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新規PCNSLに対するHD-MTX療法、最適なレジメンは〜メタ解析
新規PCNSLに対するHD-MTX療法、最適なレジメンは〜メタ解析
公開日:2025年2月5日 Shi H, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41363.  中国・首都医科大学のHan Shi氏らは、中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の治療における大量メトトレキサート(HD-MTX)療法の最適なレジメンを包括的に評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Medicine誌2025年1月31日号の報告。  8つのデータベース(PubMed、EMBASE、Cochrane Library、WOS、Epistemonikos、CNKI、WAN-FANG Database、CBM)よりPCNSLに関する臨床試験をシステマティックに検索した。 主な結果は以下のとおり。 ・37件の研究(ランダム化比較試験:6件、単群臨床試験:31件)をメタ解析に含めた。 ・プールされた全奏効率(ORR)は、低用量MTX(3g/m2未満)で78%(95%CI:0.61〜0.91、I2=88.05%、6研究)、中用量MTX(3〜5g/m2)で80%(95%CI:0.75〜0.85、I2=81.40%、26研究)、高用量MTX(5g/m2超)で80%(95%CI:0.71〜0.88、I2=75.53%、10研究)であった。 ・プールされた2年全生存率(OS)は、低用量MTXで52%(95%CI:0.40〜0.64、I2=77.44%)、中用量MTXで60%(95%CI:0.55〜0.65、I2=74.54%)、高用量MTXで71%(95%CI:0.62〜0.79、I2=71.13%)であった。 ・MTX療法が5サイクル未満の患者では、ORRが79%(95%CI:0.72〜0.84、I2=81.46%、21研究)、完全奏効率(CR)が41%(95%CI:0.35〜0.48、I2=78.62%、21研究)、2年OSが59%(95%CI:0.52〜0.66、I2=80.72%)であり、5サイクル以上の患者では、ORRが81%(95%CI:0.75〜0.87、I2=81.54%、21研究)、CRが54%(95%CI:0.48〜0.59、I2=68.20%、20研究)、2年OSが64%(95%CI:0.58〜0.69、I2=73.12%)。 ・プールされたORRは、MTX単剤で71%(95%CI:0.44〜0.92、I2=90.21%、5研究)、2剤併用で70%(95%CI:0.60〜0.79、I2=61.60%、6研究)、3剤併用で81%(95%CI:0.72〜0.88、I2=82.09%、9研究)、4剤併用で85%(95%CI:0.80〜0.90、I2=70.29%、14研究)、多剤併用で80%(95%CI:0.72〜0.87、I2=69.44%、8研究)。 ・プールされた2年OSは、MTX単剤で59%(95%CI:0.45〜0.73、I2=63.00%)、2剤併用で52%(95%CI:0.42〜0.63、I2=62.14%、5研究)、3剤併用で66%(95%CI:0.58〜0.74、I2=74.39%、9研究)、4剤併用で63%(95%CI:0.54〜0.72、I2=84.99%)、多剤併用で60%(95%CI:0.52〜0.68、I2=67.12%)。 ・MTXベースの化学療法にシタラビンを併用することで、CRの改善が認められたが、OSには有意な影響が認められなかった。 ・MTX治療レジメンにリツキシマブを併用すると、治療奏効率やOSに影響を及ぼすことなく、無増悪生存期間(PFS)の改善が認められた。  著者らは「MTX治療戦略は、PCNSL患者の予後や治療効果と関連しており、良好な奏効を得るための用量は、HD-MTX 3.5g/m2で十分であることが示唆された。また、サイクル数の増加は、治療効果や予後を改善し、MTXベースの3剤併用療法で治療された患者のORRおよびCRが良好であることも確認された。さらに、HD-MTX療法の忍容性は、一般的に良好であったが、急性毒性の可能性を考慮し、シタラビンを含む多剤併用療法では、とくに注意が必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shi H, et al. Medicine (Baltimore). 2025; 104: e41363.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39889167 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
低用量4剤併用による高血圧治療は2剤併用より優れているか
低用量4剤併用による高血圧治療は2剤併用より優れているか
公開日:2025年2月5日 Zhao X, et al. BMC Med. 2025; 23: 56.  高血圧のガイドラインでは、初期降圧療法における2剤併用療法が認められている。一方、これまでの研究では、高血圧患者に対する低用量4剤併用療法は、単剤療法よりも優れていることが報告されている。しかし、低用量4剤併用療法が2剤併用療法よりも優れているかは、明らかとなっていない。中国・The Third Xiangya Hospital of Central South UniversityのXiexiong Zhao氏らは、軽症〜中等症の高血圧患者の初期治療における低用量4剤併用療法と標準用量2剤併用療法の有効性および安全性を比較するため、ランダム化盲検クロスオーバー試験を実施した。BMC Medicine誌2025年1月29日号の報告。  対象は、軽症〜中等症の高血圧患者。初期治療として、低用量4剤併用療法(イルベサルタン75mg+メトプロロール23.75mg+アムロジピン2.5mg+インダパミド1.25mg)と標準用量2剤併用療法(イルベサルタン150mg+アムロジピン5mg)を1錠で行い、その有効性および安全性を比較した。対象患者は、2つのクロスオーバーシーケンスに1:1でランラムに割り付けられた。各シーケンスでは、低用量4剤併用療法または標準用量2剤併用療法を4週間実施し、その後2週間のウォッシュアウト後に4週間のクロスオーバーを行った。対象患者および研究者には盲検化した。主要アウトカムは、血圧低下および安全性アウトカムとした。分析は、ITTに基づき実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・2022年7月13日〜2023年4月20日に軽度〜中等度の高血圧患者90例が登録され、ランダム化された。 ・対象患者の平均年齢は43.88±10.31歳、女性の割合は25.6%。 ・ベースライン時の24時間平均血圧は145.59/93.84mmHgであった。 ・低用量4剤併用療法は、標準用量2剤併用療法と比較し、24時間平均血圧、日中平均血圧、夜間平均血圧、診察室平均血圧のさらなる低下が確認された。  【24時間平均血圧】4.72/4.17mmHg低下(各々、p<0.001)  【日中平均血圧】5.52/4.73mmHg低下(各々、p<0.001)  【夜間平均血圧】2.37/2.25mmHg低下(p=0.034、p=0.014)  【診察室平均血圧】2.91/1.73mmHg低下(p<0.001、p=0.014) ・安全性に関しては、低用量4剤併用療法における空腹時血糖(p=0.029)および血清尿酸値(p<0.001)の有意な上昇が認められたが、その他の有害事象および臨床検査値の変化に両群間で有意な差は認められなかった。  結果を踏まえ、著者らは「高血圧患者の初期治療における低用量4剤併用療法は、標準用量2剤併用療法よりも降圧効果に優れており、安全性は同程度であることが確認された」としている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zhao X, et al. BMC Med. 2025; 23: 56.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39881316 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
Flu/Bu4を用いたHSCTは高齢者でも推奨されるか〜国内大規模データベース分析
Flu/Bu4を用いたHSCTは高齢者でも推奨されるか〜国内大規模データベース分析
公開日:2025年2月4日 Shinohara A, et al. Eur J Haematol. 2025 Jan 20. [Epub ahead of print]  高齢者の同種造血幹細胞移植(HSCT)におけるフルダラビンと骨髄破壊的前処置(MAC)量のブスルファンによるFlu/Bu4レジメンは、いまだ十分に検討がなされていない。東京女子医科大学の篠原 明仁氏らは、日本の大規模データベースを用いて、レトロスペクティブに分析を行った。European Journal of Haematology誌オンライン版2025年1月20日号の報告。  対象は、造血器悪性腫瘍に対しFlu/Bu4を用いた初回HSCTを行った成人患者(15歳以上)。対象患者を若年群(60歳未満:1,295例)および高齢群(60歳以上:993例)に分類し、比較を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・高齢群のHSCT後の3年全生存率(OS)は、若年群よりも有意に不良であった(39.9% vs.48.5%、p<0.01)。 ・高齢群の3年間の非再発死亡率(NRM)は、若年群よりも有意に高かった(30.9% vs.23.0%、p<0.01)。 ・3年間の再発累計発生率は、両群間で同程度であった。 ・多変量解析では、60歳以上はOS不良およびNRMの高さと有意に関連していることが示唆された。 ・高齢群のサブグループ解析では、Flu/Bu4に化学療法薬を追加することは、OS不良およびNRMの高さと有意な関連が認められた。 ・全身照射は、NRMの高さおよび類洞閉塞症候群1年発生率との有意な関連が認められたが、OSとの関連は認められなかった。  以上の結果を踏まえ、著者らは「高齢者に対するFlu/Bu4の使用は、慎重に行う必要がある」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shinohara A, et al. Eur J Haematol. 2025 Jan 20. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39834012 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
判明!食物アレルギー予防に適した離乳食「生後9ヵ月で13〜14種類」がポイント
判明!食物アレルギー予防に適した離乳食「生後9ヵ月で13〜14種類」がポイント
公開日:2025年2月4日 Boden S, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2025; 36: e70035.  乳児期の離乳食の多様性は、早期の食物アレルギーを予防する可能性があるが、摂取頻度も考慮した離乳食の多様性が食物アレルギーリスクに及ぼす影響に関しては、情報が限られている。スウェーデン・ウメオ大学のStina Boden氏らは、生後6ヵ月または9ヵ月の乳児を対象に、離乳食の摂取頻度、食品数、アレルギー性食品数に基づく3つの離乳食の多様性指標について調査した。Pediatric Allergy and Immunology誌2025年1月号の報告。  対象は、NorthPop Birth Cohort Studyより抽出した生後6ヵ月および/または9ヵ月の乳児2,060人。離乳食の摂取頻度、食品数、アレルギー性食品数に基づく離乳食の多様性加重スコア(加重DDスコア)を用いて調査を行った。生後9ヵ月および18ヵ月における親の報告と医師の診断との関連性を推定するため、directed acyclic graphs(DAG)に基づく多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。分析には、感度分析および層別化解析も含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・生後9ヵ月で加重DDスコアが高い(24〜31p)乳児は、最も低い(0〜17p)乳児と比較し、18ヵ月での食物アレルギーのオッズ比(OR:0.39、95%CI:0.18〜0.88)が61%低下していた。 ・早期の食物アレルギー乳児を除外した後でも、この関連性は有意であった。 ・生後9ヵ月で13〜14種類の食品を摂取した乳児は、10種類未満の場合と比較し、摂取頻度とは無関係に、食物アレルギーのオッズ比(OR:0.55、95%CI:0.31〜0.98)が45%低下していた。 ・層別化解析では、湿疹を有する場合および食物アレルギーの家族歴がない場合、食物アレルギーのオッズ比に有意な低下が認められた。 ・生後6ヵ月での離乳食の多様性と18ヵ月での食物アレルギーとの間に関連性は認められなかった。  著者らは「生後9ヵ月で多様な離乳食を摂取することで、18ヵ月での食物アレルギーを予防できる可能性が示唆された。乳児期の食品摂取頻度の影響については、さらなる調査が必要であろう」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Boden S, et al. Pediatr Allergy Immunol. 2025; 36: e70035.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39868464 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
抗CD38モノクローナル抗体の登場で日本における多発性骨髄腫はどう変わったか
抗CD38モノクローナル抗体の登場で日本における多発性骨髄腫はどう変わったか
公開日:2025年2月3日 Iida S, et al. PLoS One. 2025; 20: e0315932.  日本における多発性骨髄腫(MM)の治療は、プロテアソーム阻害薬、免疫調整薬、そしてダラツムマブなどの抗CD38モノクローナル抗体の承認により大きく変化した。名古屋市立大学の飯田 真介氏らは、大規模データベースを用いて、日本におけるMM患者の患者特性、治療パターン、傾向を評価した。PloS One誌2025年1月23日号の報告。  本研究では、メディカル・データ・ビジョンの大規模診療データベースを用いた。対象は、2008年4月〜2023年6月にMM診断および疾患コードの記録が2つ以上あり、MM治療の記録が1件以上あった18歳以上の患者2万1,066例。2020年以降に第1選択治療を開始した患者は1+Lコホート、2018年以降に第2選択治療を開始した患者は2+Lコホートに割り当てられた。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者2万1,066例のうち、1+Lコホートには6,337例、2+Lコホートには5,964例が含まれた。 ・全体の年齢中央値は74歳、両コホート間で性別の違いは認められなかった(男性の割合:52.4% vs.51.3%)。 ・1+Lコホートでは、ほとんどの患者が移植を行なっておらず(90.8%)、レナリドミドベースの治療を行なっていた患者の割合は51.0%であった。主な治療は、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(DLd療法:15.0%)、レナリドミド+デキサメタゾン(Ld療法:14.0%)であった。 ・非移植患者における第1選択でのDLd療法は、6.0%(2020年1〜6月)から28.0(2023年1〜6月)へ増加していた。 ・2+Lコホートでは、第2選択治療でのレナリドミドベースの治療は、65.0%(2018年1〜6月)から37.0%(2023年1〜6月)に減少しており、ダラツムマブベースの治療が14.0%から39.0%へ増加していた。レナリドミドベースの再治療は44.1%、ダラツムマブベースの再治療は35.2%、イサツキシマブベースの再治療は5.6%で行われていた。  著者らは「第1選択治療ではレナリドミドベースおよびDLd療法の選択率が高く、第2選択においてもレナリドミドおよび抗CD38モノクローナル抗体による再治療率が高いことから、抗CD38モノクローナル抗体の治療歴の有無に関わらず、レナリドミドベースの治療後に再発したMM患者に対する新たな治療の必要性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Iida S, et al. PLoS One. 2025; 20: e0315932.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39847579 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
肥満症治療薬を使いこなす!1stチョイスはチルゼパチドかセマグルチドか
肥満症治療薬を使いこなす!1stチョイスはチルゼパチドかセマグルチドか
公開日:2025年2月3日 Liu L, et al. EClinicalMedicine. 2024: 79: 103020.  過体重や肥満は、個人だけでなく社会にとっても深刻な健康問題を引き起こす。中国・The Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのLeiling Liu氏らは、肥満に対する個別治療の促進を目的として、肥満症治療における体重減少、心代謝への影響、心理的アウトカム、有害事象への影響を調査するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。EClinicalMedicine誌2024年12月27日号の報告。  2024年6月8日までに公表された研究をWeb of Science、PubMed、Cochrane Central Register of Controlled Trialsよりシステマティックに検索した。対象には、米FDAまたは欧州EMAにより過体重または肥満の治療薬として承認された薬剤を評価したランダム化比較試験(RCT)を含めた。主要アウトカムは、体重変化、心代謝指標、心理的アウトカム、有害事象とした。サマリーデータは、公開されたレポートより抽出した。加重平均差(WMD)、リスク比(RR)、95%信頼区間(CI)の算出には、ランダム効果メタ解析を用いた。各プール分析におけるエビデンスの確実性の評価には、GRADEシステムを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・154件のRCT(11万2,515例)をメタ解析に含めた。 ・体重減少に最も有効であった薬剤はチルゼパチド、次いでセマグルチドであった。  【チルゼパチド】WMD:−11.69、95%CI:−19.22〜−4.15、p=0.0024、I2=100.0%、確実性:中程度  【セマグルチド】WMD:−8.48、95%CI:−12.68〜−4.27、p<0.0001、I2=100.0%、確実性:中程度 ・チルゼパチドは、収縮期血圧および拡張期血圧に対して最も強い降圧作用を示した。さらに、トリグリセライド、空腹時血糖、インスリン、グリコヘモグロビン(HbA1c)を最も低下させた。  【収縮期血圧】WMD:−5.74、95%CI:−9.00〜−2.48、p=0.0006、I2=99.8%、確実性:中程度  【拡張期血圧】WMD:−2.91、95%CI:−4.97〜−0.85、p=0.0056、I2=99.8%、確実性:中程度  【トリグリセライド】WMD:−0.77、95%CI:−0.85〜−0.69、p<0.0001、I2=3.2%、確実性:高  【空腹時血糖】WMD:−3.06、95%CI:−5.53〜−0.59、p=0.0150、I2=100.0%、確実性:中程度  【インスリン】WMD:−4.91、95%CI:−8.15〜−1.68、p=0.0029、I2=97.0%、確実性:中程度  【HbA1c】WMD:−1.27、95%CI:−1.82〜−0.73、p<0.0001、I2=100.0%、確実性:中程度 ・セマグルチドおよびリラグルチドには、主な心血管系有害事象リスクの低下が認められた。  【セマグルチド】RR:0.83、95%CI:0.74〜0.92、p<0.0001、I2=0.0%、確実性:高  【リラグルチド】RR:0.87、95%CI:0.79〜0.96、p=0.0059、I2=0.0%、確実性:高 ・3つの薬剤はいずれも、胃腸に対する有害事象との関連がみられた。 ・naltrexone/bupropionでは、血圧上昇リスクが確認された(RR:1.72、95%CI:1.04〜2.85、p=0.0360、I2=0.0%、確実性:高)。 ・トピラマートでは、うつ病リスクが増大した(RR:1.62、95%CI:1.14〜2.30、p=0.0077、I2=0.0%、確実性:高)。 ・phentermine/topiramateでは、不安、睡眠障害、易怒性の懸念が増加した。  【不安】RR:1.91、95%CI:1.09〜3.35、p=0.0250、I2=29.5%、確実性:高  【睡眠障害】RR:1.55、95%CI:1.24〜1.93、p<0.0001、I2=0.0%、確実性:高  【易怒性】RR:3.31、95%CI:1.69〜6.47、p<0.0001、I2=0.0%、確実性:高 ・重篤な有害事象リスクの増加がみられた薬剤はなかった。  著者らは「体重減少の第1選択薬としてチルゼパチドが最も有望であり、セマグルチドが次に続いた。心代謝リスクを考慮する場合、チルゼパチドは血圧、血糖値の低下作用が最も強く、セマグルチドとリラグルチドには主な心血管系有害事象リスクの低下が期待できる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Liu L, et al. EClinicalMedicine. 2024: 79: 103020.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39834714 ヒポクラ(医師限定)へ ※新規会員登録はこちら
初発ダブルエクスプレッサーリンパ腫にR-CHOP+ザヌブルチニブが有効〜第II相試験
初発ダブルエクスプレッサーリンパ腫にR-CHOP+ザヌブルチニブが有効〜第II相試験
公開日:2025年2月3日 Yin X, et al. Cancer. 2025; 131: e35697.  ダブルエクスプレッサーリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の他のサブタイプよりも予後不良である。中国・Shandong Cancer Hospital and InstituteのXia Yin氏らは、ステージIII以上のダブルエクスプレッサーリンパ腫に対してR-CHOP療法にザヌブルチニブを併用した際の有効性および安全性を評価するため、多施設プロスペクティブ単群第II相臨床試験を実施した。Cancer誌2025年1月1日号の報告。  対象は、2020年11月〜2022年7月に新たに診断されたダブルエクスプレッサーリンパ腫患者48例。対象患者には、6ヵ月間のザヌブルチニブ(160mg)1日2回およびR-CHOP療法6〜8サイクルを行った。R-CHOP+ザヌブルチニブ併用療法の有効性・安全性の評価および有効性と関連する因子の予備的調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・客観的奏効率(ORR)は89.6%、完全奏効率(CRR)は83.3%であった。 ・フォローアップ期間中央値は29.3ヵ月。 ・無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の中央値は未達。 ・2年PFSは81.25%、2年OSは93.75%であった。 ・グレードIII以上の有害事象は48例中23例(47.9%)で報告された。 ・次世代シーケンシング(NGS)を実施した33例の結果では、最も一般的な遺伝子変異としてTP53、MYD88、PIM1が特定された。 ・多変量解析では、BCL-6遺伝子の再構成は、PFS(ハザード比[HR]:0.247、95%信頼区間[CI]:0.068〜0.900、p=0.034)およびOS(HR:0.057、95%CI:0.006〜0.591、p=0.016)の予後不良因子であることが明らかとなった。 ・また、リンパ節外病変数もOSに有意な影響を及ぼすことが示唆された(HR:15.12、95%CI:1.070〜213.65、p=0.044)。  著者らは「ダブルエクスプレッサーリンパ腫に対するR-CHOP+ザヌブルチニブ併用療法は、効果的な治療選択肢であり、ザヌブルチニブの毒性は許容可能であった」と報告している。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yin X, et al. Cancer. 2025; 131: e35697.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39748728 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
二重特異性抗体エルラナタマブと重症COVID-19リスクとの関連、そのメカニズムは?
二重特異性抗体エルラナタマブと重症COVID-19リスクとの関連、そのメカニズムは?
公開日:2025年1月31日 Li Z, et al. J Transl Med. 2025; 23: 117.  免疫療法は、多発性骨髄腫(MM)患者において重症COVID-19リスク因子である。このメカニズムを理解することは、患者の臨床アウトカム改善にとって重要である。中国・Peking Union Medical College HospitalのZiping Li氏らは、二重特異性抗体、抗CD38モノクローナル抗体、プロテアソーム阻害薬ベースのレジメンで治療を行ったMM患者におけるタンパク質発現を調査した。Journal of Translational Medicine誌2025年1月26日号の報告。  対象は、二重特異性抗体(9例)、抗CD38モノクローナル抗体(10例)、プロテアソーム阻害薬ベースレジメン(10例)で治療を行ったMM患者29例。対象患者における440個のタンパク質発現を調査した。Differentially expressed proteins(DEP)は、バイオインフォマティクス解析を用いて特定および分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・二重特異性抗体群では、重症COVID-19の発生率上昇と関連が認められた。 ・特定されたDEPは、二重特異性抗体群と抗CD38モノクローナル抗体群との間で21、二重特異性抗体群とプロテアソーム阻害薬群との間で29、抗CD38モノクローナル抗体群とプロテアソーム阻害薬群との間で25であった。 ・主成分分析およびクラスタリングにより、二重特異性抗体群とプロテアソーム阻害薬群との間でタンパク質発現プロファイルが異なることが示唆された。 ・遺伝子オントロジー(GO)解析では、二重特異性抗体群とプロテアソーム阻害薬群との間のDEPは、サイトカイン活性および白血球遊走と関連していることが明らかとなった。 ・京都遺伝子ゲノム百科事典(KEGG)分析では、これらのDEPは、サイトカインと受容体の相互作用およびJAK-STATシグナル伝達経路に多いことが示唆された。 ・白血病抑制因子(LIF)は、他のDEPと最も相関性が高く、いずれの経路においても重要な役割を果たしている可能性があり、LIFタンパク質レベルは、二重特異性抗体群で最も高かった。  著者らは「二重特異性抗体による治療は、炎症性サイトカインストリームによる重症COVID-19リスクの増加と関連しており、LIFおよびJAK-STAT経路が重要な役割を果たしていると考えられる。LIFおよびJAK-STAT経路を標的とすることで、二重特異性抗体治療を行ったMM患者の重症COVID-19を軽減できる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Li Z, et al. J Transl Med. 2025; 23: 117.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39865264 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
初発進行期FLに対するニボルマブ+リツキシマブ併用療法〜第II相1st FLOR試験
初発進行期FLに対するニボルマブ+リツキシマブ併用療法〜第II相1st FLOR試験
公開日:2025年1月30日 Barraclough A, et al. Blood Adv. 2025 Jan 24. [Epub ahead of print]  濾胞性リンパ腫(FL)の臨床アウトカムは、宿主の免疫活性に大きく影響される。また、免疫抗腫瘍活性は、PD-1/PD-L1経路が関与することにより緩和される。CD20を標的とした治療とPD-1阻害薬との併用は、T細胞による腫瘍殺傷およびNK細胞抗体依存性細胞障害(ADCC)の増加をもたらす。そのため、がん細胞を標的とした薬物療法の前に、PD-1阻害薬を用いた免疫プライミングを支持するエビデンスが近年増加している。オーストラリア・Fiona Stanley HospitalのAllison Barraclough氏らは、初発進行期FL患者に対するニボルマブ+リツキシマブ併用療法の安全性および有効性を評価するため、多施設共同非盲検第II相試験である1st FLOR試験を実施した。Blood Advances誌オンライン版2025年1月24日号の報告。  対象は、未治療の進行期FL患者39例。導入療法として、ニボルマブ(240mg)を4サイクル投与したのち、ニボルマブとリツキシマブ(375mg /m2)を2週間ごと4サイクル投与した。その後、維持療法として、ニボルマブ(480mg)月1回投与を1年間、リツキシマブ2ヵ月に1回投与を2年間実施した。ニボルマブプライミング後に完全奏効(CR)を達成した患者は、ニボルマブ単剤療法を継続した。主要エンドポイントは、導入療法中の毒性とした。 主な結果は以下のとおり。 ・導入療法中のグレードIII以上の有害事象発生率は33%(13例)、最も多かったのは、アミラーゼ/リパーゼ値の上昇(15%)、肝酵素異常(11%)、感染症(10%)であった。 ・毒性によりニボルマブを中止した患者は3例(膵炎:2例、急性腎障害:1例)。 ・全奏効率(ORR)は92%、CRは59%であった。 ・フォローアップ期間中央値は51ヵ月。 ・無増悪生存期間(PFS)中央値は61ヵ月(95%CI:2〜72)、4年PFSは58%(95%CI:34〜97)であり、奏効患者の70%でCRが維持された。 ・4年全生存率(OS)は95%であった。 ・PFS不良と関連していた因子は、ベースライン時の総代謝腫瘍体積(p=0.04)および総腫瘍代謝量(p=0.02)であった。 ・ベースライン時のCD8A遺伝子の高発現は、PFS良好と関連が認められた(p=0.03)。  著者らは「初発進行期FLに対するニボルマブプライミング後のニボルマブ+リツキシマブ併用療法は、許容可能な毒性および高い奏効率が期待できるため、化学療法の代替治療としての可能性が示唆された。総代謝腫瘍体積およびCD8A高発現が、FLに対する免疫療法の有望なバイオマーカーであると考えられる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Barraclough A, et al. Blood Adv. 2025 Jan 24. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39853272 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている? 他4本≫ Journal Check Vol.134(2025年02月01日号)
筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている? 他4本≫ Journal Check Vol.134(2025年02月01日号)
筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている?筋トレの人気は近年急速に高まっており、健康やパフォーマンスへの有益な効果は科学的に証明されている。しかし、研究結果が一般のトレーニーに正しく理解され、実践されているかは明らかではない。著者らは、オーストリアのジム利用者を対象に、筋トレに関する一般的な「真実」と「誤解」を問うアンケートを実施し、科学的知識の普及状況を調査した。Scientific Reports誌2025年1月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ダイエット前後の筋力低下を防ぐには? 超低エネルギーケトン食療法(VLEKT)は、体脂肪を減らしながら筋肉を維持する減量法として注目されている。しかし、炭水化物の再導入後、筋肉量減少などのリスクがあることが懸念される。著者らは、VLEKT後の移行期に1日8gの必須アミノ酸を補給することで、体脂肪を減らしたまま、筋肉量や筋力を保つ効果があるかを検証した。Journal of Translational Medicine誌2025年1月23日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 高齢者の不眠治療、その処方は適切か? 不眠症治療に経口催眠鎮静薬や非定型抗精神病薬(OSHAA)が使用されることがあるが、これらの一部は不適切な可能性のある薬(PIM)と指摘されている。著者らは、医療請求データを用いて、65歳以上の不眠症患者およびアルツハイマー病の不眠症患者におけるPIM-OSHAAの使用状況、医療資源の利用、および医療費を評価した。Sleep誌オンライン版2025年1月25日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 結局、クランベリーで尿路感染症の再発は防げるのか? 膀胱炎を含む尿路感染症(UTI)は高い有病率と抗菌薬耐性への懸念から、非抗生物質による予防策が求められている。著者らは、クランベリー粉末サプリメント摂取がUTIの発生率に及ぼす影響を検討するために、過去にUTIを繰り返した女性を対象に無作為化プラセボ対照試験を実施した。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2025年1月23日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む マラソンは本当に健康に良いのか? マラソンは、多くの健康効果が期待される一方で、過度な負荷によるリスクも指摘されている。これまで、マラソンがもたらす身体全体への影響に関する包括的なレビューは発表されていない。著者らは、マラソンのトレーニングとレースが心血管、腎臓、筋肉、免疫、内分泌などの各臓器系に与えるメリットとリスクを調査し、既存の研究を包括的にレビューした。Sports Medicine - Open誌2025年1月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.133(2025年01月25日号) 結局、赤肉は健康に是か非か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.132(2025年01月18日号) コーヒーはいつ飲むのがベストか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.131(2025年01月11日号) 結局、アジア人にとって乳製品はCVDリスクを減らすのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号) 月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号) 寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.123(2024年11月02日号) アルコール摂取で寿命は何年縮むのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.122(2024年10月26日号) 運動するベストな時間帯は? 他4本
AMLの新治療戦略となるか!バルプロ酸併用でベネトクラクスの有効性向上
AMLの新治療戦略となるか!バルプロ酸併用でベネトクラクスの有効性向上
公開日:2025年1月29日 Kawakatsu R, et al. Diseases. 2025; 13: 10.  急性骨髄性白血病(AML)は、悪性度の高い一般的な白血病であるが、現在の治療戦略では十分とはいえない。AML治療薬として承認されているベネトクラクスは、BCL-2を阻害し,アポトーシスを誘発する薬剤であるが、その治療効果は限られている。そのため、ベネトクラクスの治療効果を高めるための新たな治療戦略が求められている。一方、てんかん治療などに用いられるバルプロ酸は、AML治療に対する潜在的な応用が研究されている薬剤の1つである。京都府立医科大学のRenshi Kawakatsu氏らは、AML細胞株に対するバルプロ酸およびベネトクラクスとバルプロ酸併用の影響を評価した。Diseases誌2025年1月8日号の報告。  AML細胞株に対するバルプロ酸およびベネトクラクスとバルプロ酸併用の影響を評価するため、本研究を実施した。細胞生存率の分析にはトリパンブルー色素排除法、細胞周期状態の分析にはフローサイトメトリーを用いた。プロアポトーシスタンパク質BaxおよびBakの発現は、RT-qPCRで測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・AML細胞の増殖に対するベネトクラクスおよびバルプロ酸の単独による影響は、わずかであった。 ・しかし、ベネトクラクスとバルプロ酸を併用すると、細胞増殖が有意に抑制され、細胞死が誘発された。 ・カスパーゼの基質となるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの切断を引き起こし、アポトーシスを活性化することが示唆された。 ・VPAはBaxとBakの発現を上昇させ、アポトーシス誘導をさらに促進した。 ・ベネトクラクスとバルプロ酸併用による細胞死誘発は、主にアポトーシスによるものであり、このことは、Panカスパーゼ阻害による細胞死の多くを阻害することで確認された。  著者らは「本研究により、ベネトクラクスとバルプロ酸併用は、AML細胞株に対するベネトクラクス誘発アポトーシスを増強することが実証された。このバルプロ酸の新たな作用は、AML治療戦略におけるバルプロ酸併用の可能性を示唆している」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kawakatsu R, et al. Diseases. 2025; 13: 10.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39851474 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対するISA-KLd療法〜第III相MIDAS試験分析
未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対するISA-KLd療法〜第III相MIDAS試験分析
公開日:2025年1月28日 Perrot A, et al. Blood. 2025 Jan 22. [Epub ahead of print]  未治療で移植適応のある多発性骨髄腫(MM)患者では、自家移植前に4剤併用による寛解導入療法が一般的に行われる。フランス・トゥールーズ大学のAurore Perrot氏らは、未治療で移植適応のあるMM患者を対象に、イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン併用(ISA-KLd療法)による寛解導入療法の微小残存病変(MRD)に対する地固め療法および維持療法戦略を評価するため、第III相IFM2020-02-MIDAS試験を実施し、28日間のISA-KLd療法6サイクルの安全性および有効性を報告した 。Blood誌オンライン版2025年1月22日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・2021年12月〜2023年7月に72施設より791例が登録された。 ・年齢中央値は59歳、ISSステージIIIが13%、R-ISSステージIIIが5%、細胞遺伝学的高リスク(IFM Linear Predictor cytogenetic score:1超)が8%。 ・全体で治療が完了した患者は96%(757例)であった。 ・CD34陽性細胞数中央値は7×106/kg、患者の94%はタンデム移植可能であった。 ・最良総合効果(ORR)は95%。 ・ITI集団における治療の最良部分奏効(VGPR)以上達成率は91%、MRD陰性率は閾値が10-5で63%、10-6で47%。 ・MRD陰性率は、ISSステージおよび細胞遺伝学サブグループにより違いが認められた。 ・寛解導入療法中、病勢進行が7例、死亡が5例(病勢進行:1例、心イベント:2例、その他の原因:2例)でみられた。 ・グレードIII/IVの主な有害事象は、好中球減少(25%)、血小板減少(5%)、感染症(7%)。 ・すべてのグレードの末梢神経障害の発生率は13%。  著者らは「未治療で移植適応のあるMMに対するISA-KLd療法は、より深い奏効およびMRD陰性率を示し、幹細胞採取が可能であり、新たな安全性上の懸念も見られなかった。これらの結果を確認するためにも、本研究の継続的なフォローアップが必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Perrot A, et al. Blood. 2025 Jan 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39841461 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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