅が増加した。また、2型糖尿病患者では、網状赤血球数の増加および血清フェリチンの減少がみられた。  著者らは「鉄分の恒常性およびヘプシジンの機能全般に影響を及ぼす条件において重要な、赤ワインの新たな生物学的効果が明らかとなった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nazlic J, et al. Food Funct. 2025 Feb 11. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39931951 ヒポクラ(医師限定)へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら
「ビーフ or チキン」アルツハイマー病に影響する食品は?
「ビーフ or チキン」アルツハイマー病に影響する食品は?
公開日:2025年2月15日 Huang Y, et al. Food Funct. 2025 Feb 3. [Epub ahead of print]  食習慣とアルツハイマー病との因果関係を評価するため、中国・The First Affiliated Hospital of Ningbo UniversityのYi Huang氏らは、2サンプルのメンデルランダム化解析を用いて、本研究を実施した。Food & Function誌オンライン版2025年2月3日号の報告。  ゲノムワイド関連研究(GWAS)データと並行し、2サンプルのメンデルランダム化(MR)解析を用いて、17食品の食習慣とアルツハイマー病リスクとの因果関係を包括的に評価した。結果のロバストを保証するため、単変量MR解析および多変量MR解析の両方を使用した。すべての分析には、逆分散重み付け(IVW)法を用いた。感度分析には、最尤法、MR-RAPS法、MR-Egger法を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・単変量MR解析では、アルツハイマー病リスク上昇と有意な関連が認められた食品は、加工肉、鶏肉、牛肉であった。  【加工肉】オッズ比(OR):1.26、95%信頼区間(CI):1.01〜1.59、p=0.044  【鶏肉】OR:2.06、95%CI:1.18〜3.59、p=0.011  【牛肉】OR:1.79、95%CI:1.25〜2.57、p=0.002 ・感度分析では、加工肉、鶏肉、牛肉の摂取との関連は、各方法において一貫しており、正の相関を示すことが明らかとなった。 ・多変量MR解析では、うつ病で調整した後、加工肉、鶏肉、牛肉の摂取量と正の相関(有意または傾向)が確認された。  【加工肉摂取量】OR:1.376、95%CI:1.015〜1.864、p=0.040  【鶏肉摂取量】OR:2.174、95%CI:1.205〜3.922、p=0.010  【牛肉摂取量】OR:1.428、95%CI:0.866〜2.355、p=0.163  著者らは「加工肉、鶏肉、牛肉の摂取は、アルツハイマー病リスクと相関していることが明らかとなった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Huang Y, et al. Food Funct. 2025 Feb 3. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39898984 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
80歳以上の日本人DLBCLに対する減量Pola-R-CHP療法、実臨床での有用性は
80歳以上の日本人DLBCLに対する減量Pola-R-CHP療法、実臨床での有用性は
公開日:2025年2月14日 Sato S, et al. Blood Res. 2025; 60: 10.  80歳以上で未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するポラツズマブ ベドチンとR-CHP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)の併用療法(Pola-R-CHP療法)の有効性および安全性は、ほとんど調査されていない。神奈川県・湘南鎌倉総合病院の佐藤 淑氏らは、高齢者コホートであるPOLARIX試験の結果を拡張し、リアルワールドにおける80歳以上の日本人DLBCL患者における減量Pola-R-CHP療法の有効性および安全性を評価するため、レトロスペクティブに分析を行った。Blood Research誌2025年2月5日号の報告。  対象は、2022年9月〜2024年2月に当院でPola-R-CHP療法を行った80歳以上のDLBCL患者38例。毒性や病勢進行により早期に治療を中止した患者も含め、1コース以上の化学療法を行った。すべての患者の相対用量強度(RDI)をモニタリングした。Pola-R-CHP療法の用量調整は、主治医の裁量で実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者の年齢中央値は84.3歳(範囲:80〜95)、PS2以上の患者は8例(21%)。 ・MYCおよびBCL2再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫患者1例も対象に含めた。 ・ステージIII〜IVが30例(79%)、IPIの高リスク群16例(42%)、CNS-IPIの高リスク群4例(10%)。 ・治療コース中央値は5コース(範囲:1〜6)、全6コースを完了した患者は24例(63%)。 ・フォローアップ期間中央値は11.6ヵ月(範囲:1〜24)。 ・12ヵ月後の全生存割合(OS)は86.2%(95%CI:70.0〜94.0)、無増悪生存割合(PFS)は78.5%(95%CI:59.2〜89.5)。 ・発熱性好中球減少症の発生率は、比較的高かったものの(32%)、平均RDIが70%未満の患者では、治療強度が低下してもリスク増加が認められた。 ・末梢神経障害のためにポラツズマブ ベドチンの減量が必要であった患者はいなかった。  著者らは「新たにDLBCLと診断された80歳以上の高齢患者に対し、減量Pola-R-CHP療法は、実行可能な効果的な治療選択肢である可能性が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sato S, et al. Blood Res. 2025; 60: 10.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39907880 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
週末2〜3時間の寝だめは腎臓に好影響、CKD予防の睡眠戦略
週末2〜3時間の寝だめは腎臓に好影響、CKD予防の睡眠戦略
公開日:2025年2月14日 Chen S, et al. Ren Fail. 2025; 47: 2461682.  中国・広西中医薬大学のSheng Chen氏らは、米国成人における週末のキャッチアップ睡眠と慢性腎臓病(CKD)との関連を調査した。Renal Failure誌2025年12月号の報告。  対象は、2017〜20年の国民健康栄養調査(NHANES)データより抽出した20歳以上の成人4,934人。週末のキャッチアップ睡眠と関連したCKDリスクを評価した。週末のキャチアップ睡眠時間に基づくCKDリスクを評価するため、対象者を睡眠時間に応じて4群に分類した。週末のキャチアップ睡眠時間が1時間未満を対照群とし、1〜2時間群、2〜3時間群、3時間以上群との比較を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・完全に調整した多変量ロジスティックモデルでは、CKDと週末のキャッチアップ睡眠のオッズ比(OR)は0.86(95%信頼区間[CI]:0.61〜1.22、p=0.31)であった。 ・2〜3時間群において、CKDとの有意な関連が認められた(OR:0.44、95%CI:0.21〜0.88、p=0.03)。 ・サブグループ解析では、2〜3時間群の男女、60歳未満の成人、BMI 25未満または30以上の人および1〜2時間群のBMI 25〜29.9の人、3時間以上群の女性において有意な関連が認められた。 ・平日の睡眠時間が7時間未満で、週末のキャッチアップ睡眠時間が2〜3時間の人で、より強い相関が認められた(p<0.05)。 ・BMIとの相互作用は、統計学的に有意であった(p for interaction=0.04)。  著者らは「平日の睡眠時間が7時間未満の場合、週末に2〜3時間のキャッチアップ睡眠を行うことで、CKDリスクを低下させる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Chen S, et al. Ren Fail. 2025; 47: 2461682.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39910840 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
PCNSLに対するイブルチニブ併用HD-MTX+テモゾロミド療法〜第II相試験
PCNSLに対するイブルチニブ併用HD-MTX+テモゾロミド療法〜第II相試験
公開日:2025年2月13日 Gao Y, et al. Blood Cancer Discov. 2025 Feb 6. [Epub ahead of print]  B細胞受容体シグナル伝達の恒常的活性化は、中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)で頻繁に発生する。そのため、B細胞受容体シグナル伝達経路を阻害するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬は、PCNSLの有望な治療薬として期待されている。中国・Sun Yat-sen University Cancer CenterのYan Gao氏らは、新たに診断されたPCNSLにおける大量メトトレキサート(HD-MTX)+テモゾロミド療法にBTK阻害薬イブルチニブを併用した際の有効性および安全性を評価するため、多施設共同プロスペクティブコホート第II相試験を実施した。Blood Cancer Discovery誌オンライン版2025年2月6日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・登録患者数35例のうち、33例を解析対象に含めた。 ・導入療法における最良全奏効率(best ORR)は93.9%、完全奏効(CR)率は72.7%であった。 ・2年無増悪生存期間(PFS)は57.6%(95%CI:49.0〜66.2)、全生存期間は84.8%(95%CI:78.6〜91.0)。 ・グレードIII以上の有害事象発生率は27.3%(33例中10例)。 ・ベースライン時の腫瘍および脳脊髄液(CFS)サンプルにおけるターゲットリシーケンスで検査した475個の遺伝子の中で、PIM1、MYD88、BTG2、CD79Bの変異が最も高頻度に認められた。 ・CSFおよびまたは血漿中のctDNA消失は一貫しており、画像診断でもCRが確認された。 ・2コース以降にCSF中のctDNA消失が確認された患者において、PFSの有意な延長が認められた(p=0.044)。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gao Y, et al. Blood Cancer Discov. 2025 Feb 6. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39913173 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
甘くみてはいけない頭痛マネジメント、自殺リスクにも強く影響/JAMA Neurol
甘くみてはいけない頭痛マネジメント、自殺リスクにも強く影響/JAMA Neurol
公開日:2025年2月13日 Elser H, et al. JAMA Neurol. 2025 Feb 3. [Epub ahead of print]  これまでの研究では、片頭痛と自殺リスクとの関連が示唆されているが、さまざまな頭痛疾患と自殺企図および自殺リスクとの関連を評価した研究は限られている。デンマーク・オーフス大学のHolly Elser氏らは、片頭痛、緊張型頭痛、外傷後頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(TAC)と自殺企図および自殺リスクとの関連を調査した。JAMA Neurology誌オンライン版2025年2月3日号の報告。  1995〜2020年にデンマーク国民を対象に人口ベースコホート研究を実施した。デンマークの人口約560万人を対象に、頭痛と診断された15歳以上の患者を性別および生年月日に基づき1:5でマッチさせた対照者。2023年5月〜2024年5月にデータ分析を行った。頭痛患者は、入院、救急外来、専門外来クリニックにおいてICD-10に基づきはじめて頭痛と診断された患者。主要アウトカムは、自殺企図および自殺リスクとした。自殺企図は、ICD-10診断コードを用いてデンマーク国立患者レジストリおよびデンマーク精神医学中央研究レジストリより特定した。自殺は、デンマーク死因レジストリより特定した。自殺企図および自殺の絶対リスク(AR)とリスク差(RD)は、累積発生率関数を用いて算出した。頭痛診断と関連する自殺企図および自殺のハザード比(HR)は、年齢、性別、年、教育、収入、ベースラインの併存疾患で調整したのち、競合する死亡リスクを考慮して算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象は、頭痛と診断された患者11万9,486例(女性の割合:69.5%[8万3,046例])と対照群59万7,430例(女性の割合:69.5%[41万5,230例])。 ・年齢中央値は、40.1歳(IQR:29.1〜51.6)。 ・自殺企図の15年ARは、頭痛患者で0.78%(95%CI:0.72〜0.85)、比較コホートで0.33%(95%CI:0.31〜0.35)であった(RD:0.45%、95%CI:0.39〜0.53)。 ・自殺の15年ARは、頭痛患者で0.21%(95%CI:0.17〜0.24)、比較コホートで0.15%(95%CI:0.13〜0.16)であった(RD:0.06%、95%CI:0.02〜0.10)。 ・自殺企図および自殺の危険性は、比較コホートと比較し、頭痛患者で有意に高かった。  【自殺企図の危険性】HR:2.04、95%CI:1.84〜2.27  【自殺の危険性】HR:1.40、95%CI:1.17〜1.68 ・これらの結果は、頭痛の種類を問わず一致しており、TACおよび外傷後頭痛との関連性はより強力であった。  著者らは「頭痛の診断と自殺企図および自殺との間に、強力かつ持続的な関連性が確認された。これは、頭痛患者における行動健康評価および治療の重要性を示唆している」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Elser H, et al. JAMA Neurol. 2025 Feb 3. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39899309 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
「ビーフ or チキン」アルツハイマー病に影響する食品は? 他4本≫ Journal Check Vol.136(2025年02月15日号)
「ビーフ or チキン」アルツハイマー病に影響する食品は? 他4本≫ Journal Check Vol.136(2025年02月15日号)
「ビーフ or チキン」アルツハイマー病に影響する食品は? アルツハイマー病(AD)と食習慣との因果関係は明らかではない。著者らは、遺伝データを用いたメンデルランダム化解析を実施し、加工肉・鶏肉・牛肉を含む17種類の食習慣とADの因果関係を包括的に評価した。Food & function誌オンライン版2025年2月3日号の報告。 ≫ヒポクラPLUSで続きを読む 日本人のBMI別 SGLT2阻害薬の腎保護効果は? SGLT2阻害薬の腎機能保護効果が処方開始時のBMIによって変化するかどうかは明らかではない。著者らは、日本の全国規模の疫学データベースを用いて、SGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬を新規処方された2型糖尿病患者を対象に、BMIと腎保護効果の関係を調査する後ろ向きコホート研究を実施した。European Heart Journal - Cardiovascular Pharmacotherapy誌オンライン版2025年2月3日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ”水分摂取で便秘改善”は本当なのか? 便秘は一般的な消化器疾患でありQOLを低下させる。食事からの水分摂取が腸の健康に影響を与えると考えられているが、長期的な大規模集団研究では十分に調査されていない。著者らは、成人の食事性水分摂取と便秘との相関を明らかにするために、NHANES参加者のデータ解析を実施した。BMC Public Health誌版2025年1月31日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む サプリメントはサッカー選手のパフォーマンスにどのような影響を与える? 著者らは、サッカー選手の健康状態とパフォーマンスに対する、L-アルギニン、BCAA、クレアチン、ビタミンD、B、E、C、鉄などの一般的に使用されているサプリメントの有効性を検討するために、系統的レビューを実施した。Journal of Basic and Clinical Physiology and Pharmacology誌オンライン版2025年2月10日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ドライニードリング(トリガーポイント)の真価とは!? ドライニードリング(トリガーポイント)は、スポーツや再生医療の分野で広がりを見せる手技であるが、スポーツ選手のパフォーマンスや回復に対する包括的な概要はない。著者らは、PRISMA 2020に基づき、健康な選手および負傷した選手を対象としたドライニードリング研究を系統的にレビューし、エビデンスギャップマップを作成した。Sports Medicine誌オンライン版2025年2月10日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.135(2025年02月08日号) コーヒー・紅茶の健康効果が高いのはどんな人? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.134(2025年02月01日号) 筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.133(2025年01月25日号) 結局、赤肉は健康に是か非か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.132(2025年01月18日号) コーヒーはいつ飲むのがベストか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.131(2025年01月11日号) 結局、アジア人にとって乳製品はCVDリスクを減らすのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号) 月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号) 寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本
モスネツズマブはリツキシマブを超えられるか、初発DLBCLに対するモスネツズマブ+Pola-CHP療法/Blood Adv
モスネツズマブはリツキシマブを超えられるか、初発DLBCLに対するモスネツズマブ+Pola-CHP療法/Blood Adv
公開日:2025年2月12日 Westin JR, et al. Blood Adv. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]  抗CD20/CD3二重特異性抗体であるモスネツズマブは、本邦において再発・難治性濾胞性リンパ腫(FL)で承認を取得した。本剤は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する新たな治療選択肢の1つとしても期待され、併用療法による臨床試験も進行している。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJason R. Westin氏らは、DLBCLに対する第1選択治療の1つであるポラツズマブ ベドチン併用R-CHP(Pola-R-CHP)療法とリツキシマブをモスネツズマブに変更したモスネツズマブ+Pola-CHP療法の有効性および安全性を比較するため、第II相試験を実施し、最終結果を報告した。Blood Advances誌オンライン版2025年2月5日号の報告。  対象は、未治療のDLBC患者62例。モスネツズマブ+Pola-CHP群40例、Pola-R-CHP群22例にランダムに割り付けた。21日間6コースでday1に投与を行った。モスネツズマブは、1コース目にステップアップドーズで30mgまで増量した。主要エンドポイントは、独立審査委員会により評価したPET-CT検査による完全奏効(CR)率とした。 主な結果は以下のとおり。 ・CR率は、両群間で同等であった(モスネツズマブ+Pola-CHP群:72.5%、Pola-R-CHP群:77.3%)。 ・治験責任者により評価した24ヵ月無増悪生存期間(PFS)は、モスネツズマブ+Pola-CHP群で70.8%(95%CI:55.6〜86.1)、Pola-R-CHP群で81.8%(95%CI:65.7〜97.9)であった。 ・モスネツズマブ+Pola-CHP群において最も多かった有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS:68.4%)であり、その多くはグレードI(52.6%)、1コース目に限定的に認められた。 ・Pola-R-CHP群で最も多かった有害事象は、好中球減少症/好中球数減少(54.4%)。 ・好中球減少症/好中球数減少は、両群で最も高頻度に認められたグレードIII以上の有害事象であった(モスネツズマブ+Pola-CHP群:36.8%、Pola-R-CHP群:22.7%)。 ・グレードIII以上の有害事象、重篤な有害事象、治療中止に至る有害事象の発生率は、モスネツズマブ+Pola-CHP群の方が、Pola-R-CHP群よりも高かった。  【グレードIII以上の有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:86.8%、Pola-R-CHP群:59.1%  【重篤な有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:63.2%、Pola-R-CHP群:13.6%  【治療中止に至る有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:13.2%、Pola-R-CHP群:0% ・薬理学的変化は、モスネツズマブの作用機序とPola-CHP療法併用を支持するものであった。  著者らは「初発DLBCLに対する第1選択治療として、モスネツズマブ+Pola-CHP療法は有用であったが、この小規模な研究では、Pola-R-CHP療法を上回る臨床的ベネフィットは示されなかった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Westin JR, et al. Blood Adv. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39908481 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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