「血液内科 Journal Check」の記事一覧

PCNSLに対する大量MTX維持療法戦略〜米メイヨークリニックの経験/Blood Adv
PCNSLに対する大量MTX維持療法戦略〜米メイヨークリニックの経験/Blood Adv
公開日:2025年2月27日 Hwang SR, et al. Blood Adv. 2025; 9: 924-932.  中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)は、全身への関与なく、脳、脳脊髄液または網膜/硝子体に影響を及ぼす非ホジキンリンパ腫である。PCNSLに対する標準的な治療パラダイムは、大量メトトレキサート(HD-MTX)による導入療法後の自家造血幹細胞移植(HSCT)による地固め療法となっており、ほとんどの患者に用いられる。しかし、HD-MXTによる維持療法の有効性に関するデータは、これまで限られていた。米国・メイヨークリニックのSteven R. Hwang氏らは、HD-MTXによる導入化学療法後のHD-MXTによる維持療法戦略の有用性を検討するため、自施設で治療を行ったPCNSL患者の特徴および臨床アウトカムをレトロスペクティブに評価した。Blood Advances誌2025年2月25日号の報告。  2010年10月〜2022年6月にPCNSLと診断され、HD-MXTベース導入療法後に自家HSCT地固め療法(70例)またはHD-MXT維持療法(37例)を実施した患者148例をレトロスペクティブに評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は4.5年、無増悪生存期間(PFS)は8.3年、全生存期間(OS)は未達であった。 ・HD-MXT維持療法群は、自家HSCT地固め療法群と比較し、診断時の年齢中央値が高く(72歳vs.62歳)、ECOG PS2以上の割合が高くなる傾向がみられた(41%vs.29%)。 ・導入療法開始後の5年PFSは、自家HSCT地固め療法群で74.6%、HD-MXT維持療法群で72.6%。5年OSは、自家HSCT地固め療法群で76.0%、HD-MXT維持療法群で82.4%。 ・全体として、PFSおよびOSに導入療法後の治療戦略に基づく有意な差は認められなかった。  著者らは「これらの結果は、初期の導入療法で奏効が認められるPCNSL患者に対してHD-MXT維持療法戦略が、合理的かつtime-limited treatmentの治療戦略である可能性を示唆している」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hwang SR, et al. Blood Adv. 2025; 9: 924-932.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39964705 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
IVLBCLに対するR-CHOP+大量MTX療法の長期有用性が明らかに〜PRIMEUR-IVL試験
IVLBCLに対するR-CHOP+大量MTX療法の長期有用性が明らかに〜PRIMEUR-IVL試験
公開日:2025年2月26日 Shimada K, et al. EClinicalMedicine. 2025: 80: 103078.  血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)は、稀な節外性大細胞型B細胞リンパ腫であり、診断時期が適切でなければ予後不良となる疾患である。名古屋大学の島田 和之氏らは、中枢神経系(CNS)を標的とした治療と組み合わせた標準化学療法の安全性および有効性を評価するため、診断時にCNS浸潤を認めない未治療IVLBCL患者を対象に、多施設共同シングルアーム第II相試験であるPRIMEUR-IVL試験の長期フォローアップデータの最終解析を報告した。EClinicalMedicine誌2025年1月31日号の報告。  PRIMEUR-IVL試験の事前に指定された最終解析として、5年無増悪生存率(PFS)、5年全生存率(OS)、二次性CNS浸潤の発生率を含む成績を報告した。対象患者は、2011年6月〜2016年7月に登録され、最終解析のデータカットオフは2021年11月16日とした。 主な結果は以下のとおり。 ・これまでに報告したPRIMEUR-IVL試験の一次主要解析では、2年PFSは76%、2年OSは92%であり、二次性CNS浸潤の発生率は低かった(3%)。 ・フォローアップ期間中央値は7.1年(四分位範囲:5.6〜8.7)。 ・対象患者37例における5年PFSは68%(95%CI:50〜80)、5年OSは78%(95%CI:61〜89)であった。 ・一次解析後、新たな二次性CNS浸潤の発生は認められなかった。 ・一次解析後の重篤な有害事象は、grade4の好中球減少(1例)、特別な治療を必要としないgrade4の骨髄異形成症候群(1例)。 ・登録後からのフォローアップ期間中に死亡した患者は8例であり、内訳は原発性疾患(6例)、敗血症(1例)、原因不明の突然死(1例)であった。  著者らは「PRIMEUR-IVL試験の長期フォローアップデータでは、PFSおよびOSの持続性、二次性CNS浸潤の累積発生率の低さが示された。このことからも、未治療IVLBCL患者に対するR-CHOP+大量MTX療法は有用であると考えられる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Shimada K, et al. EClinicalMedicine. 2025: 80: 103078.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39968389 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
メトホルミン+L-アスパラギナーゼ併用はDLBCLの新たな治療法となりうるか
メトホルミン+L-アスパラギナーゼ併用はDLBCLの新たな治療法となりうるか
公開日:2025年2月25日 Lordello L, et al. Cancers (Basel). 2025; 17: 394.  びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、非ホジキンリンパ腫で最も一般的なタイプであり、B細胞から発生するアグレッシブかつ不均一な腫瘍を特徴とする。とくに、再発・難治性の場合では、依然として治療困難な悪性腫瘍の1つである。悪性腫瘍細胞の特徴として、代謝の再プログラミングが挙げられる。フランス・Universite Paris CiteのLeonardo Lordello氏らは、代謝の脆弱性をターゲットとし、再発・難治性DLBCL患者の臨床アウトカムを改善させるための戦略を検討した。Cancers誌2025年1月24日号の報告。  米FDAで承認されている2つの抗代謝薬であるメトホルミンおよびL-アスパラギナーゼの併用がDLBCL細胞の代謝および生存に及ぼす影響を調査した。薬剤併用により誘発される代謝阻害の評価には、NMR分光法を用いた。脂質代謝、糖代謝、グルタミン代謝、トリカルボン酸(TCA)サイクル、抗酸化作用への影響を調査した。アポトーシス誘導の評価には、FACG分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、酸化的リン酸化またはBCR/解糖系の状態に関わらず、DLBCL細胞のアポトーシスに対し、強い感受性を示した。 ・NMR分光法では、メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、いずれかの単剤の場合よりも、広範な代謝阻害を示すことが明らかとなった。 ・リン脂質、コレステロール、脂肪酸のレベルを調整することで、脂質代謝を阻害すると考えられる。 ・さらに、メトホルミンの糖代謝促進作用を打ち消し、解糖およびグルタミン代謝を減少させた。 ・また、細胞のエネルギー生成と酸化還元バランスに重要なTCAサイクルと抗酸化作用にも影響を及ぼすことが示唆された。 ・メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、がん生存に対して重要な2つの経路であるmTORC1およびMAPKシグナル伝達を阻害した。 ・これらの有益な影響が、DLBCL患者において実証された。  著者らは「メトホルミンとL-アスパラギナーゼの併用は、複数の代謝経路をターゲットとしてDLBCL細胞の生存に影響を及ぼすことから、再発・難治性DLBCLに対する新たな治療法となる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Lordello L, et al. Cancers (Basel). 2025; 17: 394.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39941763 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
MDSの予後予測、IPSS-RとIPSS-Mで評価結果は異なる〜東京医科大学
MDSの予後予測、IPSS-RとIPSS-Mで評価結果は異なる〜東京医科大学
公開日:2025年2月24日 Otsuki S, et al. Rinsho Ketsueki. 2025; 66: 7-11.  骨髄異形成症候群(MDS)は、多様な疾患単位の集合体であり、単なる病型分類では十分な予後予測はできないと考えられている。1997年に骨髄の芽球、染色体、血球減少の3項目による予後判定スコア(IPSS)が公開され、2012年に改訂版であるIPSS-Rが開発された。さらに、2022年6月にはIPSS-Rをベースに、遺伝子変異を組み込んでリスクスコアを算出するIPSS-Mが公表された。東京医科大学の大月 俊輔氏らは、MDSの予後予測に対するIPSS-RとIPSS-Mの評価アウトカムの比較を行った。臨床血液誌2025年号の報告。  対象は、2021年1月〜2023年2月、東京医科大学で新たにMDSと診断された30例。2つの予後予測スコアリングシステムIPSS-RとIPSS-Mの比較を行った。遺伝子解析は、骨髄パネルで実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・年齢中央値は66歳(35~80)。 ・内訳は、MDS-LBが18例、MDS IB-1が1例、MDS IB-2が2例、MDS-SF3B1が2例、MDS-biTP53が1例、MN-pCTが6例であった。 ・1症例当たりの変異数は、0~8(中央値:1)。 ・最も多く検出した変異は、TET2変異であり、U2AF1、TP53、RUNX1の変異が5例以上で検出された。 ・IPSS-Rによる分類では、very lowが2例、lowが14例、intermediate(Int)が5例、highが3例、very highが6例。 ・IPSS-Mによる分類では、very lowが3例、lowが9例、moderate low(ML)が7例、moderate high(MH)が2例、highが4例、very highが5例。 ・IPSS-M MLおよびMHをIPSS-R Intと同等のリスクとした場合、13例(43%)がIPSS-Mでリスク修正されたとみなされた。 ・1例はIPSS-Rではlowであったが、IPSS-Mではhighと評価された。  著者らは「一部のMDS患者において、IPSS-RとIPSS-Mによる評価は大きく異なることが示唆された。このことからも、治療方針の決定には注意が必要である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Otsuki S, et al. Rinsho Ketsueki. 2025; 66: 7-11.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39924210 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
Mel200移植前処置レジメンは、多発性骨髄腫の死亡リスクに影響しているのか
Mel200移植前処置レジメンは、多発性骨髄腫の死亡リスクに影響しているのか
公開日:2025年2月21日 Yilmaz U, et al. Ann Transplant. 2025: 30: e947186.  多発性骨髄腫(MM)における自家造血幹細胞移植(HSCT)の標準的な前処置レジメンは、メルファラン200mg/m2(Mel200)とされている。また、Frailの場合には、メルファランの投与量を30%減量(Mel140)して使用する。これらのレジメンの有用性を比較した研究では、主に非連続的な患者が含まれているケースやデータの欠落、異質性などにより、一貫性のない結果が報告されている。EBMT(European Society for Blood and Marrow Transplantation)が報告した最も大規模な研究において、自家HSCT前に最良部分奏効(VGPR)またはそれ以上の奏効を示した患者では、Mel200による死亡リスクの上昇が報告された。トルコ・イスタンブール大学のUmut Yilmaz氏らは、リアルワールドにおけるMel140またはMel200での前処置レジメンを行ったMM患者に対する初回自家HSCT後の臨床アウトカムを比較するため、単施設レトロスペクティブ研究を実施した。Annals of Transplantation誌2025年2月11日号の報告。  2012〜21年に初回自家HSCTを行った連続したMM患者159例のデータを分析した。主要アウトカムは全生存期間(OS)、副次的アウトカムは無増悪生存期間(PFS)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・Mel200群は131例、Mel140群は28例。 ・フォローアップ期間中央値は5.8年。 ・90%以上はボルテゾミブベースの導入療法、76%以上は自家HSCT前にVGPR以上を達していた。 ・OSはMel200群の方が良好であった(HR:0.42、p=0.002)。 ・関連するすべてのサブグループにおいて、Mel200群のOSの優位性は維持された。 ・PFS推定値は両群間で同等であった(p=0.49)。  著者らは「我々の施設において、Mel200による前処置レジメンは、自家HSCT後のMM患者のOS延長と関連していた。これは、患者の生理学的状態やその後の治療に対する耐性を反映しているものと考えられる。EBMTから報告されたMel200に関連する死亡リスクの上昇は、本研究では裏付けられなかった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yilmaz U, et al. Ann Transplant. 2025: 30: e947186.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39930693 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
CAR-T細胞療法後の同種HSCT連続治療、メリットがある患者像は?
CAR-T細胞療法後の同種HSCT連続治療、メリットがある患者像は?
公開日:2025年2月20日 Yang T, et al. J Adv Res. 2025 Feb 11. [Epub ahead of print]  CAR-T細胞療法は、再発・難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の治療環境に革命的な変化をもたらした。同種造血幹細胞移植(HSCT)へのCAR-T細胞療法ブリッジングは、再発率低下に寄与する可能性がある。しかし、多くの研究は、短期的アウトカムのみに焦点を当てており、全体的な予後に対する長期的な持続可能性に関する包括的なデータは、不十分であった。中国・浙江大学のTingting Yang氏らは、CAR-T細胞療法後に同種HSCTによる連続治療を行った患者におけるリアルワールドの長期フォローアップデータを評価した。Journal of Advanced Research誌オンライン版2025年2月11日号の報告。  対象は、2016年1月〜2024年5月にCAR-T細胞療法後に微小残存病変(MRD)が完全奏効(CR)と判定され、その後、同種HSCTを行った再発・難治性B-ALL患者51例。主要アウトカムには、全生存期間(OS)、無白血病生存(LFS)、非再発死亡率(NRM)、累積再発割合(CIR)を含めた。急性・慢性の移植片対宿主病(GVHD)およびGVHD-free survival(GRFS)についても調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・移植時の年齢中央値は32.1歳。 ・HLA半合致HSCTが88.2%、非血縁または血縁者HSCTが11.8%。 ・100日目の急性GVHDの累積発生率は、グレードI〜IVで31.4%、グレードII〜IVで15.7%。 ・4年後の慢性GVHDの累積発生率は、48.3%。 ・フォローアップ期間中央値は43.2ヵ月。 ・4年後のOSは68.9%、LFSは61.4%、GRFSは39.5%。 ・再発は15例(29.4%)でみられ、11例は抗原陽性再発であった。 ・4年後のNRMは10.6%、CIRは28.0%。 ・多変量解析では、45歳以上および高リスク群の患者において、OS(各々、p=0.018、p=0.038)およびLFS(各々、p=0.010、p=0.030)が有意に低かった。  著者らは「本リアルワールド研究においても、臨床試験で報告された結果と同様に、良好な長期的アウトカムが示され、4年間のフォローアップ調査で、持続的かつ永続的な奏効が認められた。しかし、45歳以上の患者や高リスク群の場合、これらのベネフィットは顕著ではなくなる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Yang T, et al. J Adv Res. 2025 Feb 11. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39947324 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
TKI治療抵抗性CMLに対して新規TKIであるvodobatinibの有用性は示されるか
TKI治療抵抗性CMLに対して新規TKIであるvodobatinibの有用性は示されるか
公開日:2025年2月19日 Cortes JE, et al. Lancet Haematol. 2025 Feb 7. [Epub ahead of print]  慢性骨髄性白血病(CML)において、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に対する抵抗性または不耐性は、依然として治療上の大きな課題である。米国・オーガスタ大学のJorge E. Cortes氏らは、ポナチニブおよびアシミニブを含む3つ以上のTKIにより治療を行ったフィラデルフィア染色体(Ph)陽性CML患者に対する、新しい選択的BCR-ABL1 TKIであるvodobatinibの安全性、抗白血病作用、薬物動態を明らかにするため、非盲検多施設共同国際第I/II相試験を実施した。The Lancet. Haematology誌オンライン版2025年2月7日号の報告。  本非盲検多施設共同国際第I/II相試験は、10ヵ国(ベルギー、フランス、ハンガリー、インド、イタリア、ルーマニア、韓国、スペイン、英国、米国)、28施設で実施された。対象は、ECOG PSが2以下の18歳以上のPh陽性CMLおよびALL患者(ALLは第I相試験のみ)。第I相試験では、3つ以上のTKIによる治療歴があり、他に利用可能な治療オプションがなかった患者を含めた。第II相試験では、3つ以上のTKIで奏効が消失およびポナチニブ治療歴を有する治療抵抗性およびまたは不耐性の患者を対象とした。Thr315Ile変異を有する患者は、第Iおよび第II相試験より除外した。対象患者には、有害事象、病勢進行、フォローアップ調査の失敗、死亡により治療を中止しない限り、1コース28日間で1日1回経口vodobatinib(12〜240mg)の自己投与を最大60ヵ月(65コース)実施した。主要エンドポイントは、vodobatinibの第I相試験の用量制限毒性に基づく最大耐用量、抗白血病作用(第II相試験における慢性期の細胞遺伝学的大奏効[CCyR+PCyR]、移行期または急性転化期の血液学的大奏効)の評価とした。Vodobatinibの安全性、抗白血病作用、薬物動態の評価は、第Iおよび第II相試験のデータを統合分析することにより決定した。なお、データカットオフ時点(2023年7月15日)で、対象患者募集の課題により、第II相試験は早期終了した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者数は78例。すべての患者で1回以上vodobatinibが投与され、安全性および有効性の分析対象に含めた。 ・第I相試験登録患者数は58例(2017年4月6日〜2023年6月20日)、第II相試験登録患者数は20例(2023年3月3日〜2023年3月29日)。 ・病期分類では、慢性期66例(85%)、移行期8例(10%)、急性転化期4例(5%)。 ・男性が43例(55%)、女性が35例(45%)。 ・年齢中央値は、59.0歳(IQR:47.0〜66.0)。 ・フォローアップ期間中央値は、22.3ヵ月(IQR:11.1〜43.9)。 ・vodobatinibを240mg投与した患者2例で用量制限毒性が認められたため(グレードIIIの呼吸困難:1例、グレードIIの体液過剰)、最大耐用量は204mgとみなした。 ・治療関連有害事象が認められた患者は73例(94%)、多くはグレードII以下の血液学的または消化器系の有害事象であった。 ・グレードIII以上の治療関連有害事象は47例(60%)でみられ、主な有害事象は、血小板減少(14例、18%)、好中球減少(10例、13%)、貧血(9例、12%)、リパーゼ増加(8例、10%)などであった。 ・試験中に死亡した患者は7例(9%)、そのうち1例は、治験責任医師の判断により治療に関連する死亡とされた。 ・慢性期のCML患者におけるCCyR+PCyRは、データカットオフ時点で63例中44例(70%)、そのうち第II相試験で16例中12例(75%)に認められた。 ・移行期のCML患者における血液学的大奏効は、データカットオフ時点で7例中6例(86%、期間中央値:17.8ヵ月[IQR:10.2〜24.3])、そのうち第II相試験で評価可能であった3例(100%)すべてに認められた。 ・急性転化期のCML患者における血液学的大奏効は、データカットオフ時点で4例中2例(50%)、奏効期間中央値は6.2ヵ月(IQR:3.2〜9.3)であった。なお、第II相試験での患者登録はなかった。  著者らは「第I/II相試験の統合解析により、ポナチニブやアシミニブを含む複数のTKI治療歴を有する進行期CML患者に対し、vodobatinibは臨床的に意味のある抗白血病作用および許容可能な安全性プロファイルを有する薬剤であり、いまだ満たされていない臨床ニーズを改善する可能性が示唆された。第II相試験は、統計学的に検出力が不十分なため、第III相ランダム化試験およびより早期の治療ラインでのさらなる調査が必要とされる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cortes JE, et al. Lancet Haematol. 2025 Feb 7. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39929221 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
多発性骨髄腫の1stラインにD-BLd療法は支持されるか〜CEPHEUS試験
多発性骨髄腫の1stラインにD-BLd療法は支持されるか〜CEPHEUS試験
公開日:2025年2月18日 Usmani SZ, et al. Nat Med. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]  多発性骨髄腫(MM)の治療において、ダラツムマブをベースとした3剤併用および4剤併用の標準治療レジメンは、未治療MM患者の生存率向上に寄与することが実証されている。現在、未治療で移植適応のないMM患者では、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(DLd療法)またはボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(BLd療法)のいずれかによる3剤併用療法が、標準療法とされている。米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのSaad Z. Usmani氏らは、未治療で移植適応のないMM患者または初期治療として移植が計画されていないMM患者を対象に、ダラツムマブ+BLd療法(D-BLd療法)の有用性を評価するため、ランダム化第III相試験であるCEPHEUS試験を実施した。Nature Medicine誌オンライン版2025年2月5日号の報告。  対象は、未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者約395例。D-BLd療法群またはBLd療法群のいずれかにランダムに割り付けられた。8コースのD-BLd療法またはBLd療法を実施した。その後、病勢進行が認められるまでD-Ld療法またはLd療法を継続した。主要エンドポイントは、次世代シーケンサー(NGS)による10−5での全体的な微小残存病変(MRD)陰性化率とした。主な副次的エンドポイントは、完全奏効(CR)以上の割合、無増悪生存期間(PFS)、10−5での持続的なMRD陰性化を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値は58.7ヵ月。 ・MRD陰性化率は、D-BLd療法群で60.9%、BLd療法群で39.4%であった(オッズ比:2.37、95%信頼区間[CI]:1.58〜3.55、p<0.0001)。 ・D-BLd療法群では、BLd療法群よりもCR以上の割合、持続的なMRD陰性化率が有意に高かった。  【CR以上の割合】81.2% vs.61.6%、p<0.0001  【持続的なMRD陰性化率(12ヵ月以上)】48.7% vs. 26.3%、p<0.0001 ・病勢進行または死亡リスクは、D-BLd療法群の方がBLd療法群よりも43%低かった(ハザード比:0.57、95%CI:0.41〜0.79、p=0.0005)。 ・有害事象は、ダラツムマブおよびBLd療法で報告されている既知の安全性プロファイルと一致していた。  著者らは「BLd療法にダラツムマブを併用することで、MRD陰性などの奏効がより深く、持続的にみられることが示された。未治療で移植適応のないまたは初期治療として移植が計画されていないMM患者に対する新たな標準治療として、D-BLd療法による4剤併用は支持されるものである」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Usmani SZ, et al. Nat Med. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39910273 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性MCLに対するイブルチニブ+ベネトクラクス併用療法〜SYMPATICO試験
再発・難治性MCLに対するイブルチニブ+ベネトクラクス併用療法〜SYMPATICO試験
公開日:2025年2月17日 Wang M, et al. Lancet Oncol. 2025; 26: 200-213.  イブルチニブとベネトクラクスの併用療法は、互いに補完し合う作用機序により、マントル細胞リンパ腫(MCL)において、有望な臨床効果を示すことが期待されている。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMichael Wang氏らは、再発・難治性MCL患者を対象に、イブルチニブ+ベネトクラクス併用療法の有効性および安全性を評価するため、多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験(SYMPATICO試験)を実施した。The Lancet. Oncology誌2025年2月号の報告。  SYMPATICO試験には、ヨーロッパ、北米、アジア太平洋地域の84施設が参加した。対象患者は、2018年4月26日〜2019年8月28日の登録された1〜5回の治療歴を有するEOCG PSが0〜2の病理学的に再発または難治性のMCLと診断された18歳以上の成人患者267例。患者は、イブルチニブ+ベネトクラクス併用療法群(IBT+VEN群)134例またはイブルチニブ+プラセボ療法群(対照群)133例にランダムに割り付けられ、病勢進行または許容できない毒性が認められない限り2年間治療を継続した。イブルチニブの用量は560mg/日、ベネトクラクスは5週間かけて400mg/日まで増量した。ランダム化および治療割り付けは、EOCGのPS、治療歴、腫瘍崩壊症候群リスクにより層別化されたstratified permuted block scheme(ブロックサイズ:2 and 4)を用いて行った。患者および治験責任医師は、治療割り当てについて盲検化された。主要エンドポイントは、ITT集団における無増悪生存期間(PFS)の治験責任医師による評価とした。安全性については、研究期間中に1回以上治療を行ったすべての患者を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者267例のうち、男性は211例(79%)、女性は59例(21%)。 ・フォローアップ期間中央値は51.2ヵ月(IQR:48.2〜55.3)。 ・PFS中央値は、IBT+VEN群で31.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:22.8〜47.0)、対照群で22.1ヵ月(95%CI:16.5〜29.5)であった(ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.47〜0.88、p=0.0052)。 ・主なグレードIII〜IVの有害事象は、好中球減少、血小板減少、肺炎であった。  【好中球減少】IBT+VEN群:31%(134例中42例)、対照群:11%(132例中14例)  【血小板減少】IBT+VEN群:13%(17例)、対照群:8%(10例)  【肺炎】IBT+VEN群:12%(16例)、対照群:11%(14例) ・重篤な有害事象は、IBT+VEN群で60%(81例)、対照群で60%(79例)にみられた。 ・治療関連死亡は、IBT+VEN群で3例(COVID-19感染、心停止、呼吸不全)、対照群で2例(心不全、COVID-19関連肺炎)に発生した。  著者らは「再発・難治性MCL患者に対するIBT+VEN併用療法は、対照群(IBT単剤療法)と比較し、PFSの有意な改善をもたらし、未知の安全性プロファイルは検出されなかった」とし、このことから「再発・難治性MCLに対するIBT+VEN併用療法は、ベネフィット・リスクプロファイルが良好な治療選択肢である」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wang M, et al. Lancet Oncol. 2025; 26: 200-213.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39914418 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ アンケート:ご意見箱 ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
80歳以上の日本人DLBCLに対する減量Pola-R-CHP療法、実臨床での有用性は
80歳以上の日本人DLBCLに対する減量Pola-R-CHP療法、実臨床での有用性は
公開日:2025年2月14日 Sato S, et al. Blood Res. 2025; 60: 10.  80歳以上で未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するポラツズマブ ベドチンとR-CHP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン)の併用療法(Pola-R-CHP療法)の有効性および安全性は、ほとんど調査されていない。神奈川県・湘南鎌倉総合病院の佐藤 淑氏らは、高齢者コホートであるPOLARIX試験の結果を拡張し、リアルワールドにおける80歳以上の日本人DLBCL患者における減量Pola-R-CHP療法の有効性および安全性を評価するため、レトロスペクティブに分析を行った。Blood Research誌2025年2月5日号の報告。  対象は、2022年9月〜2024年2月に当院でPola-R-CHP療法を行った80歳以上のDLBCL患者38例。毒性や病勢進行により早期に治療を中止した患者も含め、1コース以上の化学療法を行った。すべての患者の相対用量強度(RDI)をモニタリングした。Pola-R-CHP療法の用量調整は、主治医の裁量で実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者の年齢中央値は84.3歳(範囲:80〜95)、PS2以上の患者は8例(21%)。 ・MYCおよびBCL2再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫患者1例も対象に含めた。 ・ステージIII〜IVが30例(79%)、IPIの高リスク群16例(42%)、CNS-IPIの高リスク群4例(10%)。 ・治療コース中央値は5コース(範囲:1〜6)、全6コースを完了した患者は24例(63%)。 ・フォローアップ期間中央値は11.6ヵ月(範囲:1〜24)。 ・12ヵ月後の全生存割合(OS)は86.2%(95%CI:70.0〜94.0)、無増悪生存割合(PFS)は78.5%(95%CI:59.2〜89.5)。 ・発熱性好中球減少症の発生率は、比較的高かったものの(32%)、平均RDIが70%未満の患者では、治療強度が低下してもリスク増加が認められた。 ・末梢神経障害のためにポラツズマブ ベドチンの減量が必要であった患者はいなかった。  著者らは「新たにDLBCLと診断された80歳以上の高齢患者に対し、減量Pola-R-CHP療法は、実行可能な効果的な治療選択肢である可能性が示された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sato S, et al. Blood Res. 2025; 60: 10.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39907880 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
PCNSLに対するイブルチニブ併用HD-MTX+テモゾロミド療法〜第II相試験
PCNSLに対するイブルチニブ併用HD-MTX+テモゾロミド療法〜第II相試験
公開日:2025年2月13日 Gao Y, et al. Blood Cancer Discov. 2025 Feb 6. [Epub ahead of print]  B細胞受容体シグナル伝達の恒常的活性化は、中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)で頻繁に発生する。そのため、B細胞受容体シグナル伝達経路を阻害するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬は、PCNSLの有望な治療薬として期待されている。中国・Sun Yat-sen University Cancer CenterのYan Gao氏らは、新たに診断されたPCNSLにおける大量メトトレキサート(HD-MTX)+テモゾロミド療法にBTK阻害薬イブルチニブを併用した際の有効性および安全性を評価するため、多施設共同プロスペクティブコホート第II相試験を実施した。Blood Cancer Discovery誌オンライン版2025年2月6日号の報告。 主な結果は以下のとおり。 ・登録患者数35例のうち、33例を解析対象に含めた。 ・導入療法における最良全奏効率(best ORR)は93.9%、完全奏効(CR)率は72.7%であった。 ・2年無増悪生存期間(PFS)は57.6%(95%CI:49.0〜66.2)、全生存期間は84.8%(95%CI:78.6〜91.0)。 ・グレードIII以上の有害事象発生率は27.3%(33例中10例)。 ・ベースライン時の腫瘍および脳脊髄液(CFS)サンプルにおけるターゲットリシーケンスで検査した475個の遺伝子の中で、PIM1、MYD88、BTG2、CD79Bの変異が最も高頻度に認められた。 ・CSFおよびまたは血漿中のctDNA消失は一貫しており、画像診断でもCRが確認された。 ・2コース以降にCSF中のctDNA消失が確認された患者において、PFSの有意な延長が認められた(p=0.044)。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gao Y, et al. Blood Cancer Discov. 2025 Feb 6. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39913173 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
モスネツズマブはリツキシマブを超えられるか、初発DLBCLに対するモスネツズマブ+Pola-CHP療法/Blood Adv
モスネツズマブはリツキシマブを超えられるか、初発DLBCLに対するモスネツズマブ+Pola-CHP療法/Blood Adv
公開日:2025年2月12日 Westin JR, et al. Blood Adv. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]  抗CD20/CD3二重特異性抗体であるモスネツズマブは、本邦において再発・難治性濾胞性リンパ腫(FL)で承認を取得した。本剤は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する新たな治療選択肢の1つとしても期待され、併用療法による臨床試験も進行している。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのJason R. Westin氏らは、DLBCLに対する第1選択治療の1つであるポラツズマブ ベドチン併用R-CHP(Pola-R-CHP)療法とリツキシマブをモスネツズマブに変更したモスネツズマブ+Pola-CHP療法の有効性および安全性を比較するため、第II相試験を実施し、最終結果を報告した。Blood Advances誌オンライン版2025年2月5日号の報告。  対象は、未治療のDLBC患者62例。モスネツズマブ+Pola-CHP群40例、Pola-R-CHP群22例にランダムに割り付けた。21日間6コースでday1に投与を行った。モスネツズマブは、1コース目にステップアップドーズで30mgまで増量した。主要エンドポイントは、独立審査委員会により評価したPET-CT検査による完全奏効(CR)率とした。 主な結果は以下のとおり。 ・CR率は、両群間で同等であった(モスネツズマブ+Pola-CHP群:72.5%、Pola-R-CHP群:77.3%)。 ・治験責任者により評価した24ヵ月無増悪生存期間(PFS)は、モスネツズマブ+Pola-CHP群で70.8%(95%CI:55.6〜86.1)、Pola-R-CHP群で81.8%(95%CI:65.7〜97.9)であった。 ・モスネツズマブ+Pola-CHP群において最も多かった有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS:68.4%)であり、その多くはグレードI(52.6%)、1コース目に限定的に認められた。 ・Pola-R-CHP群で最も多かった有害事象は、好中球減少症/好中球数減少(54.4%)。 ・好中球減少症/好中球数減少は、両群で最も高頻度に認められたグレードIII以上の有害事象であった(モスネツズマブ+Pola-CHP群:36.8%、Pola-R-CHP群:22.7%)。 ・グレードIII以上の有害事象、重篤な有害事象、治療中止に至る有害事象の発生率は、モスネツズマブ+Pola-CHP群の方が、Pola-R-CHP群よりも高かった。  【グレードIII以上の有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:86.8%、Pola-R-CHP群:59.1%  【重篤な有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:63.2%、Pola-R-CHP群:13.6%  【治療中止に至る有害事象】モスネツズマブ+Pola-CHP群:13.2%、Pola-R-CHP群:0% ・薬理学的変化は、モスネツズマブの作用機序とPola-CHP療法併用を支持するものであった。  著者らは「初発DLBCLに対する第1選択治療として、モスネツズマブ+Pola-CHP療法は有用であったが、この小規模な研究では、Pola-R-CHP療法を上回る臨床的ベネフィットは示されなかった」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Westin JR, et al. Blood Adv. 2025 Feb 5. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39908481 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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