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初発進行期FLに対するニボルマブ+リツキシマブ併用療法〜第II相1st FLOR試験
初発進行期FLに対するニボルマブ+リツキシマブ併用療法〜第II相1st FLOR試験
公開日:2025年1月30日 Barraclough A, et al. Blood Adv. 2025 Jan 24. [Epub ahead of print]  濾胞性リンパ腫(FL)の臨床アウトカムは、宿主の免疫活性に大きく影響される。また、免疫抗腫瘍活性は、PD-1/PD-L1経路が関与することにより緩和される。CD20を標的とした治療とPD-1阻害薬との併用は、T細胞による腫瘍殺傷およびNK細胞抗体依存性細胞障害(ADCC)の増加をもたらす。そのため、がん細胞を標的とした薬物療法の前に、PD-1阻害薬を用いた免疫プライミングを支持するエビデンスが近年増加している。オーストラリア・Fiona Stanley HospitalのAllison Barraclough氏らは、初発進行期FL患者に対するニボルマブ+リツキシマブ併用療法の安全性および有効性を評価するため、多施設共同非盲検第II相試験である1st FLOR試験を実施した。Blood Advances誌オンライン版2025年1月24日号の報告。  対象は、未治療の進行期FL患者39例。導入療法として、ニボルマブ(240mg)を4サイクル投与したのち、ニボルマブとリツキシマブ(375mg /m2)を2週間ごと4サイクル投与した。その後、維持療法として、ニボルマブ(480mg)月1回投与を1年間、リツキシマブ2ヵ月に1回投与を2年間実施した。ニボルマブプライミング後に完全奏効(CR)を達成した患者は、ニボルマブ単剤療法を継続した。主要エンドポイントは、導入療法中の毒性とした。 主な結果は以下のとおり。 ・導入療法中のグレードIII以上の有害事象発生率は33%(13例)、最も多かったのは、アミラーゼ/リパーゼ値の上昇(15%)、肝酵素異常(11%)、感染症(10%)であった。 ・毒性によりニボルマブを中止した患者は3例(膵炎:2例、急性腎障害:1例)。 ・全奏効率(ORR)は92%、CRは59%であった。 ・フォローアップ期間中央値は51ヵ月。 ・無増悪生存期間(PFS)中央値は61ヵ月(95%CI:2〜72)、4年PFSは58%(95%CI:34〜97)であり、奏効患者の70%でCRが維持された。 ・4年全生存率(OS)は95%であった。 ・PFS不良と関連していた因子は、ベースライン時の総代謝腫瘍体積(p=0.04)および総腫瘍代謝量(p=0.02)であった。 ・ベースライン時のCD8A遺伝子の高発現は、PFS良好と関連が認められた(p=0.03)。  著者らは「初発進行期FLに対するニボルマブプライミング後のニボルマブ+リツキシマブ併用療法は、許容可能な毒性および高い奏効率が期待できるため、化学療法の代替治療としての可能性が示唆された。総代謝腫瘍体積およびCD8A高発現が、FLに対する免疫療法の有望なバイオマーカーであると考えられる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Barraclough A, et al. Blood Adv. 2025 Jan 24. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39853272 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている? 他4本≫ Journal Check Vol.134(2025年02月01日号)
筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている? 他4本≫ Journal Check Vol.134(2025年02月01日号)
筋トレの「神話」と「真実」:ジム利用者は正解を知っている?筋トレの人気は近年急速に高まっており、健康やパフォーマンスへの有益な効果は科学的に証明されている。しかし、研究結果が一般のトレーニーに正しく理解され、実践されているかは明らかではない。著者らは、オーストリアのジム利用者を対象に、筋トレに関する一般的な「真実」と「誤解」を問うアンケートを実施し、科学的知識の普及状況を調査した。Scientific Reports誌2025年1月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ダイエット前後の筋力低下を防ぐには? 超低エネルギーケトン食療法(VLEKT)は、体脂肪を減らしながら筋肉を維持する減量法として注目されている。しかし、炭水化物の再導入後、筋肉量減少などのリスクがあることが懸念される。著者らは、VLEKT後の移行期に1日8gの必須アミノ酸を補給することで、体脂肪を減らしたまま、筋肉量や筋力を保つ効果があるかを検証した。Journal of Translational Medicine誌2025年1月23日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 高齢者の不眠治療、その処方は適切か? 不眠症治療に経口催眠鎮静薬や非定型抗精神病薬(OSHAA)が使用されることがあるが、これらの一部は不適切な可能性のある薬(PIM)と指摘されている。著者らは、医療請求データを用いて、65歳以上の不眠症患者およびアルツハイマー病の不眠症患者におけるPIM-OSHAAの使用状況、医療資源の利用、および医療費を評価した。Sleep誌オンライン版2025年1月25日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 結局、クランベリーで尿路感染症の再発は防げるのか? 膀胱炎を含む尿路感染症(UTI)は高い有病率と抗菌薬耐性への懸念から、非抗生物質による予防策が求められている。著者らは、クランベリー粉末サプリメント摂取がUTIの発生率に及ぼす影響を検討するために、過去にUTIを繰り返した女性を対象に無作為化プラセボ対照試験を実施した。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2025年1月23日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む マラソンは本当に健康に良いのか? マラソンは、多くの健康効果が期待される一方で、過度な負荷によるリスクも指摘されている。これまで、マラソンがもたらす身体全体への影響に関する包括的なレビューは発表されていない。著者らは、マラソンのトレーニングとレースが心血管、腎臓、筋肉、免疫、内分泌などの各臓器系に与えるメリットとリスクを調査し、既存の研究を包括的にレビューした。Sports Medicine - Open誌2025年1月27日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.133(2025年01月25日号) 結局、赤肉は健康に是か非か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.132(2025年01月18日号) コーヒーはいつ飲むのがベストか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.131(2025年01月11日号) 結局、アジア人にとって乳製品はCVDリスクを減らすのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号) 月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号) 寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.123(2024年11月02日号) アルコール摂取で寿命は何年縮むのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.122(2024年10月26日号) 運動するベストな時間帯は? 他4本
AMLの新治療戦略となるか!バルプロ酸併用でベネトクラクスの有効性向上
AMLの新治療戦略となるか!バルプロ酸併用でベネトクラクスの有効性向上
公開日:2025年1月29日 Kawakatsu R, et al. Diseases. 2025; 13: 10.  急性骨髄性白血病(AML)は、悪性度の高い一般的な白血病であるが、現在の治療戦略では十分とはいえない。AML治療薬として承認されているベネトクラクスは、BCL-2を阻害し,アポトーシスを誘発する薬剤であるが、その治療効果は限られている。そのため、ベネトクラクスの治療効果を高めるための新たな治療戦略が求められている。一方、てんかん治療などに用いられるバルプロ酸は、AML治療に対する潜在的な応用が研究されている薬剤の1つである。京都府立医科大学のRenshi Kawakatsu氏らは、AML細胞株に対するバルプロ酸およびベネトクラクスとバルプロ酸併用の影響を評価した。Diseases誌2025年1月8日号の報告。  AML細胞株に対するバルプロ酸およびベネトクラクスとバルプロ酸併用の影響を評価するため、本研究を実施した。細胞生存率の分析にはトリパンブルー色素排除法、細胞周期状態の分析にはフローサイトメトリーを用いた。プロアポトーシスタンパク質BaxおよびBakの発現は、RT-qPCRで測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・AML細胞の増殖に対するベネトクラクスおよびバルプロ酸の単独による影響は、わずかであった。 ・しかし、ベネトクラクスとバルプロ酸を併用すると、細胞増殖が有意に抑制され、細胞死が誘発された。 ・カスパーゼの基質となるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼの切断を引き起こし、アポトーシスを活性化することが示唆された。 ・VPAはBaxとBakの発現を上昇させ、アポトーシス誘導をさらに促進した。 ・ベネトクラクスとバルプロ酸併用による細胞死誘発は、主にアポトーシスによるものであり、このことは、Panカスパーゼ阻害による細胞死の多くを阻害することで確認された。  著者らは「本研究により、ベネトクラクスとバルプロ酸併用は、AML細胞株に対するベネトクラクス誘発アポトーシスを増強することが実証された。このバルプロ酸の新たな作用は、AML治療戦略におけるバルプロ酸併用の可能性を示唆している」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kawakatsu R, et al. Diseases. 2025; 13: 10.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39851474 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対するISA-KLd療法〜第III相MIDAS試験分析
未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対するISA-KLd療法〜第III相MIDAS試験分析
公開日:2025年1月28日 Perrot A, et al. Blood. 2025 Jan 22. [Epub ahead of print]  未治療で移植適応のある多発性骨髄腫(MM)患者では、自家移植前に4剤併用による寛解導入療法が一般的に行われる。フランス・トゥールーズ大学のAurore Perrot氏らは、未治療で移植適応のあるMM患者を対象に、イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン併用(ISA-KLd療法)による寛解導入療法の微小残存病変(MRD)に対する地固め療法および維持療法戦略を評価するため、第III相IFM2020-02-MIDAS試験を実施し、28日間のISA-KLd療法6サイクルの安全性および有効性を報告した 。Blood誌オンライン版2025年1月22日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・2021年12月〜2023年7月に72施設より791例が登録された。 ・年齢中央値は59歳、ISSステージIIIが13%、R-ISSステージIIIが5%、細胞遺伝学的高リスク(IFM Linear Predictor cytogenetic score:1超)が8%。 ・全体で治療が完了した患者は96%(757例)であった。 ・CD34陽性細胞数中央値は7×106/kg、患者の94%はタンデム移植可能であった。 ・最良総合効果(ORR)は95%。 ・ITI集団における治療の最良部分奏効(VGPR)以上達成率は91%、MRD陰性率は閾値が10-5で63%、10-6で47%。 ・MRD陰性率は、ISSステージおよび細胞遺伝学サブグループにより違いが認められた。 ・寛解導入療法中、病勢進行が7例、死亡が5例(病勢進行:1例、心イベント:2例、その他の原因:2例)でみられた。 ・グレードIII/IVの主な有害事象は、好中球減少(25%)、血小板減少(5%)、感染症(7%)。 ・すべてのグレードの末梢神経障害の発生率は13%。  著者らは「未治療で移植適応のあるMMに対するISA-KLd療法は、より深い奏効およびMRD陰性率を示し、幹細胞採取が可能であり、新たな安全性上の懸念も見られなかった。これらの結果を確認するためにも、本研究の継続的なフォローアップが必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Perrot A, et al. Blood. 2025 Jan 22. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39841461 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
日本人Ph陽性ALL患者の移植後再発予防に有効なテーラーメイドTKI戦略
日本人Ph陽性ALL患者の移植後再発予防に有効なテーラーメイドTKI戦略
公開日:2025年1月27日 Nishiwaki S, et al. Int J Hematol. 2025 Jan 17. [Epub ahead of print]  フィラデルフィア染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(ALL)に対する同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後の再発予防に、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の移植後投与は有望である。しかし、実臨床における使用やその有効性は、十分に明らかとなっていない。名古屋大学の西脇 聡史氏らは、日本においてallo-HSCTを実施したPh陽性ALL患者に対するTKIの使用状況および有用性を評価した。International Journal of Hematology誌オンライン版2025年1月17日号の報告。  2002〜22年にallo-HSCTを実施したPh陽性ALL患者を対象に、7施設による包括的な研究を行なった。 主な結果は以下のとおり。 ・完全寛解で移植を行った173例中49例(28%)で移植後にTKIが投与されていた。 ・内訳は、分子遺伝学的完全奏効(CMR)における予防的投与は7%、微小残存病変(MRD)陽性への対処として21%であった。 ・移植後、最初のTKI投与期間中央値は、予防的投与で13.7ヵ月、MRD陽性で4.0ヵ月。 ・予防的TKI投与は、allo-HSCTでCMRを達成していない患者に、とくに有用であると考えられ、予防的TKI投与を行わなかった患者と比較し、5年無再発生存期間(RFS)が向上する傾向が示唆された(100% vs.73%、p=0.11)。 ・予防的、非TKI投与、MRD陽性との間では、RFSの有意な差が認められた。 ・診断時に白血球数が1万5,000/μl未満およびその他の染色体異常のない患者では、TKI戦略とは無関係に、同等の5年RFSを示した(100% vs.85% vs.80%、p=0.87)。  著者らは「特定の低リスク患者におけるMRD陽性に対するTKI投与の潜在的な有効性が示唆され、リスク因子に基づくテーラーメイドTKI戦略の重要性が確認された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nishiwaki S, et al. Int J Hematol. 2025 Jan 17. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39821010 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
CLL患者の肺炎リスクにベネトクラクスはどのくらい影響するか?
CLL患者の肺炎リスクにベネトクラクスはどのくらい影響するか?
公開日:2025年1月24日 Kalicinska E, et al. Cancers (Basel). 2024; 16: 4168.  慢性リンパ性白血病患者(CLL)は、臨床アウトカムに影響を及ぼす感染症リスクが高い。ポーランド・ヴロツワフ医科大学のElzbieta Kalicinska氏らは、CLL患者の実臨床におけるベネトクラクスレジメン治療による肺炎発生率、無イベント生存期間(EFS)のリスク因子、全生存期間(OS)の評価を行った。Cancers誌2024年12月13日号の報告。  医療機関8施設より322例が、本多施設共同研究に参加した。ベネトクラクスベースの治療中における肺炎の発生率およびOSをアウトカムとし、単変量解析および多変量解析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・最も一般的な合併症は、好中球減少(59%)であった。 ・ベネトクラクスベースのレジメンにより肺炎を発症した患者は66例(20%)、リツキシマブ+ベネトクラクス療法で50例(23%)、オビヌツズマブ+ベネトクラクス療法で13例(16%)であった(p=0.15)。 ・多変量解析では、EFSのリスク因子として、COPD/喘息(HR:2.08、95%CI:1.16〜3.74、p=0.014)、脾腫(HR:1.73、95%CI:1.08〜2.78、p=0.020)、クレアチニン高値(HR:2.13、95%CI:1.10〜4.11、p=0.030)、8g/dL未満の貧血(HR:3.58、95%CI:2.18〜5.89、p<0.001)が挙げられた。 ・リツキシマブ+ベネトクラクス療法で治療された再発・難治性CLL患者では、肺炎を伴う患者は、そうでない患者と比較し、OSが不良であった(p<0.001)。 ・オビヌツズマブ+ベネトクラクス療法で治療された患者では、肺炎を伴う患者とそうでない患者との間で、OS中央値に差は認められなかった(p=0.45)。  著者らは「実臨床におけるベネトクラクスレジメンによる肺炎発生率は、臨床試験の報告よりも高く、とくにリツキシマブ+ベネトクラクス療法で治療を行った再発・難治性CLL患者では、OSが不良であることが示唆された。なお、好中球減少は、肺炎のリスク因子ではなかった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kalicinska E, et al. Cancers (Basel). 2024; 16: 4168.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39766067 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
IDH1変異陽性再発・難治性AMLに対するolutasidenib+アザシチジン療法〜第I/II相試験
IDH1変異陽性再発・難治性AMLに対するolutasidenib+アザシチジン療法〜第I/II相試験
公開日:2025年1月23日 Cortes JE, et al. J Hematol Oncol. 2025; 18: 7.  イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)は、細胞質に存在し、クエン酸回路において、イソクエン酸からα-ケトグルタル酸(α-KG)への酸化的脱炭酸を触媒する代謝酵素である。IDH1遺伝子変異がある場合、DNAのメチル化が促進され、幹細胞や前駆細胞の正常な細胞分化の阻害や、腫瘍性形質転換の促進をもたらすと考えられている。米国・Georgia Cancer CenterのJorge E. Cortes氏らは、急性骨髄性白血病(AML)の6〜9%にみられるIDH1変異陽性の再発・難治性AMLに対するIDH1阻害薬olutasidenibとアザシチジンの併用療法の有効性および安全性を評価するため、第I/II相試験の複数のコホートから統合解析を行った。Journal of Hematology & Oncology誌2025年1月16日号の報告。  対象は、olutasidenib(1日2回150mg)とアザシチジン(標準治療)の併用療法を行った再発・難治性IDH1変異(R132)AML患者67例。第I/II相試験の複数のコホートからデータを抽出し、統合解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・年齢中央値は66歳(範囲:28〜82歳)、男性の割合は54%。 ・2回以上の治療歴を有する患者は83%であり、その内訳は、脱メチル化薬が40%、IDH1阻害薬が31%(olutasidenib:24%)、造血幹細胞移植が10%。 ・細胞遺伝学的リスクは、中程度が72%、不良が18%、不明が10%。 ・完全寛解または血液学的完全寛解(CR/CRh)は、67例中21例(31%、95%CI:21〜44)で達成し、期間中央値は14.7ヵ月(95%CI:4.6〜未達)であった。 ・CR達成は18例(27%、95%CI:17〜39)、期間中央値は20.3ヵ月(95%CI:3.7〜未達)。 ・部分寛解以上の全奏効(OR)は34例(51%、95%CI:38〜63)で達成した。 ・全生存期間中央値は12.9ヵ月(95%CI:18.7〜19.3)。 ・olutasidenibによる前治療歴を有する患者を除いたサブセット解析では、CR/CRhは51例中19例(37%、95%CI:24〜52)、CRは16例(31%、95%CI:19〜46)、ORは30例(59%、95%CI:44〜72)で達成した。 ・CR/CRhを達成し、ベースライン時に輸血依存であった患者における輸血非依存達成率は、赤血球64%(11例中7例)、血小板57%(7例中4例)。 ・主なグレードIII/IVの有害事象(20%以上で発生)は、血小板減少(37%)、赤血球減少(25%)、好中球減少(24%)。 ・IDH分化症候群の発生は、6例(9%)で認められた。 ・有害事象により治療を中止した患者は4例(6%)であった。  著者らは「さまざまな治療歴を有する再発・難治性AMLに対するolutasidenib+アザシチジン併用療法は、高い奏効率と持続的な寛解をもたらし、副作用プロファイルは許容範囲内であることが確認され、IDH1変異陽性AMLに対する新たな治療選択肢となりうる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cortes JE, et al. J Hematol Oncol. 2025; 18: 7.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39819505 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
結局、赤肉は健康に是か非か? 他4本≫ Journal Check Vol.133(2025年01月25日号)
結局、赤肉は健康に是か非か? 他4本≫ Journal Check Vol.133(2025年01月25日号)
結局、赤肉は健康に是か非か? 赤肉の摂取が認知機能や認知症リスクに及ぼす影響については、これまでの研究で一貫性が見られず、不明確な点が多い。著者らは、赤肉の摂取と認知機能低下や認知症発症との関連性を明らかにするため、前向きコホート研究を行った。Neurology誌オンライン版2025年1月15日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ブラックコーヒーだけが健康的なのか? コーヒー摂取は2型糖尿病(T2D)リスクの低下と一貫した関連が示されているが、砂糖や人工甘味料、クリームなどの添加物がこの関連性に与える影響は十分に解明されていない。著者らは、3つの大規模前向きコホートを用いて、コーヒー摂取とT2Dリスクの関連性における添加物の影響を検討した。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2025年1月17日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ロモソズマブ(イベニティ®)の日本における心血管リスクの実態 骨粗鬆症治療薬であるロモソズマブ(イベニティ®)は、骨形成促進と骨吸収抑制作用をあわせ持ち骨密度を改善する一方で、心血管に対する安全性が懸念されている。著者らは、日本のレセプトデータを利用し、ロモソズマブに関連する心血管疾患リスクをビスホスホネートと比較して評価した。Journal of Bone and Mineral Research誌オンライン版2025年1月17日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む コーラ飲用が土壌汚染の影響を軽減する!? 鉛で汚染された土壌を誤って摂取することは、鉛曝露の主な経路の一つであり、鉛中毒を軽減するために低コストかつ手軽な対策が求められている。著者らは、この問題に対処するため、コーラ飲用が血中鉛濃度の低下に及ぼす効果を動物モデルを用いて検証した。Nature Communications誌2025年1月17日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 結局、スタチンは認知症リスク軽減に効果があるのか? 心血管系への効果から広く使用されるスタチンは、神経保護効果の可能性が指摘されているが、認知症リスクへの影響については議論が続いている。著者らは、スタチン使用と認知症リスクの関連性を明らかにするため、700万人以上を対象とした55件の観察研究を用いて系統的レビューとメタアナリシスを実施した。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2025年1月16日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ヒポクラへ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.132(2025年01月18日号) コーヒーはいつ飲むのがベストか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.131(2025年01月11日号) 結局、アジア人にとって乳製品はCVDリスクを減らすのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号) 月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号) 寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.123(2024年11月02日号) アルコール摂取で寿命は何年縮むのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.122(2024年10月26日号) 運動するベストな時間帯は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.121(2024年10月19日号) 長寿も結局は遺伝なのか? 他4本
再発・難治性PCNSLにBTK阻害薬ザヌブルチニブレジメンが有用
再発・難治性PCNSLにBTK阻害薬ザヌブルチニブレジメンが有用
公開日:2025年1月22日 Wang Y, et al. Leuk Lymphoma. 2025 Jan 17. [Epub ahead of print]  再発・難治性中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は、予後不良リスクが高く、治療選択肢も限られている。北京・Beijing Tiantan HospitalのYali Wang氏らは、BTK阻害薬ザヌブルチニブを用いたレジメンで治療を行った再発・難治性PCNSL患者の治療アウトカムを検討し、報告した。Leukemia & Lymphoma誌オンライン版2025年1月17日号の報告。  対象は、自施設においてザヌブルチニブレジメンで治療を行った再発・難治性PCNSL患者38例。 主な結果は以下のとおり。 ・全奏効(OR)率は76.3%、完全奏効(CR)率は47.4%、病勢コントロール率は92.1%。 ・無増悪生存期間(PFS)中央値は31.0ヵ月、全生存期間中央値は未達であった。 ・Cox比例ハザードモデルによる単変量解析では、PFS延長の独立した因子は、OR(非奏効と比較したハザード比[HR]:0.18、95%CI:0.07〜0.48、p=0.001)、ザヌブルチニブ長期投与(6ヵ月以上 vs.2〜5ヵ月のHR:0.20、95%CI:0.06〜0.63、p=0.006)であることが明らかとなった。 ・log-rank検定では、ザヌブルチニブベースの治療後に腫瘍遺伝子変異量が高い患者(TMB:14.75muts/Mb以上)でPFS延長が認められた(p=0.016)。  著者らは「実臨床における再発・難治性PCNSLに対するザヌブルチニブレジメンの有効性および許容可能な安全性が確認された。また、PFS延長には、ザヌブルチニブ長期投与が関連している可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wang Y, et al. Leuk Lymphoma. 2025 Jan 17. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39819306 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性多発性骨髄腫治療、2つの二重特異性抗体併用療法時代は来るか/NEJM
再発・難治性多発性骨髄腫治療、2つの二重特異性抗体併用療法時代は来るか/NEJM
公開日:2025年1月21日 Cohen YC, et al. N Engl J Med. 2025; 392: 138-149.  GPRC5DとCD3に対する二重特異性抗体talquetamabおよびBCMAとCD3に対する二重特異性抗体teclistamabは、 トリプルクラスの標準的な前治療歴を有する再発または難治性多発性骨髄腫(MM)の治療薬として承認されている。イスラエル・テルアビブ・ソウラスキー医療センターのYael C. Cohen氏らは、再発・難治性MM患者に対するtalquetamab+teclistamab併用療法の第Ib-II相試験を実施し、その結果を報告した。NEJM誌2025年1月9日号の報告。  第I相の用量漸増試験では、5つの用量について評価した。その結果を踏まえ、第II相試験では、talquetamab 0.8mg/kg+teclistamab 3.0mg/kgの隔週投与が推奨レジメンとして選択された。第Ib-II相試験の主要な目的は、有害事象と用量制限毒性の評価とした。 主な結果は以下のとおり。 ・94例が治療を受け、そのうち44例に対し推奨された第II相レジメンを用いた。 ・フォローアップ期間中央値は20.3ヵ月。 ・用量制限毒性は3例に認められた(第II相レジメンにおいてグレードIVの血小板減少1例を含む)。 ・すべての用量レジメンで最も多くみられた有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS)、好中球減少、味覚の変化、皮疹を除く皮膚障害。 ・グレードIII/IVの有害事象は、96%にみられ、血液学的イベントが最も多かった。 ・グレードIII/IVの感染症は、64%に発生した。 ・奏効率は、第II相レジメンで80%(髄外病変を有する患者では61%)、すべての用量レジメンで78%であった。 ・18ヵ月後、奏効が持続していた患者の割合は、第II相レジメンで86%(髄外病変を有する患者では82%)、すべての用量レジメンで77%であった。  著者らは「talquetamab+teclistamab併用療法は、グレードIII/IVの感染症の発現率がそれぞれの単剤療法と比較し高率であったが、すべての用量において高い奏効が認められ、推奨された第II相レジメンによる持続的な奏効が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cohen YC, et al. N Engl J Med. 2025; 392: 138-149.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39778168 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
ASCT不適格の再発・難治性DLBCL、エプコリタマブ+GemOx療法が有効/Blood
ASCT不適格の再発・難治性DLBCL、エプコリタマブ+GemOx療法が有効/Blood
公開日:2025年1月20日 Brody JD, et al. Blood. 2025 Jan 10. [Epub ahead of print]  再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後は不良である。標準的な救援療法の1つであるリツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン併用療法(R-GemOx療法)による完全奏効(CR)率は約30%、全生存期間(OS)中央値は10〜13ヵ月となっている。難治性ではさらに不良であり、CR率は7%、OS中央値は6ヵ月である。2ライン以上の治療歴を有する再発・難治性DLBCLに承認されているCD30およびCD20二重特異性抗体であるエプコリタマブは、さまざまな薬剤との組み合わせにより良好な安全性および有効性が示されている。米国・マウントサイナイ医科大学のJoshua D. Brody氏らは、自家造血幹細胞移植(ASCT)の適応のないまたはASCT治療不成功の再発・難治性DLBCL患者を対象にエプコリタマブ+GemOx療法の有用性を評価するため、第Ib/II相EPCORE NHL-2試験を実施し、その結果を報告した。Blood誌オンライン版2025年1月10日号の報告。  対象は、ASCTの適応のないまたはASCT治療不成功の再発・難治性DLBCL患者103例(2023年12月15日現在)。病勢進行または許容できない毒性が認められるまで3段階のステップアップ用量レジメンによりエプコリタマブ48mgまで増量し、GemOx(q2w for 8 doses)投与した。主要エンドポイントは、全奏効率(ORR)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は13.2ヵ月。 ・対象患者の年齢中央値は72歳。 ・2ライン以上の治療歴が62%、CAR-T細胞療法治療歴が28%、primary refractory diseaseが52%、最終治療で難治性が70%。 ・ORRは85%、CR率は61%であった。 ・CR期間中央値は23.6ヵ月、OS期間中央値は21.6ヵ月。 ・主な治療中の有害事象は、血球減少、サイトカイン放出症候群(CRS)であった。 ・CRSは、時期が予測可能であり、主に低グレード(全体:52%、グレードIII:1%)で、治療中止に至ることはなかった。  著者らは「ASCTの適応のないまたはASCT治療不成功の再発・難治性DLBCLに対するエプコリタマブ+GemOx療法は、良好かつ持続的な奏効を示し、長期アウトカムの改善が認められた」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Brody JD, et al. Blood. 2025 Jan 10. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39792928 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
LEN抵抗性多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法 vs.標準療法〜第III相試験
LEN抵抗性多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法 vs.標準療法〜第III相試験
公開日:2025年1月17日 Mina R, et al. Lancet Haematol. 2025; 12: e45-e56.  レナリドミド(LEN)抵抗性再発多発性骨髄腫(MM)に対するシルタカブタゲン オートルユーセル(cilta-cel)によるCAR-T 細胞療法は、標準療法と比較し、主要エンドポイントである無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示すことが、CARTITUDE-4試験で報告された。イタリア・トリノ大学のRoberto Mina氏らは、本試験における患者報告アウトカムについて報告した。The Lancet. Haematolog誌2025年1月号の報告。  現在進行中の第III相オープンラベルCARTITUDE-4試験では、米国、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの81施設の患者を対象に、cilta-cel群(0.75 x106 CAR-T cells/kg)または標準療法群(DPd療法[ダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン]、PBd療法[ポマリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン])にランダムに割り付けた。対象患者は、プロテアソーム阻害薬および免疫調整薬を含む1〜3種類の治療歴を有するLEN抵抗性MM患者(PS:0〜1)。本件で報告する副次的エンドポイントには、持続的な症状悪化までの期間(MySIm-Q:主要副次的エンドポイント)、ITT集団におけるEORTC QLQ-C30およびEQ-5D-5LによるQOLの変化を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・2020年7月10日〜2021年11月17日までにスクリーニングを受けた516例のうち419例がランダム化された(cilta-cel群:208例、標準療法群:211例、フォローアップ期間中央値:15.9ヵ月[IQR:12.4〜17.8]、年齢中央値:61歳)。 ・ベースライン評価を完了した患者は、cilta-cel群で208例中191例(92%)、標準療法群で209例中190例(91%)。 ・ベースライン後のMySIm-Qのコンプライアンスは、cilta-cel群で70〜81%、標準療法群で79〜89%。 ・MySIm-Qによる持続的な症状悪化までの期間中央値は、cilta-cel群で23.7ヵ月、標準療法群で18.9ヵ月であった(ハザード比:0.42、95%CI:0.26〜0.68)。 ・12ヵ月間のEORTC QLQ-C30 GHSスコアの平均変化は、cilta-cel群で+10.1ポイント(95%CI:7.0〜13.1)、標準療法群で−1.5ポイント(95%CI:−5.3〜2.3)。 ・12ヵ月間のEQ-5D-5L VASスコアの平均変化は、cilta-cel群で+8.0ポイント(95%CI:5.2〜10.7)、標準療法群で+1.4ポイント(95%CI:−1.9〜4.7)。 ・GHSおよびVASスコアにおける臨床的に意味のある改善率は、標準療法群よりもcilta-cel群の方が高かった。  著者らは「cilta-celによる健康関連QOLの改善および症状悪化の遅延は、LEN抵抗性MMにおける臨床的な有効性を裏付けている」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Mina R, et al. Lancet Haematol. 2025; 12: e45-e56.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39756844 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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