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再発・難治性の高齢者PTCLに対するGDP療法+ロミデプシン〜国内第II相試験
再発・難治性の高齢者PTCLに対するGDP療法+ロミデプシン〜国内第II相試験
公開日:2024年7月1日 Yamasaki S, et al. Hematol Rep. 2024; 16: 336-346.  末梢性T細胞リンパ種(PTCL)の重要な治療選択肢の1つであるロミデプシンは、投与するタイミングについて、議論の余地が残っている。九州大学別府病院の山崎 聡氏らは、ゲムシタビン+デキサメタゾン+シスプラチン(GDP療法)後のconsolidationとしてのロミデプシンの安全性および有効性を検討した。Hematology Reports誌2024年5月28日号の報告。  本国内第II相試は、2019年3月〜2021年3月に治療を行った65歳以上の再発・難治性PTCL患者を対象に、PTCL -GDPR試験として実施した。GDP療法を2〜4サイクル実施後、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、安定(SD)であった場合、ロミデプシンを4週間ごとに1年間投与した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者は、再発・難治性PTCL 7例(T濾胞ヘルパー細胞起源節性リンパ腫:1例、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫:6例)。 ・フォローアップ期間(平均は34ヵ月)中の、2年全生存期間(OS)は71%、治療後の全奏効率(OR)は57%であった。 ・主な有害事象として、好中球減少症などの血液毒性がみられたが、支持療法により改善が認められた。 ・治療に関連する死亡は認められなかった。  著者らは「ロミデプシンは、移植適応のない高齢者の最初・難治性PTCLに安全かつ効果的に使用可能であると考えられるが、さらなる調査が求められる」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yamasaki S, et al. Hematol Rep. 2024; 16: 336-346.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38921182 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
移植適応のある新規MMに対するダラツムマブの有用性〜CASSIOPEIA試験長期フォローアップの結果
移植適応のある新規MMに対するダラツムマブの有用性〜CASSIOPEIA試験長期フォローアップの結果
公開日:2024年6月28日 Moreau P, et al. Lancet Oncol. 2024 Jun 14. [Epub ahead of print]  CASSIOPEIA試験PART1では、移植適応のある新規多発性骨髄腫(MM)患者における寛解導入療法として、ボルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン(BTD療法)と比較し、ダラツムマブ+BTD療法の良好な奏功率および無増悪生存期間(PFS)の延長が示された。続くCASSIOPEIA試験PART2では、ダラツムマブによる維持療法により、経過観察の場合と比較し、PFSが有意に延長し、微小残存病変(MRD)陰性化率が上昇することが報告された。今回、フランス・University Hospital Hotel-DieuのPhilippe Moreau氏らは、CASSIOPEIA試験長期フォローアップの結果を報告した。The Lancet. Oncology誌オンライン版2024年6月14日号の報告。  CASSIOPEIA試験は、欧州のAcademic Community Center 111施設で、移植適応のある新規MM患者を対象とした非盲検第III相試験である。対象は、移植適応のある新規MM患者(ECOGのPS:0〜2、18〜65歳)。PART1では、移植前の寛解導入療法と移植後の地固め療法において、ダラツムマブ+BTD療法群とBTD療法群にランダムに割り付けた。地固め療法後、部分奏効(PR)以上の患者は、ダラツムマブ維持療法(8週間ごとに16mg/kg)群または2年以内の経過観察群にランダムに割り付けた。ランダム化には、インタラクティブWebベースシステムを用い、4群を順に使用するよう、バランスをとった。最初のランダム化(寛解導入および地固め療法)の層別化因子は、所属施設、国際病期分類の病期、細胞遺伝学的リスクであった。2回目のランダム化(維持療法)の層別化因子は、寛解導入療法と寛解導入および地固め療法による奏効の深さであった。寛解導入および地固め療法の主要エンドポイントは、厳格な完全奏効(sCR)とし、この結果はこれまでの報告と同様であった。維持療法の主要エンドポイントは、2回目のランダム化以降のPFSとした。寛解導入および地固め療法の有効性評価は、最初のランダム化を行ったすべての患者を含むITI集団で実施した。維持療法の有効性評価は、2回目のランダム化で割り付けられたすべての患者を含む維持療法におけるITI集団で実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・2015年9月22日〜2017年8月1日に対象患者1,085例が、ダラツムマブ+BTD療法群(543例)またはBTD療法群(542例)にランダムに割り付けられ、2016年5月30日〜2018年6月18日に886例が、ダラツムマブ維持療法群(442例)または経過観察群(444例)の再度ランダム化された。 ・2023年9月1日(クリニカルカットオフ日)時点で、フォローアップ期間中央値は最初のランダム化から80.1ヵ月(IQR:75.7〜85.6)、2回目のランダム化から70.6ヵ月(IQR:66.4〜76.1)であった。 ・2回目のランダム化後のPFSは、ダラツムマブ維持療法群(中央値未達[95%CI:79.9〜NE])で経過観察群(中央値45.8ヵ月 [95%CI:41.8〜49.6])よりも有意に延長した(HR:0.49[95%CI:0.40〜0.59]、p<0.0001)。 ・ダラツムマブ+BTD療法とダラツムマブ維持療法を行った場合(中央値未達[95%CI:74.6〜NE])、ダラツムマブ+BTD療法と経過観察の場合(中央値72.1ヵ月 [95%CI:52.8〜NE])と比較し、ベネフィットが示唆された(HR:0.76[95%CI:0.58〜1.00]、p=0.048)。 ・BTD療法とダラツムマブ維持療法を行った場合(中央値未達[95%CI: 66.9〜NE])、BTD療法と経過観察の場合(中央値32.7ヵ月 [95%CI:27.2〜38.7])と比較し、ベネフィットが示唆された(HR:0.34[95%CI:0.26〜0.44]、p<0.0001)。  著者らは「CASSIOPEIA試験長期フォローアップの結果から、導入寛解療法および地固め療法と維持療法の両方にダラツムマブを使用することで、PFSの延長が期待できることが示唆された。本結果は、移植適応のある新規MM患者に対し、寛解導入および地固め療法としてダラツムマブ+BTD療法、その後の維持療法としてダラツムマブ維持療法を用いることを支持するものである」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Moreau P, et al. Lancet Oncol. 2024 Jun 14. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38889735 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性FLに対するエプコリタマブ単剤療法〜EPCORE NHL-1第II相コホート
再発・難治性FLに対するエプコリタマブ単剤療法〜EPCORE NHL-1第II相コホート
公開日:2024年6月27日 Linton KM, et al. Lancet Haematol. 2024 Jun 13. [Epub ahead of print]  再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)に対する標準治療や最適な治療期間は、いまだ確立されていない。英国・マンチェスター大学のKim M. Linton氏らは、FLの3次治療以降における新規CD3×CD20二重特異性抗体であるエプコリタマブの有用性を評価するため、本研究を実施した。The Lancet. Haematology誌オンライン版2024年6月13日号の報告。  本EPCORE NHL-1試験は、15ヵ国88施設で実施されたマルチコホート単群第I-II相試験である。ここでは、第II相試験の再発・難治性FL患者における主な分析結果を報告する。ピボタルコホート(用量拡大)および第1サイクルの最適化コホートを含めた。対象は、再発・難治性のCD20陽性FL患者(グレード1〜3A)で、ECOGのPS2以下、2種類以上の治療歴(抗CD20モノクローナル抗体とアルキル化剤またはレナリドミドを含む)のある患者とした。エプコリタマブ(28日サイクル)48mg皮下投与を行った(1〜3サイクル:毎週、4〜9サイクル:隔週、その後は病性進行または許容できない毒性が出現するまで4週間ごと)。サイトカイン放出症候群(CRS)リスクおよび重症度軽減のために、ピボタルコホートでは、スッテップアップドーズレジメン(1サイクル目は1日目に0.16mgのプライミングドーズ、8日目に0.80mgの中間ドーズ、その後48mgのフルドーズとプレドニゾロン100mgの予防投与)を、サイクル1最適化コホートでは、1サイクル目のCRSリスクと重症度をさらに軽減するために、15日目に3mgの中間ドーズ2、十分な水分補給、デキサメタゾン15mg予防投与で評価を行った。主要エンドポイントは、独立して検討したピボタルコホートの全奏効率(OR)、サイクル1最適化コホートのグレード2以上および全グレードのCRS発生患者の割合とした。解析は、エプコリタマブを1回以上使用したすべての登録患者で実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者は128例(年齢中央値:65歳[IQR:55〜72]、女性:49例[38%]、男性:79例[62%])が、2020年6月19日〜2023年4月21日にピボタルコホートに登録され、エブコリタマブ治療を行った(フォローアップ期間中央値:17.4ヵ月[IQR:9.1〜20.9])。 ・ORは82.0%(128例中105例、95%CI:74.3〜88.3)、完全奏効(CR)は62.5%(128例中80例、95%CI:53.5〜70.9)であった。 ・治療中に最も多く発生したグレード3-4の有害事象は、好中球減少症(128例中32例[25%])であった。 ・グレード1-2のCRSは128例中83例(65%)で報告され、グレード3のCRSは2例(2%)であった。 ・免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は128例中8例(6%)で報告された(グレード1:5例[4%]、グレード2:3例[2%])。 ・82例(年齢中央値:64歳[IQR:55〜71]、女性:37例[43%]、男性:49例[57%])が、2022年10月25日〜2024年1月8日にサイクル1最適化コホートに登録され、治療を行った。 ・CRS発生率は49%(82例中42例、グレード2:8例[9%]、グレード3以上:なし)、ICANSは報告されなかった。  著者らは「エプコリタマブ単剤療法は、再発・難治性FLにおいて、臨床的に意義のある効果を示し、マネジメント可能な安全性プロファイルを有していることが確認された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Linton KM, et al. Lancet Haematol. 2024 Jun 13. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38889737 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
日本人DLBCLの適切なエンドポイントは?〜北日本血液研究会
日本人DLBCLの適切なエンドポイントは?〜北日本血液研究会
公開日:2024年6月26日 Izumiyama K, et al. Haematologica. 2024 Jun 13. [Epub ahead of print]  新規びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)治療後のフォローアップ期間に関する情報は重要であるものの、明確なエンドポイントは明らかになっていない。北海道・愛育病院の泉山 康氏らは、北海道の各地域を代表する14施設を含む、集団ベースのコホート研究より、新規DLBCL予後を調査した。Haematologica誌オンライン版2024年6月13日号の報告。  北日本血液研究会は、北海道の各地域を代表する14施設を含む、集団ベースのコホート研究を実施した。対象は、2008〜18年に初回治療としてリツキシマブとアントラサイクリンベースで導入化学療法(ICT)を行った18歳以上の新規DLBCL患者2,182例。全生存期間(OS)は、年齢、性別でマッチした日本人一般集団のデータ(対照群)と比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・患者の平均年齢は71歳。 ・フォローアップ期間中央値は3.4年、イベント発生患者は985例、死亡患者は657例であった。 ・36ヵ月無イベント生存期間(EFS)達成患者のOSは、対照群と同等であったが(標準化死亡比[SMR]:1.17、p=0.1324)、24ヵ月EFS達成患者のOSは、対照群と同等ではなかった(SMR:1.26、p=0.0095)。 ・サブグループ解析では、24ヵ月EFS達成患者でマッチした日本人一般集団と同等の平均余命を示す因子として、比較的高齢な患者(60歳以上)、男性、限局期、PS良好、可溶性IL-2受容体低値が抽出された。 ・一方、比較的若年の患者では、36ヵ月EFS達成患者でマッチした日本人一般集団よりも平均余命が短かった。  著者らは「新規DLBCL患者において、36ヵ月EFSは24ヵ月EFSよりも、適切なエンドポイントである可能性が示唆された。注目すべきは、比較的若年の患者では、より長期のEFS期間が必要となることであろう」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Izumiyama K, et al. Haematologica. 2024 Jun 13. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38867578 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
超加工食品の摂取で筋肉量が減少!? 他4本≫ Journal Check Vol.105(2024年6月27日号)
超加工食品の摂取で筋肉量が減少!? 他4本≫ Journal Check Vol.105(2024年6月27日号)
超加工食品の摂取で筋肉量が減少!? 超加工食品の摂取と筋肉量の関係は明らかではない。著者らは、NHANES2011〜2018のデータを用いて、20〜59歳の男女7,173名を対象に、超加工食品の摂取と筋肉量との関連性を調査した。European Journal of Nutrition誌オンライン版2024年6月19日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 高血圧のリスクを増加/低下させる食べ物は? 観察研究により、食事因子と高血圧の関連性が明らかにされているが、メンデルランダム化を用いた研究はほとんど行われていない。著者らは、メンデルランダム化解析により、16の食事因子と高血圧の潜在的な因果関係を調査した。Journal of Health, Population, and Nutrition誌2024年6月21日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む COVID-19に効果的な栄養素は? 著者らは、食事摂取量と微量栄養素の血清レベル、栄養不良、食生活パターンがインフルエンザ、肺炎、急性呼吸器症候群などの呼吸器感染症とどのように関連するかについて、COVID-19を中心に最新の文献をレビューした。BMC Public Health誌2024年6月21日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 日本人のフレイル合併NVAF患者にDOACは有用か? 心房細動の患者数は増加傾向にあり、虚弱の有病率は加齢とともに増加する。高齢の日本人非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚弱が抗凝固療法に及ぼす影響は不明である。著者らは、日本人のNVAF患者にリバーロキサバンを処方し、平均2.0年間モニタリングした。Scientific Reports誌2024年6月22日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 軽度のカロリー制限が若さの秘訣? 生物学的年齢を測定する時計は、死亡率を予測し、健康的な老化の促進に応用できると考えられている。著者らは、臨床データに基づく老化時計(PCAge)およびその簡略版(LinAge)を考案し、カロリー制限研究(CALERIE)のデータから、2年間の軽度カロリー制限で生物学的年齢が低下することを発見した。Nature Aging誌オンライン版2024年6月19日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.104(2024年6月20日号) 中高年に最適な睡眠パターンは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.103(2024年6月13日号) ハムストリングスをより効果的に鍛えるトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.102(2024年6月6日号) 骨粗鬆症予防には、コーヒー+紅茶を毎日〇杯? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.101(2024年5月30日号) オメガ3摂取で筋合成が促されるか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.100(2024年5月23日号) アンチエイジングに有効な化粧品の成分は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.99(2024年5月16日号) 結局、卵は1日何個までか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.98(2024年5月9日号) 筋トレによる筋肥大は、鍛えない筋肉を犠牲にしている? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.97(2024年5月2日号) 老い知らずの鍵は「アルカリ性」食品!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.96(2024年4月25日号) コーヒーが座りっぱなしの悪影響を打ち消す!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.95(2024年4月18日号) より効果的な筋トレはどちらか? スプリットルーティーン vs フルボディルーティーン 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.94(2024年4月11日号) 朝食抜きで起こる悪影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.93(2024年4月4日号) 老化しにくい最適な睡眠時間は? 他4本
リアルワールドにおけるITPに対するホスタマチニブの有効性・安全性
リアルワールドにおけるITPに対するホスタマチニブの有効性・安全性
公開日:2024年6月25日 Gonzalez-Lopez TJ, et al. Blood. 2024 Jun 6. [Epub ahead of print]  2022年に国内でも承認されたチロシンキナーゼ阻害薬ホスタマチニブは、成人の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対し安全かつ有効であることが示唆されている。しかし、リアルワールドでの結果が、臨床試験と同様であるとは限らない。スペイン・ブルゴス大学のTomas Jose Gonzalez-Lopez氏らは、スペインの42施設においてホスタマチニブで治療されたITP患者138例(原発性および二次性)を、プロスペクティブおよびレトロスペクティブに評価した。Blood誌オンライン版2024年6月6日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・患者の平均年齢は66歳(四分位範囲[IQR]:56〜80)、女性の割合は55.8%であった。 ・ホスタマチニブ開始時のITP診断からの期間中央値は51ヵ月(IQR:10〜166)であった。 ・ホスタマチニブ開始時の治療歴中央値は4回(IQR:2〜5)であり、治療にはエルトロンボパグ(76.1%)、ロミプロスチム(57.2%)、免疫グロブリン製剤(44.2%)が用いられていた。 ・治療開始前1ヵ月間で出血症状や兆候が認められた患者は58例(42.0%)であった。 ・ホスタマチニブで奏効が認められた患者は79.0%、完全奏効率(血小板数:100×109/L)は53.6%であった。 ・ホスタマチニブ単剤治療患者は83例(60.1%)において、高い奏効率(85.4%)が認められた。 ・27ヵ月のフォローアップ期間における奏効期間の割合は、83.3%であった。 ・血小板奏効までの期間中央値は、11日(IQR:7〜12)であった。 ・有害事象(主にグレード1〜2)が認められた患者は67例(48.5%)、主な有害事象は下痢(28例)、高血圧(21例)であった。 ・深部静脈血栓症、急性心筋梗塞が、それぞれ1例で認められた。  著者らは「リアルワールドにおいて、ホスタマチニブは、幅広い年齢層の原発性および二次性のITP患者に有効であり、安全性プロファイルも良好であることが示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gonzalez-Lopez TJ, et al. Blood. 2024 Jun 6. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38843478 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発DLBCLに対するベネトクラクス+イブルチニブ+プレドニゾン+オビヌツズマブ+レナリドミド併用療法
再発DLBCLに対するベネトクラクス+イブルチニブ+プレドニゾン+オビヌツズマブ+レナリドミド併用療法
公開日:2024年6月24日 Melani C, et al. N Engl J Med. 2024; 390: 2143-2155.  びまん性大細胞性B細胞リンパ腫(DLBCL)における発癌変異の特定により、それらをターゲットとする薬剤が次々と開発されている。しかし、複数のターゲットに対する薬剤を併用した場合の有効については不明である。米国・国立がん研究所のChristopher Melani氏らは、再発・難治性DLBCL患者を対象に、ベネトクラクス+イブルチニブ+プレドニゾン+オビヌツズマブ+レナリドミド併用療法の有用性を評価した。The New England Journal of Medicine誌2024年6月20日号の報告。  再発・難治性DLBCL患者を対象に、ベネトクラクス+イブルチニブ+プレドニゾン+オビヌツズマブ+レナリドミド併用(ViPOR)療法に関する単施設第Ib-II相試験を実施した。DLBCLおよび低悪性度リンパ腫患者を含む第Ib相試験では、ベネトクラクスの4段階の用量を評価し、第II相試験での推奨用量を特定した(その他4剤の用量は固定)。胚中心B細胞(GCB)および非GCBのDLBCL患者を対象に、第II相拡大試験を行った。ViPOR療法は、21日ごとに6サイクル実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・第 Ib相試験の対象患者20例(DLBCL患者10例を含む)において、グレード3の頭蓋内出血(用量制限毒性作用)が1件発生した。その結果、第II相試験のベネトクラクス推奨用量は、800mgと特定した。 ・第II相試験には、DLBCL患者40例が登録された。 ・毒性作用は、グレード3または4の好中球減少症(24%/サイクル)、血小板減少症(23%/サイクル)、貧血(7%/サイクル)、発熱性好中球減少症(1%/サイクル)であった。 ・評価可能なDLBCL患者48例のうち54%で客観的奏効が認められ、完全奏効(CR)は38%で認められた。CRは、非GCBのDLBCL患者およびMYC遺伝子およびBCL2またはBCL6遺伝子(またはその両方)の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫患者で認められた。 ・ViPOR療法終了時、血中内腫瘍循環DNAが検出されなかった患者は33%であった。 ・フォローアップ期間中央値は40ヵ月、2年無増悪生存期間(PFS)は34%(95%信頼区間[CI]:21〜47)、全生存期間は36%(95%CI:23〜49)であった。  著者らは「ViPOR療法は、特定のDLBCLサブタイプ患者の持続的な寛解と関連していたが、可逆的な有害事象との関連も認められた」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Delimpasi S, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 10. ▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38856176 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性MMに対するイキサゾミブ+ダラツムマブ+デキサメタゾン〜第II相試験最終分析
再発・難治性MMに対するイキサゾミブ+ダラツムマブ+デキサメタゾン〜第II相試験最終分析
公開日:2024年6月21日 Delimpasi S, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 10. [Epub ahead of print]  新規治療法の進歩により、多発性骨髄腫(MM)の臨床アウトカムは改善したが、いまだ多くの患者は再発し、再発・難治性MMの治療決定は、ますます困難となっている。ギリシャ・General Hospital EvangelismosのSosana Delimpasi氏らは、プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ+ダラツムマブ+デキサメタゾンの併用療法を評価したシングルアーム第II相試験の最終分析結果を報告した。American Journal of Hematology誌オンライン版2024年6月10日号の報告。  再発・難治性MM患者61例(イキサゾミブ、ダラツムマブの治療歴なし、治療歴1〜3回)が登録され、病勢進行およびまたは許容できない毒性が発現するまでイキサゾミブ+ダラツムマブ+デキサメタゾン併用療法(28日サイクル)を実施した。主要エンドポイントは、最良部分奏効(VGPR)、副次的エンドポイントは、全奏効率(OR)、無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、全生存期間(OS)などとした。 主な結果は以下のとおり。 ・年齢中央値は69歳、国際病期分類(ISS)ステージIIIの患者が14.3%、治療歴3回の患者が14.8%であった。 ・イキサゾミブ+ダラツムマブ+デキサメタゾン併用療法の平均サイクル数は16サイクル。 ・有効性評価可能な59例におけるORは64.4%、VGPRは30.5%であった。 ・各サブグループにおけるVGPRの割合は、次のとおりであった。   細胞遺伝学的高リスク(15例):26.7%   細胞遺伝学的拡大高リスク(24例):29.2%   75歳以上(12例):16.7%   レナリドミド抵抗性(21例):28.6%   プロテアソーム阻害薬/免疫調整薬の治療歴(58例):31.0% ・フォローアップ期間中央値は31.6ヵ月、PFS中央値は16.8ヵ月(95%CI:10.1〜23.7)であった。 ・グレード3以上の治療薬に関連する有害事象(TEAE)は、患者の54.1%で認められた。 ・重篤なTEAE発生率は44.3%、TEAEによる薬剤の用量調整、減量、中止の割合は、それぞれ62.3%、36.1%、16.4%であった。 ・本試験中に死亡した患者は5例。 ・末梢神経障害の発生率は、すべてのグレードで18.0%、グレード3以上で1.6%であった。 ・治療中のQOLは、概ね維持されていた。  著者らは「再発・難治性MMに対するイキサゾミブ+ダラツムマブ+デキサメタゾン併用療法は、良好なリスク-ベネフィットプロファイルを有し、臨床的に関連するサブグループにおいても有効性が示された治療法であり、本試験による新たな安全性シグナルは確認されなかった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Delimpasi S, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 10. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38856176 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性の高齢者LBCLに対するCAR-T細胞療法の有用性
再発・難治性の高齢者LBCLに対するCAR-T細胞療法の有用性
公開日:2024年6月20日 Tun AM, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 4. [Epub ahead of print]  CAR-T細胞療法は、再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の潜在的な治療法であるにもかかわらず、臨床データが限られているため、高齢者では十分に活用できていない。米国・カンザス大学のAung M. Tun氏らは、再発・難治性LBCLの高齢患者に対するCAR-T細胞療法の安全性および有効性を検討した。American Journal of Hematology誌オンライン版2024年6月4日号の報告。  米国・7施設でCAR-T細胞療法を行った65歳以上の再発・難治性LBCL患者を対象に、多施設共同レトロスペクティブ観察研究を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者数は226例(平均年齢:71歳、範囲:65〜89歳)。 ・最良客観的奏効率(best objective response)は86%、完全奏効率(CR)は62%であった。 ・CAR-T細胞療法後の平均フォローアップ期間は18.3ヵ月。 ・無増悪生存期間(PFS)中央値は6.9ヵ月、6ヵ月および12ヵ月のPFS推定値は、それぞれ54%、44%であった。 ・非再発死亡率(NRM)は、180日間で10.9%であり、主な原因は感染症であり、年齢による影響は認められなかった。 ・グレード3以上のサイトカイン放出症候群は7%、神経毒性は26%で発生した。 ・単変量解析では、年齢またはCAR-TタイプとPFSに有意な差は認められなかったが、ECOG PSが2以上、LDH上昇、バルキー病変、進行期、ブリッジングの必要性、ベンダムスチン治療歴は、PFSの短縮と関連が認められた。  著者らは「本知見は、80歳以上を含む高齢者の再発・難治性LBCDに対するCAR-T細胞療法を支持するものである。CAR-T細胞療法の安全性、生存率、NRMに対する年齢の影響は少ないと考えられるため、年齢だけを理由に治療選択肢からCAR-T細胞療法を除外すべきではない」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tun AM, et al. Am J Hematol. 2024 Jun 4. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38837403 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性のCCR4陽性PTCL、CTCLに対するモガムリズマブの有用性〜国内市販後調査
再発・難治性のCCR4陽性PTCL、CTCLに対するモガムリズマブの有用性〜国内市販後調査
公開日:2024年6月19日 Ishitsuka K, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e3292. [Epub ahead of print]  CCケモカイン受容体4(CCR4)を標的としたヒト化モノクローナル抗体であるモガムリズマブは、2014年に再発または難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)への適応拡大が承認された。鹿児島大学の石塚 賢治氏らは、モガムリズマブの市販後調査結果を報告した。Hematological Oncology誌2024年7月号の報告。  本市販後調査は、再発・難治性のCCR4陽性PTCLまたはCTCTに対するモガムリズマブの安全性および有効性を確認するため、2014〜2020年に日本で実施された。安全性および有効性のデータは、治療開始後最大31週間収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・登録総患者数は142例、安全性評価対象は136例。 ・投与回数の中央値は、8.0回(範囲:1〜18)。 ・治療中止の主な原因は、治療反応不十分(22.1%)、有害事象(13.2%)であった。 ・すべてのグレードの有害事象の発生率は57.4%であり、主な有害事象は、皮膚障害(26.5%)、感染症および免疫系障害(16.2%)、注射部位反応(13.2%)などであった。 ・モガムリズマブ投与後、同種造血幹細胞移植を行った2例のうち1例において、GVHD(グレード2)の発症が認められた。 ・有効性評価対象131例の内訳は、PTCLが103例、CTCLが28例。 ・最良総合評価(best overall response)は45.8%(PTCL:47.6%、CTCL:39.3%)であった。 ・31週時点での生存率は69.0%(95%CI:59.8〜76.5)であり、PTCLは64.4%(95%CI:54.0〜73.0)、CTCLは90.5%(95%CI:67.0〜97.5)であった。 ・安全性および有効性は、70歳未満と70歳以上、再発と難治性との間で同等であった。  著者らは「リアルワードにおけるPTCLおよびCTCLに対するモガムリズマブの安全性・有効性は、これまでの臨床試験で報告されたデータと同等であった」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ishitsuka K, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e3292. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38847317 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
中高年に最適な睡眠パターンは? 他4本≫ Journal Check Vol.104(2024年6月20日号)
中高年に最適な睡眠パターンは? 他4本≫ Journal Check Vol.104(2024年6月20日号)
中高年に最適な睡眠パターンは? 入眠時刻および睡眠時間と心代謝系の健康との関連は、あまり特徴付けられていない。著者らは、NHANES2015~2018の20~80歳の成人6,696人を対象とし、心代謝疾患リスクと最適な入眠時刻と十分な睡眠時間について調査した。Journal of the American Heart Association誌オンライン版2024年6月14日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 幸福に関連する9つの要素とは? ウェルビーイングは、自分の人生が楽しく充実したものであると広く定義され、アルツハイマー病や認知症リスクの低下と関連しているが、その根底にあるメカニズムはよくわかっていない。著者らは、ウェルビーイングとLancet委員会が定義した12個の認知症の危険因子との関連についてレビューを行った。Ageing Research Reviews誌オンライン版2024年6月14日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む クレアチン摂取 運動能力向上 vs 腎機能低下 クレアチンサプリメントは、運動能力を向上させると考えられており、フィットネス愛好家の間で広く摂取されているが、腎機能に対する影響についての懸念も高まっている。著者らは、この関連性についてメンデルランダム化解析を用いて検討した。Renal Failure誌オンライン版2024年6月14日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 発症4.5時間後でもテネクテプラーゼは有効か? テネクテプラーゼは、脳卒中発症後4.5時間以内の治療において有効な血栓溶解薬であるが、4.5時間以降の投与の有効性に関するデータは限られている。著者らは、発症後4.5〜24時間の患者をテネクテプラーゼによる治療群と、標準治療群に無作為に割り付け、比較試験を行った。The New England Journal of Medicine誌オンライン版2024年6月14日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 寝不足で失われた記憶は取り戻せるか? 睡眠は記憶の定着に好影響を与え、海馬における覚醒時の体験の再活性化と再生は、このプロセスに極めて重要と考えられている。しかし、睡眠不足がこれらのパターンにどのような影響を与えるかはほとんど知られていない。著者らはラットを用いて、迷路探索、睡眠、睡眠遮断、回復睡眠時の、CA1ニューロンの活動を12時間にわたり記録した。Nature誌オンライン版2024年6月12日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.103(2024年6月13日号) ハムストリングスをより効果的に鍛えるトレーニングは? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.102(2024年6月6日号) 骨粗鬆症予防には、コーヒー+紅茶を毎日〇杯? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.101(2024年5月30日号) オメガ3摂取で筋合成が促されるか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.100(2024年5月23日号) アンチエイジングに有効な化粧品の成分は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.99(2024年5月16日号) 結局、卵は1日何個までか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.98(2024年5月9日号) 筋トレによる筋肥大は、鍛えない筋肉を犠牲にしている? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.97(2024年5月2日号) 老い知らずの鍵は「アルカリ性」食品!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.96(2024年4月25日号) コーヒーが座りっぱなしの悪影響を打ち消す!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.95(2024年4月18日号) より効果的な筋トレはどちらか? スプリットルーティーン vs フルボディルーティーン 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.94(2024年4月11日号) 朝食抜きで起こる悪影響は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.93(2024年4月4日号) 老化しにくい最適な睡眠時間は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.92(2024年3月28日号) 時間がない人に、最も効率的な筋トレは? 他4本
慢性GVHD発症が非再発死亡率に及ぼす影響
慢性GVHD発症が非再発死亡率に及ぼす影響
公開日:2024年6月18日 Jiang J, et al. Leuk Lymphoma. 2024 Jun 12. [Epub ahead of print]  慢性移植片対宿主病(GVHD)は、同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)を行なった患者の死亡率に影響を及ぼす主な原因の1つである。近年、allo-HSCTの進歩により、とくに高齢者を中心に、幅広い患者が移植適応可能となっている。米国・オハイオ州立大学のJustin Jiang氏らは、高齢患者と非高齢患者におけるallo-HSCT後のアウトカムに対する慢性GVHDの影響を評価した。Leukemia & Lymphoma誌オンライン版2024年6月12日号の報告。  1999〜2018年にallo-HSCTを行ったすべての患者を対象に、レトロスペクティブに分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・allo-HSCT後180日間で慢性GVHDを発症した患者は、発症しなかった患者と比較し、非再発死亡のリスクおよび発生率が高かった。 ・60歳以上と60歳未満による、慢性GVHDのアウトカムに有意な差は認められなかった。  著者らは「allo-HSCT後の慢性GVHDは、年齢により発症率の違いは認められず、非再発死亡リスクを増加させることが示唆された」としている。 (エクスメディオ 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Jiang J, et al. Leuk Lymphoma. 2024 Jun 12. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/38865104 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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