最新の記事すべて

日本での再発・難治性LBCLの2nd治療におけるaxi-celの費用対効果
日本での再発・難治性LBCLの2nd治療におけるaxi-celの費用対効果
公開日:2024年6月17日 Tsutsue S, et al. Future Oncol. 2024 Jun 5: 1-13. [Epub ahead of print]  再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対する2ndライン治療として、 CAR-T細胞療法アキシカブタゲン シロルユーセ(axi-cel)と大量化学療法+自家造血幹細胞移植による標準治療の有効性および安全性を比較した第III相多施設共同ランダム化比較試験であるZUMA-7試験において、 axi-celは標準治療と比べて全生存期間(OS)を有意に延長することが報告された。ギリアド・サイエンシズ株式会社のSaaya Tsutsue氏らは、日本でのLBCLの2ndライン治療におけるaxi-celの費用対効果を分析するため、標準療法との比較検討を行った。Future Oncology誌オンライン版2024年6月5日号の報告。  LBCL再発後の2ndライン標準治療は、サルベージ化学療法により奏効した患者に対する自家移植併用大量化学療法とした。ZUMA-7試験のデータより収集した人口統計学的および臨床的情報を利用した。分析には、3ステート分割生存時間モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・axi-celは標準療法と比較し、質調整生存年数の増加(QALY:2.06)、総コストの増加(690万円[4万8,685.59ドル])と関連していた。 ・QALYあたりの費用対効果比の増加は、330万円(2万3,590.34ドル)であった。  著者らは「axi-celは、再発LBCLに対する2ndライン治療において標準療法に代わる、費用対効果の高い治療法である」とまとめている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tsutsue S, et al. Future Oncol. 2024 Jun 5: 1-13. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38861283 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性FLに対するliso-cel〜TRANSCEND FL試験
再発・難治性FLに対するliso-cel〜TRANSCEND FL試験
公開日:2024年6月14日 Morschhauser F, et al. Nat Med. 2024 Jun 3. [Epub ahead of print]  再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)患者や第1選択の免疫化学療法から24ヵ月以内に疾患が進行する、抗CD20抗体とアルキル化剤の両方に難治性(ダブルリフラクトリー)を示すなどの高リスクの疾患特性を有する患者に対する標準治療は確立されておらず、アウトカム不良であるため、アンメットニーズが存在する。キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T細胞療法)は、2ライン以上の全身療法後の再発・難治性FLの選択肢の1つとして期待されるが、FLの疾患経過におけるCAR-T細胞療法の最適なタイミングについてのコンセンサスはなく、高リスク特性を有する患者の第2選択治療としてのデータもない。 フランス・リール大学のFranck Morschhauser氏らは、再発・難治性FL患者に対するCD19を標的とし、4-1BB共刺激ドメインを有するCAR-T細胞療法薬リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel)を評価した第II相試験であるTRANSCEND FL試験の結果を報告した。Nature Medicine誌オンライン版2024年6月3日号の報告。  第II相TRANSCEND FL試験では、FL診断後6ヵ月以内に抗CD20抗体とアルキル化剤による治療を行った後、診断から24ヵ月以内の病勢進行が見られた2ライン以上の患者および/またはmGELF(modified Groupe d'Etude des Lymphomes Folliculaires)基準を満たした患者を対象に、liso-celの評価を行った。主要エンドポイントは、独立審査委員会が評価した全奏効率(ORR)、主な副次的エンドポイントは、完全奏効(CR)率などであった。 主な結果は以下のとおり。 ・データカットオフ時点で、liso-celが投与された患者は130例(フォローアップ期間中央値:18.9ヵ月)。 ・ORRおよびCRは達成された。 ・3ライン以降のFL患者101例では、ORRが97%(95%CI:91.6〜99.4)、CR率が94%(95%CI:87.5〜97.8)であった。 ・2ラインのFL患者23例では、ORRが96%(95%CI:78.1〜99.9)、すべての奏効患者がCRを達成した。 ・サイトカイン放出症候群は58%(グレード3以上:1%)、神経学的イベントは15%(グレード3以上:2%)で発生した。  著者らは「本試験により、高リスクの2ライン以上の再発・難治性FL患者に対するliso-celの有効性と安全性が実証された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Morschhauser F, et al. Nat Med. 2024 Jun 3. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38830991 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
血友病患者の血栓性心血管疾患の治療〜日本コンセンサス研究
血友病患者の血栓性心血管疾患の治療〜日本コンセンサス研究
公開日:2024年6月13日 Nagao A, et al. Haemophilia. 2024 May 23. [Epub ahead of print]  出血リスク軽減のために血液凝固因子補充療法を行なっている血友病患者では、長期にわたる抗凝固療法や抗血小板療法を必要とする心血管疾患(CVD)が問題となりうる。現在、CVDを伴う血友病患者のマネジメントに関する日本におけるガイドラインは存在しない。東京・荻窪病院の長尾 梓氏らは、日本における血友病患者のCVDマネジメントに関するエキスパートガイドの作成を試みた。Haemophilia誌オンライン版2024年5月23日号の報告。  4人の専門家(血友病専門医:2名、血栓症専門医:1名、心臓専門医:1名)で構成された運営委員会が、5つの主要テーマに関連する44のステートメントを特定した。4ポイントリッカート尺度および多肢選択式質問を組み合わせたオンラインアンケートを作成し、日本でCVDを伴う血友病患者のマネジメントに従事する専門家に、回答を依頼した。ステートメントに同意した回答者が75%以上の場合をコンセンサスが「高い」、90%以上の場合を「非常に高い」と定義した。 主な結果は以下のとおり。 ・リッカート尺度の質問では、コンセンサスが「非常に高い」が71%(29/41)、「高い」が17%(7/41)、合意に達しなかったが15%(6/41)であった。 ・3つの多肢選択式質問では、コンセンサスの特定ができなかった。 ・非弁膜性心房細動や心筋梗塞を有する場合など、特定の臨床状況をマネジメントするための特定の目標トラフ抗凝固因子レベルについて、合意が得られた。  著者らは「本コンセンサス研究の結果は、CVDリスクを有するまたはCVDを伴う血友病患者に対し、心臓専門医と血液専門医がマネジメントとするための枠組みを提供しており、推奨事項を実現することで、CVDを伴う血友病患者のアウトカムが改善される可能性がある」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Nagao A, et al. Haemophilia. 2024 May 23. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38783547 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
骨髄異形成症候群~知っておきたい希少疾患
骨髄異形成症候群~知っておきたい希少疾患
 骨髄異形成症候群(MDS)は、未熟な造血幹細胞に生じた異常が原因と考えられる骨髄系造血器腫瘍の1つである。今回は、MDSおよび2024年5月に発売されたレブロジルⓇ[一般名:ルスパテルセプト(遺伝子組換え)]について紹介する。 MDSの主な症状「貧血、易感染状態、出血傾向」、AMLへの進展も  MDSは、正常な血液細胞(赤血球、白血球、血小板)が作られないことで、貧血、易感染状態、出血傾向などがみられ、重篤な感染症を引き起こす可能性もある1) 。さらに、急性骨髄性白血病(AML)への進展の可能性が高いことも特徴であり、MDS患者の10〜30%はAMLに移行するといわれている。  日本におけるMDSの罹患率は、人口10万人あたり年間約3.0人と報告されており2) 、厚生労働省による2020年の患者数調査では、日本のMDS患者の総数は約2万2,000人と報告されている3) 。罹患率は、年齢とともに増加し、とくに70歳以降で急激に上昇している4) 。男女比は、約2:1で男性に多い傾向である。 MDS症状を疑ったら、専門医に相談を  MDSの診断に際しては、「慢性貧血を主とし、出血傾向,発熱を認める(症状を欠く場合もある)」「持続的な血球減少を認める」「骨髄は過形成が多い(低形成の場合もある)」が認められた場合に、MDSが疑われる。血液検査、骨髄検査、分子生物学的検査などと合わせて感染症性疾患、炎症性疾患、他の造血器疾患などとの除外診断により、慎重に鑑別する必要がある5) 。  MDSの病態は多様であり複数の病型に分類される。病型により治療や予後が異なるため、病型分類は重要であるが、治療方針を決定する上で、予後予測を行う必要がある。複数の予後予測スコアリングシステムが提唱されており、特徴はそれぞれ異なるが、臨床的な対応としてはMDSを低リスクと高リスクに分類することが多い6) 。確定診断、病型分類、予後予測を円滑に実施するためにも、原因不明の貧血、出血傾向、発熱等を認める患者は、専門医へ紹介することが望まれる。 低リスクMDSの基本的な支持療法は輸血、さまざまな課題も  MDSは、疾患経過中に約80%~90%の患者において貧血が認められるといわれている7) 。貧血を呈するMDS患者の多くは、正常な赤血球の循環量を確保するために支持療法として定期的な輸血が必要となるが、頻繁な輸血によって鉄過剰症、輸血反応、輸血血液からの感染リスク増加が懸念される。さらに、輸血の負荷増加に伴い低リスクMDS患者においても生存率が低下することも報告されている8) 。一定量以上の赤血球輸血は、鉄過剰症の原因となり、臓器障害の進行や死亡リスクへの影響も報告されているため9) 、鉄キレート療法を行うことが推奨されている10) 。また、低リスクMDSの血球減少に対しては免疫抑制療法、サイトカイン療法、蛋白同化ステロイド療法、ビタミン製剤なども用いられてきた。  造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版において、低リスクMDSに対するこれらの治療法のほとんどは推奨グレード「カテゴリー2A」または「カテゴリー2B」とされており、「カテゴリー1」に該当する治療法は、5番染色体長腕の欠失[del(5q)]を伴う低リスクMDSで赤血球輸血依存例に対するレナリドミド投与および貧血を伴う低リスクMDS-RS(環状赤芽球を伴う骨髄異形成症候群)に対する当時国内未承認であったルスパテルセプト投与のみであった6) 。 新規作用機序を有する赤血球成熟促進薬レブロジルⓇ登場  2024年5月、MDSに伴う貧血の治療薬として、レブロジルⓇ[一般名:ルスパテルセプト(遺伝子組換え)]が発売された。レブロジルⓇは、新規作用機序を有する赤血球成熟促進薬であり、造血幹細胞から赤血球への分化過程の後期段階における分化を促進し、成熟した赤血球数の増加を誘導する11)。低リスクMDS患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(COMMANDS試験)、海外第Ⅲ相試験(MEDALIST試験)、国内第Ⅱ相試験(MDS-003試験)において、レブロジルⓇの有効性・安全性が確認された。日本人患者を含むMDS患者を対象としたCOMMANDS試験の24週中間解析において、主要評価項目である12週間以上の赤血球輸血を必要としない状態かつ平均ヘモグロビン濃度がベースライン値より1.5g/dL以上増加した患者の割合は、レブロジル群で59%、対照(エポエチンアルファ)群で31%であったことが報告されている(共通リスク差:26.6、95%CI:15.8〜37.4、p<0.0001)。最も頻度の高いグレード3/4の治療関連有害事象(患者の≧3%)として、レブロジル群では高血圧、貧血、呼吸困難、好中球減少症、血小板減少症、肺炎、COVID-19感染症、MDS、失神が、対照群では貧血、肺炎、好中球数減少症、高血圧、鉄過剰症、COVID-19肺炎、MDSがみられた12) 。  高齢化が進む日本において、MDS患者は着実に増加している。新規作用機序を有するレブロジルⓇの登場により、これまで治療選択肢が限られていたMDSに伴う貧血治療が促進され、MDS患者のQOL向上が期待される。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 参考資料 1)Cazzola M, et al. N Engl J Med. 2020; 382: 140-151.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/31914241/ 2)国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」▶https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html 3)「政府統計の総合窓口(e-Stat)」.統計で見る日本.患者調査.令和2年度患者調査▶ https://www.e-stat.go.jp/ 4)Chihara D, et al. J Epidemiol. 2014; 24: 469-473.▶ https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/25088696/ 5)骨髄異形成症候群診療の参照ガイド令和 4 年度改訂版▶http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Myelodysplastic_Syndromes.pdf 6)造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版 ▶ http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_6.html 7)Zeidan AM, et al. Blood Rev. 2013; 27: 243-59. ▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/23954262/ 8)Malcovati L, et al. Haematologica. 2006; 91: 1588-90. ▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/17145593/ 9)Takatoku M, et al. Eur J Haematol. 2007; 78: 487-94. ▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/17391310/ 10)輸血後鉄過剰症の診療参照ガイド令和4年度改定版▶http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Post-transfusion_iron_overload.pdf 11)レブロジルⓇ皮下注用25mg / 75mg添付文書▶https://file.bmshealthcare.jp/bmshealthcare/pdf/package/REBLOZYL.pdf 12)Platzbecker U, et al. Lancet. 2023; 402: 373-385. ▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/37311468/ ヒポクラ × マイナビ無料会員登録はこちら▶https://www.marketing.hpcr.jp/hpcr
ハムストリングスをより効果的に鍛えるトレーニングは? 他4本≫ Journal Check Vol.103(2024年6月13日号)
ハムストリングスをより効果的に鍛えるトレーニングは? 他4本≫ Journal Check Vol.103(2024年6月13日号)
ハムストリングスをより効果的に鍛えるトレーニングは? ハムストリングスは短距離走で重要な役割を果たすが、特に大腿二頭筋長頭は、筋肉の緊張による損傷を受けやすい。著者らは、2種類のトレーニング(ノルディックハムストリングまたは伸張状態エキセントリックトレーニング)前後の筋容積や腱膜面積、筋力を比較した。Medicine and Science in Sports and Exercise誌オンライン版2024年6月6日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ビタミンD摂取を推奨すべき人とは? 25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]の血清濃度は多くの疾患と関連しているが、因果関係は明確ではなく、適切なビタミンD摂取と25(OH)D検査については結論が出ていない。著者らは系統的レビューを行い、ビタミンDの使用に関する臨床ガイドラインを策定した。The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism誌オンライン版2024年6月3日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む キシリトールが心血管疾患リスクを高める!? 低カロリー甘味料は加工食品に広く使用されている砂糖の代用品であり、健康上の利点があると考えられているが、心血管疾患リスクへの影響は不明である。著者らは、キシリトールと心血管疾患リスクとの関連を調査した。European Heart Journal誌オンライン版2024年6月6日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む アトピー性皮膚炎は、〇〇摂取制限で改善する? 食事とアトピー性皮膚炎の関連性は十分に解明されていないが、疾患経過の不均一性の説明に役立つ可能性がある。著者らは、尿中ナトリウムをバイオマーカーとして推定される高レベルの食事性ナトリウム摂取量がアトピー性皮膚炎とどの程度関連するかを明らかにするために横断研究を行った。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年6月5日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 赤ワイン vs 白ワイン 炎症マーカーを低下させるのは? 適度な赤ワインの摂取は、心血管疾患(CVD)リスクを軽減することが知られている。著者らは、白ワインと比較した、健康な人およびCVDの高リスク被験者におけるアテローム性動脈硬化症関連の炎症マーカーに対する赤ワインの影響を評価した。Medicine誌2024年6月7日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.102(2024年6月6日号) 骨粗鬆症予防には、コーヒー+紅茶を毎日〇杯? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.101(2024年5月30日号) オメガ3摂取で筋合成が促されるか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.100(2024年5月23日号) アンチエイジングに有効な化粧品の成分は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.99(2024年5月16日号) 結局、卵は1日何個までか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.98(2024年5月9日号) 筋トレによる筋肥大は、鍛えない筋肉を犠牲にしている? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.97(2024年5月2日号) 老い知らずの鍵は「アルカリ性」食品!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.96(2024年4月25日号) コーヒーが座りっぱなしの悪影響を打ち消す!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.95(2024年4月18日号) より効果的な筋トレはどちらか? スプリットルーティーン vs フルボディルーティーン 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.94(2024年4月11日号) 朝食抜きで起こる悪影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.93(2024年4月4日号) 老化しにくい最適な睡眠時間は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.92(2024年3月28日号) 時間がない人に、最も効率的な筋トレは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.91(2024年3月21日号) パンダが白黒である理由は? 他4本
未治療で移植適応のないMM患者に対するISA+BLd療法〜国際オープンラベル第III相試験
未治療で移植適応のないMM患者に対するISA+BLd療法〜国際オープンラベル第III相試験
公開日:2024年6月12日 Facon T, et al. N Engl J Med. 2024 Jun 3. [Epub ahead of print]  ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(BLd療法)は、未治療MM患者に対する好ましい第1選択治療である。抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブ(ISA)のBLd療法への追加が、移植適応のないMM患者の病勢進行または死亡リスクの軽減に寄与するかは、不明である。フランス・リール大学のThierry Facon氏らは、未治療で移植適応のないMM患者に対するISA+BLd療法の有効性を評価するため、国際オープンラベル第III相試験を実施した。NEJM誌オンライン版2024年6月3日号の報告。  本研究は、国際オープンラベル第III相試験として実施した。対象は、未治療で移植適応のない18〜80歳のMM患者446例。対象患者は、ISA+BLd療法群とBLd療法群に3:2でランダムに割り付けた。有効性の主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)とし、副次的エンドポイントには完全奏効(CR)またはそれ以上の奏効、CR患者における微小残存病変(MRD)陰性率を含めた。 主な結果は以下のとおり。 フォローアップ期間(中央値:59.7ヵ月)における60ヵ月時点でのPFS推定値は、ISA+BLd療法群で63.2%、BLd療法群で45.2%であった(病勢進行または死亡のハザード比:0.60、98.5%信頼区間:0.41〜0.88、p<0.001)。 ・CR以上の奏効を示した患者の割合は、ISA+BLd療法群の方が、BLd療法群よりも有意に高く(74.7% vs.64.1%、p=0.01)、MRD陰性でCRを示した患者の割合も同様であった(55.5% vs.40.9%、p=0.003)。 ・ISA+BLd療法レジメンでは、新たな安全性シグナルは観察されなかった。 ・治療中の重篤な有害事象発生率および治療中止につながる有害事象発生率は、両群間で同程度であった。  著者らは「移植適応のない18〜80歳の未治療MM患者の初期療法として、ISA+BLd療法は、BLd療法よりも効果的であった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tagami N, et al. Int J Hematol. 2024 May 29. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38811413 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
MMに対するbelantamab+Bd療法 vs. DBd療法〜DREAMM-7試験
MMに対するbelantamab+Bd療法 vs. DBd療法〜DREAMM-7試験
公開日:2024年6月11日 Hungria V, et al. N Engl J Med. 2024 Jun 1. [Epub ahead of print]  belantamab mafodotinは、再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)に対し、単剤療法で有効であり、この結果は、標準療法と併用したbelantamabの更なる評価を支持するものである。ブラジル・Clinica Sao GermanoのVania Hungria氏らは、1ライン以上の前治療歴がある再発・難治性MM患者を対象にbelantamabを併用したボルテゾミブ+デキサメタゾン(Bd療法)の有効性および安全性を評価した第III相オープンラベルランダム化試験(DREAMM-7試験)の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2024年6月1日号の報告。  対象は、1ライン以上の治療後に病勢が進行したMM患者494例。対象患者は、belantamab+Bd療法群またはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(DBd療法)群にランダムに割り付け、両群の比較評価を行った。主要エンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)とした。主要副次的エンドポイントは、全生存期間(OS)、奏効期間、微小残存病変(MRD)陰性化率とした。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者は、belantamab+Bd療法群243例、DBd療法群251例にランダムに割り付けられた。 ・フォローアップ期間中央値は28.2ヵ月(範囲:0.1〜40.0)。 ・PFS中央値は、belantamab+Bd療法群で36.6ヵ月(95%CI:28.4〜未達)、DBd療法群で13.4ヵ月(95%CI:11.1〜17.5)であった(病勢進行または死亡のハザード比:0.41、95%CI:0.31〜0.53、p<0.001)。 ・18ヵ月時点でのOS率は、belantamab+Bd療法群で84%、DBd療法群で73%であった。 ・境界内平均奏効期間の分析では、belantamab+Bd療法群はDBd療法群よりも優れていた(p<0.001)。 ・完全奏効(CR)以上のMRD陰性化率は、belantamab+Bd療法群で25%、DBd療法群で10%に認められた。 ・グレード3以上の有害事象の発生率は、belantamab+Bd療法群で95%、DBd療法群で78%であった。 ・眼の有害事象の発生率は、belantamab+Bd療法群で79%、DBd療法群で29%であった。belantamab+Bd療法群における眼の有害事象は、belantamabの用量調節により大部分は管理可能であった。  著者らは「belantamab+Bd療法は、DBd療法と比較し、1ライン以上の前治療歴がある再発・難治性MM患者に対しPFSに関して有意なベネフィットを示した。一方で、ほとんどの患者においてグレード3以上の有害事象が発現することには注意が必要である」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hungria V, et al. N Engl J Med. 2024 Jun 1. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38828933 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
MMに対するbelantamab+Pd療法 vs. PBd療法〜DREAMM-8試験
MMに対するbelantamab+Pd療法 vs. PBd療法〜DREAMM-8試験
公開日:2024年6月10日 Dimopoulos MA, et al. N Engl J Med. 2024 Jun 2. [Epub ahead of print]  プロテアソーム阻害薬、免疫抑制薬、抗CD38抗体を組み合わせた3剤、4剤の併用療法により、新規多発性骨髄腫(MM)患者の生存期間は延長されたが、ほとんどの患者で再発が見られる。第1選択治療にレナリドミドを使用することで、初回再発時にレナリドミド抵抗性を有する患者が増加している。ギリシャ・National and Kapodistrian University of AthensのMeletios Athanasios Dimopoulos氏らは、レナリドミドを含むレジメンで治療後に再発または治療抵抗性を呈したMM患者を対象に、belantamab mafodotinを併用したポマリドミド+デキサメタゾン(Pd療法)の有効性および安全性を評価した第III相ランダム化オープンラベル試験(DREAMM-8試験)の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2024年6月2日号の報告。  対象は、レナリドミドを含む1ライン以上の治療後に再発または治療抵抗性を呈したMM患者302例。対象患者は、belantamab+Pd療法群またはポマリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(PBd療法)群にランダムに割り付け、両群の比較評価を行った。主要エンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)とし、病勢進行および安全性も合わせて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者は、belantamab+Pd療法群155例、PBd療法群147例にランダムに割り付けられた。 ・フォローアップ期間中央値は21.8ヵ月(範囲:0.1未満〜39.2)。 ・12ヵ月の推定PFS率は、belantamab+Pd療法群で71%(95%CI:63〜78)、PBd療法群で51%(95%CI: 42〜60)であった(病勢進行または死亡のハザード比:0.52、95%CI:0.37〜0.73、p<0.001)。 ・全生存期間(OS)は未達であった。 ・部分奏効(PR)以上の奏効率は、belantamab+Pd療法群で77%(95%CI:70〜84)、PBd療法群で72%(95%CI:64〜79)であった。完全奏効(CR)以上の奏効率は、belantamab+Pd療法群で40%(95%CI:32〜48)、PBd療法群で16%(95%CI:11〜23)であった。 ・グレード3以上の有害事象の発生率は、belantamab+Pd療法群で94%、PBd療法群で76%であった。 ・眼の有害事象の発生率は、belantamab+Pd療法群で89%(グレード3/4:43%)、PBd療法群で30%(グレード3/4:2%)であった。belantamab+Pd療法群における眼の有害事象は、belantamabの用量調節により管理可能であった。 ・眼の有害事象による治療中止率は、belantamab+Pd療法群で9%に見られたが、PBd療法群では1例もなかった。  著者らは「レナリドミド抵抗性の再発・難治性MM患者のPFSおよびより持続的な寛解に関して、belantamab+Pd療法はPBd療法よりも、有意に大きなベネフィットを示した。眼の有害事象については注意が必要だが、belantamabの用量調節により制御可能であった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Dimopoulos MA, et al. N Engl J Med. 2024 Jun 2. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38828951 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
慢性期CMLに対する一次治療薬としてのポナチニブ〜第II相長期フォローアップ試験
慢性期CMLに対する一次治療薬としてのポナチニブ〜第II相長期フォローアップ試験
公開日:2024年6月7日 Haddad FG, et al. Cancer. 2024 May 28. [Epub ahead of print]  ポナチニブは、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)白血病に強力な活性を有する第3世代のBCR-ABL1を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)である。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのFadi G. Haddad氏らは、慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)におけるポナチニブの第II相試験の長期フォローアップ調査の結果を報告した。Cancer誌オンライン版2024年5月28日号の報告。  慢性期CML患者を対象に、ポナチニブ30〜45mg/日投与を行った。主要エンドポイントは、6ヵ月の細胞遺伝学的完全奏効(CCyR)率とした。本試験は、心毒性リスクのためにTKIを変更する必要があったため、2014年6月に実施された。 主な結果は以下のとおり。 ・対象は、ポナチニブ治療を行った患者51例(平均用量:45mg/日)。 ・年齢中央値は48歳(範囲:21〜75歳)、ベースライン時に心血管合併症を有していた患者は30例(59%)であった。 ・治療期間の中央値は13ヵ月(範囲:2〜25ヵ月)。 ・毒性のためにポナチニブを中止した患者は14例(28%)、FDAの研究終了後の中止患者は36例(71%)、服薬コンプライアンス不良による中止患者が1例であった。 ・第2選択TKIとして最も選択された薬剤は、ダサチニブ(34例、66%)であった。 ・6ヵ月時点で評価可能であった46例のうち、CCyRが44例(96%)、分子遺伝学的大奏効(MMR)が37例(80%)、MR4達成が28例(61%)、MR4.5達成が21例(46%)であった。 ・6ヵ月間の累積達成率は、CCyRで96%、MMRで78%、MR4で50%、MR4.5で36%であった。 ・持続的なMR4達成率は、24ヵ月以上で67%、60ヵ月以上で51%の患者で認められた。 ・24ヵ月の無イベント生存期間(EFS)は97%であった。 ・フォローアップ終了後(中央値:128ヵ月)の10年全生存割合(OS)は90%であった。 ・重篤なグレード2〜3の心血管系有害事象は8例(16%)で認められ、治療中止は5例(10%)であった。  著者らは「ポナチニブは、新規の慢性期CMLに対して細胞遺伝学的および分子学的反応の高さが確認されたが、動脈閉塞性/血管閉塞性およびその他の重篤な毒性が、第1選択治療としての妨げとなっている」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Haddad FG, et al. Cancer. 2024 May 28. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38804723 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
日本人再発・難治性MMに対するISA-Pd療法〜国内市販後調査
日本人再発・難治性MMに対するISA-Pd療法〜国内市販後調査
公開日:2024年6月6日 Tagami N, et al. Int J Hematol. 2024 May 29. [Epub ahead of print]  日本のリアルワードにおける再発・難治性多発性骨髄腫(MM)に対するイサツキシマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(ISA-Pd療法)の有効性および安全性を評価した国内市販後調査の結果について、サノフィ株式会社の田上 奈海氏らは、報告を行った。International Journal of Hematology誌オンライン版2024年5月29日号の報告。  対象は、2020年10月〜2021年10月、日本においてISA-Pd療法で治療を行った再発・難治性MM患者211例。ISA-Pd療法開始後、最大12ヵ月間または治療中止までフォローアップを実施した。薬物有害反応(ADR)、とくにInfusion reaction、骨髄抑制、感染症、心臓障害、グレード3以上のその他ADRおよび重篤なADRの発生率を評価した。最良総合効果(BOR)、全奏効率(ORR)も評価した。 主な結果は以下のとおり。   ・安全性解析対象患者は120例、ADRの発生率は57.5%であった。 ・ほとんどのADRは、血液学的であり、重篤なADRの発生率は28.3%であった。  骨髄抑制:46.7%(重篤なADR:19.2%)  Infusion reaction:18.3%(重篤なADR:6.7%)  感染症:11.7%(重篤なADR:8.3%)  重篤な心臓障害:1例  グレード3以上のその他ADR:3.3%(重篤なADR:1.7%) ・有効性解析対象患者は108例、最も多く見られたBOPは最良部分奏効(VGPR)で24.1%、ORRは51.9%であった。  著者らは「日本のリアルワールドにおける再発・難治性MMに対するISA-Pdの安全性および有効性が、本結果より裏付けられた」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tagami N, et al. Int J Hematol. 2024 May 29. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38811413 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
骨粗鬆症予防には、コーヒー+紅茶を毎日〇杯? 他4本≫ Journal Check Vol.102(2024年6月6日号)
骨粗鬆症予防には、コーヒー+紅茶を毎日〇杯? 他4本≫ Journal Check Vol.102(2024年6月6日号)
骨粗鬆症予防には、コーヒー+紅茶を毎日〇杯? コーヒーと紅茶の摂取と骨粗鬆症との関連は大いに議論されているが、2つの飲料の複合効果に焦点を当てた研究はほとんどない。著者らは、コーヒーと紅茶の摂取と骨粗鬆症リスクとの独立および複合的な関連を調べるために、48万7,594人を対象とした前向きコホート研究を行った。Bone誌オンライン版2024年5月29日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 枕が高いと脳卒中になる!? 特発性椎骨動脈解離(sVAD)の根本的な原因は、十分に解明されていない。著者らは、高枕の使用がsVADのリスク増加と関連するかどうかを明らかにし、高枕の使用に起因するsVADの頻度を評価するために、症例対照研究を行った。症例群は、日本の認定包括的脳卒中センターで治療を受けたsVAD患者とした。European Stroke Journal誌6月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 心不全ガイドライン 新たな推奨事項は? 過去数年間に心不全管理には大きな進歩があった。2021年版心不全ガイドラインの2023年更新版の内容についてレビューする。ESC Heart Failure誌オンライン版2024年5月28日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む アルツハイマー病のリスク低減/進行予防に、筋トレは最低週何回必要? 認知症、特にアルツハイマー病(AD)は、修正可能なリスク因子、特に運動不足と関連している。しかし、認知機能への効果は一般的に有酸素運動によるものとされ、レジスタンス運動(RE)はあまり注目されていない。著者らは、ADに関連する脳構造と認知障害に対するREの影響を評価した。Ageing Research Reviews誌オンライン版2024年5月30日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ピーナッツは〇歳までに摂取すべき!? ランダム化ピーナッツ摂取試験の参加者を対象に、長期間自由にピーナッツを食べたり、避けたりした後の144ヵ月齢時のピーナッツアレルギー発症率を追跡調査した。NEJM Evidence誌2024年6月号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.101(2024年5月30日号) オメガ3摂取で筋合成が促されるか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.100(2024年5月23日号) アンチエイジングに有効な化粧品の成分は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.99(2024年5月16日号) 結局、卵は1日何個までか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.98(2024年5月9日号) 筋トレによる筋肥大は、鍛えない筋肉を犠牲にしている? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.97(2024年5月2日号) 老い知らずの鍵は「アルカリ性」食品!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.96(2024年4月25日号) コーヒーが座りっぱなしの悪影響を打ち消す!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.95(2024年4月18日号) より効果的な筋トレはどちらか? スプリットルーティーン vs フルボディルーティーン 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.94(2024年4月11日号) 朝食抜きで起こる悪影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.93(2024年4月4日号) 老化しにくい最適な睡眠時間は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.92(2024年3月28日号) 時間がない人に、最も効率的な筋トレは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.91(2024年3月21日号) パンダが白黒である理由は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.90(2024年3月14日号) ”精製炭水化物”で顔の魅力が低下する!? 他4本
再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブの有効性・安全性〜メタ解析
再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブの有効性・安全性〜メタ解析
公開日:2024年6月5日 Park D, et al. J Chemother. 2024 May 27. [Epub ahead of print]  ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イブルチニブが承認されたことにより、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する効果的な標的療法が実現可能となった。しかし、一部の患者では、副作用プロファイルが問題となっていた。アカラブルチニブは、不可逆的な次世代BKT阻害薬であり、イブルチニブよりもより選択的にBTKに共有結合することで作用を発現する薬剤である。新規BTK阻害薬の開発により、その有効性や副作用をより深い理解に繋がり、臨床医と患者の共同意思決定(SDM)に役立つ可能性がある。米国・カリフォルニア大学のDaniel Park氏らは、再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブの有効性・安全性を評価するため、メタ解析を実施した。Journal of Chemotherapy誌オンライン版2024年5月27日号の報告。  PICOSモデルとPRISMAガイドラインを用いて、検索を実施した。アカラブルチニブ、アカラブルチニブ単剤療法、チロシンキナーゼ阻害薬、再発・難治性CLLをキーワードとし、PubMeb、Embase、Cochrane Libraryデータベースより検索した。文献レビュー後、12件の研究をメタ解析に含めた。メタ解析およびフォローアップメタ回帰モデルを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・全奏効率(ORR):82%(95%CI:74〜90、I2=84.14%、p<0.01) ・完全奏効率(CR):4%(95%CI:2〜6、I2=0.00%、p=0.99) ・死亡率:12%(95%CI:6〜19、I2=87.23%、p<0.01) ・副作用による死亡率:7%(95%CI:3〜10、I2=67.67%、p=0.01) ・肺炎による死亡率:2%(95%CI:1〜3、I2=0.00%、p=0.43) ・CLL進行による死亡率:4%(95%CI:2〜6、I2=61.03%、p=0.04) ・好中球減少症(グレード3以上):18%(95%CI:15〜20、I2=0.00%、p=0.70) ・血小板減少症(グレード3以上):7%(95%CI:4〜11、I2=54%、p=0.09) ・貧血(グレード3以上):9%(95%CI:6〜12、I2=36.93%、p=0.18) ・肺炎(グレード3以上):10%(95%CI:6〜14、I2=66.37%、p=0.02) ・心房細動:7%(95%CI:3〜11、I2=80.13%、p=0.00)  著者らは「再発・難治性CLLに対するアカラブルチニブ、有効性および許容可能な副作用を有する治療薬である」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Park D, et al. J Chemother. 2024 May 27. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38803142 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
/ 86