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承認から5年、B-ALLに対するtisa-celの国内治療成績を分析
承認から5年、B-ALLに対するtisa-celの国内治療成績を分析
公開日:2024年12月23日 Kato I, et al. Transplant Cell Ther. 2024 Nov 30. [Epub ahead of print]  CAR-T細胞療法は、再発・難治性B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)の小児、青年、若年成人患者に対する新たな治療選択肢となった。世界中でCAR-T細胞療法のアウトカムに関するリアルワールドでの使用経験が蓄積されている。とくに医学的および民族的背景が異なる患者におけるCAR-T細胞療法のアウトカムを比較することは、非常に重要である。京都大学の加藤 格氏らは、日本において承認から5年以上経過したチサゲンレクル ユーセル(tisa-cel)の国内リアルワールドにおける使用経験を調査し、その結果を報告した。Transplantation and Cellular Therapy誌オンライン版2024年11月29日号の報告。  全国規模の日本CAR-Tコンソーシアム(JCTC)は、tisa-cel市販後にCAR-T細胞療法を行った小児、青年、若年成人患者を対象に、多施設レトロスペクティブ研究を実施した。解析対象は、tisa-cel市販後に白血球アフェレーシスサンプルをノバルティスに輸送した再発・難治性B-ALL患者42例。本報告では、ベースラインパラメータと臨床アウトカムとの関連を評価した。奏効、毒性、生存の解析には、CAR-T輸注を行ったすべての患者を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・最良総合効果率は93%。 ・CAR-T輸注後の1年全生存割合(OS)は82%、無イベント生存割合(PFS)は56%。 ・tisa-cel輸注前、低腫瘍量(骨髄中のリンパ芽球が5%未満)であった患者は27例(64%)。 ・低腫瘍量は、良好な臨床アウトカムとの関連が認められた。 ・1年無イベント生存割合(EFS)は、低腫瘍量では80%であり、高腫瘍量(骨髄中のリンパ芽球が5%以上)の24%と比較し、高値であった。 ・多変量解析では、造血幹細胞移植(HSCT)歴と良好なアウトカムとの関連が特定され、1年EFSは75%であり、HSCT歴のない患者(24%)と比較し、高値であった。  著者らは「日本において市販後にtisa-celによる治療を行った小児、青年、若年成人の再発・難治性B-ALLに関する最初の解析において、臨床試験や他のリアルワールド研究と同様に、有効性が確認された。低腫瘍量やHSCT歴は、良好なEFSと関連していることが示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kato I, et al. Transplant Cell Ther. 2024 Nov 30. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39617098 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
抗CD20モノクローナル抗体関連の遅発性好中球減少、オビヌツズマブとリツキシマブでの違いは
抗CD20モノクローナル抗体関連の遅発性好中球減少、オビヌツズマブとリツキシマブでの違いは
公開日:2024年12月20日 Fadaos N, et al. Ann Hematol. 2024 Dec 12. [Epub ahead of print]  抗CD20モノクローナル抗体関連の遅発性好中球減少の発生率は、8〜27%と報告されている。濾胞性リンパ腫(FL)の維持療法には、抗CD20モノクローナル抗体が広く使用されているにも関わらず、遅発性好中球減少の発生や臨床結果に及ぼす影響に関するデータは限られている。イスラエル工科大学のNashwa Fadaos氏らは、維持療法中のFL患者における遅発性好中球減少の発生率、重症度、リスク因子について評価を行った。Annals of Hematology誌オンライン版2024年12月12日号の報告。  対象は、2006〜21年にイスラエル・ラムバン病院で治療を行ったFL患者。対象患者のデータは、電子カルテより収集した。 主な結果は以下のとおり。 ・維持療法群には165コースの治療による155例、非維持療法群には67コースの治療による58例を含めた。 ・維持療法の期間中央値は1.81±0.28年。 ・維持療法中に遅発性好中球減少が発生した患者は23.2%、1回以上の再発は13.8%で認められた。 ・非維持療法群では、遅発性好中球減少が29.3%、再発が38.8%でみられた。 ・維持療法群における維持療法開始から最初の好中球減少までの期間中央値は5ヵ月(1.25〜12)であり、非維持療法群の方がより早期に好中球減少が発生した(1.9ヵ月[0.97〜3.71]、p=0.06)。 ・維持療法群における遅発性好中球減少のリスク因子は、オビヌツズマブ+ベンダムスチン併用療法またはオビヌツズマブ維持療法であった。 【オビヌツズマブ+ベンダムスチン併用療法】オッズ比(OR):4.546、95%信頼区間(CI):1.419〜14.563、p=0.011 【オビヌツズマブ維持療法】OR:3.138、95%CI:1.23〜7.94、p=0.016 ・非維持療法群における遅発性好中球減少のリスク因子は、1つ以上の治療ライン(OR:3.93、95%CI:1.00〜15.38、p=0.04)、導入化学療法完了時の好中球絶対数の低さであった。 ・リツキシマブまたはオビヌツズマブによる維持療法を行った患者における遅発性好中球減少の発生率の違いは、抗CD20抗体のタイプI抗体またはII抗体のメカニズムの差が影響している可能性が示唆された。  著者らは「FL患者に対する抗CD20モノクローナル抗体による長期維持療法は、遅発性好中球減少の再発減少に有用である」としたうえで「本知見は、個々のFL患者における遅発性好中球減少リスクを予測し、治療選択を最適化するうえで役立つであろう」とまとめている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fadaos N, et al. Ann Hematol. 2024 Dec 12. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39663256 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
血液検査の結果より気を付けたい症例~二次性多血症~
血液検査の結果より気を付けたい症例~二次性多血症~
骨髄増殖性腫瘍の早期発見を目指し、血液検査値の異常や検査結果について経験豊富な専門医へ相談できるオンラインコンサルトサービス「血ミル」を開始しました。今回、「血ミル」回答医である玉井先生に二次性多血症について症例をもとに解説いただきました。 メッセージ多血症(赤血球増加症)は循環血漿量の減少による相対的赤血球増加症と絶対的赤血球増加症に分類され、後者はさらに真性多血症と二次性多血症に分類される。二次性多血症は、睡眠時無呼吸症候群や慢性呼吸不全、エリスロポイエチン産生腫瘍などが知られているが、近年SGLT2阻害薬が原因となることも増えている。診断にはエリスロポイエチンの測定やJAK2V617F遺伝子検査、場合によっては骨髄検査を要する。多血症は原因に関わらず(二次性でも)血栓リスクが上昇することが知られており、血液内科医とかかりつけ医の緊密な連携が重要である。SGLT2阻害薬が原因だった二次性多血症の症例:70代男性、2型糖尿病(ジャディアンス®、トラゼンタ® )でかかりつけの近医で多血傾向を指摘された。 血液検査数値 WBC 6900 μ T-bil 0.7 mg/dl Neut 60.4 % AST 43 U/L Lym 30.1 % ALT 73 U/L Mono 6.5 % LDH 245 U/L Eo 3.0 % Fe 169 ug/ml Baso 0.7 % Ferritin 216.9 ng/ml RBC 674 x10E4/μl エリスロポイエチン 11.5 mIU/ml Hb 20.5 g/dl Hct 63.9 % MCV 94.8 fL PLT 14.4 x10E4/μl 網状赤血球 1.4 % 解説エリスロポイエチンの抑制は認められず、常用薬にSGLT2阻害剤があったために一時的な休薬を指示し、1か月後に採血を行ったところHctは低下が確認され、二次性多血と診断した。本症例では、かかりつけ医が糖尿病薬を他剤に変更することで対応した。初診時に骨髄増殖性疾患の鑑別のためにJAK2V617F遺伝子やbcr/abl融合遺伝子の有無を末梢血で提出することもしばしば行われるが、患者さんの費用負担の問題もあり、提出前に血液内科専門医と相談してからでもよいかもしれない。また、二次性多血症ではHct55以上の場合には血栓症に特に注意が必要であり、瀉血や抗血小板薬の投与も検討される。二次性多血症は、さまざまな要因が絡む複雑な病態ですが、早期に原因を特定し、適切に対応することで患者の安全を確保できます。今回の症例のように薬剤性が疑われる場合や診断が難しい場合は、どうぞ血ミルまでお気軽にご相談ください。
月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本≫ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号)
月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 他4本≫ Journal Check Vol.130(2024年12月21日号)
月1回未満の性行為は、うつ病リスクを高める!? 米国成人女性における性行為とうつ病の関係について、特に婚姻状況による違いを考慮した全国規模のデータは限られている。著者らは、20~59歳の女性を対象とした米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いて、性行為の頻度とうつ病リスクとの関連性を検討した。The Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2024年12月15日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 歯が黄ばみやすい、コーヒーの焙煎度は? コーヒーの摂取は歯の変色の原因としてよく知られており、コーヒーの化学成分によって着色の程度が左右される。著者らは、4種類のコーヒー(アラビカ、ロブスタ各2種類)の焙煎度(浅煎り、中煎り、深煎り)、クロロゲン酸含有量、吸光度、およびそれらの複合効果と歯の変色の関連を調査した。Journal of Oral Science誌オンライン版2024年12月6日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 結局、日本人の中高年に対する長期スタチン使用は筋力や筋肉量に影響するのか? スタチンは高齢者に広く使用される薬剤であるが、筋肉やサルコペニアへの影響については、一貫した結果が得られていない。著者らは、スタチンの長期使用とサルコペニア、筋力低下、筋肉量減少、身体機能低下リスクとの関連を評価するため、日本の中高年者を対象にコホート研究を実施した。Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle誌オンライン版2024年12月16日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 寒さはダイエットの大敵!? これまでの観察研究で、エネルギー代謝はエネルギー摂取量や体重増加と関連し、エネルギー感知メカニズムが代謝エネルギー需要を満たすために摂取量を調整することが示唆されている。著者らは、エネルギー代謝を変化させる介入としての軽度寒冷曝露が、自由エネルギー摂取量に及ぼす影響をリアルタイム~翌日にわたり評価した。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2024年12月13日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 食事の工夫でがん進行を抑制可能!? 前立腺がんの積極的監視療法を選択した男性は、がんの進行を抑えるための食事療法やサプリメントに関心を持つことが多い。著者らは、高オメガ3、低オメガ6脂肪酸の食事と魚油カプセルの摂取が、前立腺がん進行の指標であるKi-67に与える影響を評価するため、無作為化比較試験を実施した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年12月13日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号) 寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.123(2024年11月02日号) アルコール摂取で寿命は何年縮むのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.122(2024年10月26日号) 運動するベストな時間帯は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.121(2024年10月19日号) 長寿も結局は遺伝なのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.120(2024年10月12日号) 老化を遅らせるために、必要な運動量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.119(2024年10月05日号) 運動前のカフェイン摂取は、何に効く? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.118(2024年9月28日号) 1日何杯のコーヒーが、心血管代謝性多疾患併存リスク低下に最適か? 他4本
輸血非依存の低リスクMDSに対するルスパテルセプト〜日本人対象第II相試験
輸血非依存の低リスクMDSに対するルスパテルセプト〜日本人対象第II相試験
公開日:2024年12月19日 Kosugi H, et al. Int J Hematol. 2024 Nov 21. [Epub ahead of print]  輸血依存の低リスク骨髄異形成症候群(MDS)の貧血治療に対し、ルスパテルセプトは、持続的な臨床効果が認められている。岐阜県・大垣市民病院の小杉 浩史氏らは、輸血非依存の日本人低リスクMDS患者を対象にルスパテルセプトの有効性および安全性を検討した第II相試験の一次解析結果を報告した。International Journal of Hematology誌オンライン版2024年11月21日号の報告。  ルスパテルセプトは、開始用量1.0mg/kgで、3週間に1回皮下投与を行った。主要エンドポイントは、治療開始から24週以内における輸血なしで血液学的改善-赤血球反応(HI-E)を達成した患者(8週間のヘモグロビン値1.5g/dL以上の上昇)の割合とした。一時解析データカットオフ時点での登録患者数は21例、24週治療完了患者数は17例、48週治療完了患者数は10例。 主な結果は以下のとおり。 ・HI-E達成は、24週以内に10例(47.6%、95%CI:25.7〜70.2、p<0.0001)で認められ、この値は事前に定義した閾値(10%)よりも有意に高かった。 ・48週までのHI-E達成は12例(57.1%)で認められた。 ・48週まで輸血非依存が維持された患者は17例(81.0%)であった。 ・ルスパテルセプトの忍容性は良好であった。 ・グレードIII〜IVの治療関連有害事象は、3例(14.3%)にみられた。  著者らは「ルスパテルセプトは、ヘモグロビン値の統計学的および臨床的に有意な改善を示し、輸血非依存の低リスクMDS患者において輸血開始までの期間を延長させる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kosugi H, et al. Int J Hematol. 2024 Nov 21. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39572468 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
再発・難治性多発性骨髄腫に対する二重特異性抗体teclistamab、日本人対象第I/II相試験
再発・難治性多発性骨髄腫に対する二重特異性抗体teclistamab、日本人対象第I/II相試験
公開日:2024年12月18日 Ishida T, et al. Int J Hematol. 2024 Nov 28. [Epub ahead of print]  日本赤十字社医療センターの石田 禎夫氏らは、日本人再発・難治性多発性骨髄腫(MM)に対する二重特異性抗体teclistamabの安全性および有効性を評価した第I/II相試験の結果を報告した。International Journal of Hematology誌オンライン版2024年11月28日号の報告。  対象患者は、プロテアソーム阻害薬、免疫調整薬(IMiDs)、抗CD38モノクローナル抗体を含む少なくとも3つの標準的な治療歴を有する日本人再発・難治性MM患者。主要エンドポイントは、第I相試験では治療関連有害事象(TEAE)の頻度および種類、第II相試験では全奏効率(ORR:部分奏効[PR]以上)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・第I相試験では、14例を対象に週1回teclistamabの投与を行った(0.72mg/kg [5例]、1.5mg/kg [5例]、3mg/kg [4例])。 ・用量制限毒性は観察されなかった。 ・第II相試験において、推奨用量のteclistamab(1.5mg/kg)が投与された患者は26例(2024年4月現在)。 ・6ヵ月以上奏効を維持したのち、隔週投与が可能であった。 ・フォローアップ期間中央値14.32ヵ月におけるORRは76.9%(最良部分奏効以上:76.9%、完全奏効以上:65.4%)。 ・奏効期間中央値、無増悪生存期間中央値、全生存期間中央値は未達であった。 ・一般的なTEAEは、グレードII以下のサイトカイン放出症候群(CRS)、好中球減少、感染症。 ・免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)を経験した患者やTEAEによる用量減量を必要とした患者はいなかった。  著者らは「日本人再発・難治性MM患者に対する二重特異性抗体teclistamab治療は、ピボタル試験である海外第I/II相MajesTEC-1試験の結果と同様に、臨床的に意義のある深く持続的な奏効を示し、新たな標準治療となりうる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ishida T, et al. Int J Hematol. 2024 Nov 28. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39607603 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
イブルチニブ+BR療法、再発・難治性B細胞リンパ腫に対する有効性は示されるか
イブルチニブ+BR療法、再発・難治性B細胞リンパ腫に対する有効性は示されるか
公開日:2024年12月17日 Kedmi M, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e70001.  自家造血幹細胞移植(ASCT)後の再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫または高齢患者に対する治療は、しばしば困難である。イスラエル・Sheba Medical CenterのMeirav Kedmi氏らは、1stまたは2ndライン後に再発した移植適応のないまたはASCT後に2回目の再発を認めた再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫患者を対象に、ベンダムスチン+リツキシマブ(BR療法)にイブルチニブを併用した場合の有効性を評価するため、単一施設シングルアーム第II相臨床試験を実施した。Hematological Oncology誌2024年11月号の報告。  対象は、1stまたは2ndライン後に再発した移植適応のないまたはASCT後に2回目の再発を認めた再発・難治性の進行期B細胞性非ホジキンリンパ腫患者56例(男性の割合:54%、年齢中央値:69.7歳)。対象患者には、標準用量で28日6サイクルのBR療法+イブルチニブ(1日1回560mg)併用による治療を行った。主要エンドポイントは、全奏効率(ORR)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・BR療法+イブルチニブ治療を1サイクル以上行った55例におけるORRは49.1%、3サイクル以上行った36例におけるORRは69.4%であった。 ・再発患者は、難治性患者よりもORRが有意に高かった(72.3% vs.37.8%、p=0.024)。 ・全生存期間(OS)中央値は11.6ヵ月(95%CI:7.1〜22.3)、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.3ヵ月(95%CI:2.5〜7.4)。 ・完全奏効および部分奏効の患者は、安定および進行患者と比較し、OS中央値が有意に延長した(28.1ヵ月 vs.5.2ヵ月、p<0.0001)。 ・有害事象は、血小板減少(19.6%)、貧血(16.1%)、好中球減少(7.1%)、疲労(35.7%)、下痢(28.6%)、悪心(28.6%)などであった。 ・移植に移行した患者は、最初の有効性評価時点で8例、フォローアップ期間中で3例。 ・BR療法+イブルチニブ治療レジメンは、移植までのブリッジングとしても利用可能で、安全かつ効果的な治療オプションである可能性が示唆された。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kedmi M, et al. Hematol Oncol. 2024; 42: e70001.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39572395 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
CAR-T細胞療法抵抗性DLBCL治療に期待される抗体薬物複合体loncastuximab tesirine
CAR-T細胞療法抵抗性DLBCL治療に期待される抗体薬物複合体loncastuximab tesirine
公開日:2024年12月16日 Epperla N, et al. Blood Cancer J. 2024; 14: 210.  CAR-T細胞療法後に治療抵抗性を示すまたは病勢進行が認められた患者に対する抗体薬物複合体loncastuximab tesirineの有効性は明らかになっていない。米国・ユタ大学のNarendranath Epperla氏らは、米国における再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者に対するCAR-T細胞療法後のloncastuximab tesirineの使用実態およびアウトカムを評価するため、レトロスペクティブ研究を実施した。Blood Cancer Journal誌2024年11月28日号の報告。  対象は、2ndラインまたは3rdラインでCAR-T細胞療法を行い病勢進行が認められ、3rdラインまたは4thラインでloncastuximab tesirine単剤療法を行った18歳以上の再発・難治性DLBCL患者。CAR-T細胞療法後のloncastuximab tesirineのアウトカムには、奏効率(全奏効率[ORR]、完全奏効 [CR] 率)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・解析対象患者は118例。2ndラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者は95例(年齢中央値:66歳、男性の割合:61%)、3rdラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者は23例(年齢中央値:57歳、男性の割合:43%)。 【2ndラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者】 ・ORRは73%、CR率は34%。 ・loncastuximab tesirine単剤療法後のフォローアップ期間中央値8.5ヵ月、DOR、PFS、OSの中央値は未達であった。 ・12ヵ月時点でのDORは68%、PFSは77%、OSは84%。 【3rdラインCAR-T細胞療法後にloncastuximab tesirine単剤療法を行った患者】 ・ORRは78%、CR率は17%。 ・loncastuximab tesirine単剤療法後のフォローアップ期間中央値は13ヵ月、DOR中央値は7.6ヵ月、PFS中央値は12.0ヵ月、OS中央値は未達であった。 ・12ヵ月時点でのOSは95%。  著者らは「CAR-T細胞療法後に治療抵抗性を示すまたは病勢進行が認められたDLBCL患者に対する3rdラインまたは4thラインでのloncastuximab tesirine単剤療法は、効果的であり、治療選択肢の1つとなりうる可能性が示唆された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Epperla N, et al. Blood Cancer J. 2024; 14: 210.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39609431 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
TKI抵抗性・不耐容のCMLに対するポナチニブ vs.アシミニブ
TKI抵抗性・不耐容のCMLに対するポナチニブ vs.アシミニブ
公開日:2024年12月13日 Garcia-Gutierrez V, et al. Front Oncol. 2024:14:1455378.  ガイドラインでは、2剤抵抗性または不耐容の慢性期慢性骨髄性白血病(CML)に対しポナチニブおよびアシミニブが推奨されており、米国においてT315I変異を有するCMLに唯一承認されている薬剤である。また、欧州では、T315I変異を有するCMLには、ポナチニブのみが承認されている。スペイン・アルカラ大学のValentin Garcia-Gutierrez氏らは、第2世代TKI治療抵抗性またはT315I変異を有する慢性期CML患者に対するポナチニブまたはアシミニブによる治療効果を評価するため、マッチング調整間接比較による検討を行った。Frontiers in Oncology誌2024年11月20日号の報告。  1つ以上の第2世代TKI治療抵抗性またはT315I変異を有する慢性期CML患者を対象にポナチニブまたはアシミニブを評価した臨床試験を、医学文献データベースのシステマテックレビューにより特定した。ポナチニブの患者レベルでのデータを使用したマッチング調整間接比較(MAIC)分析を用いて、ポナチニブとアシミニブのベースライン特定のバランスを調整した。マッチング後、各患者のMAIC重み付けを用いて奏効率を算出し、その差を2つの独立した比率の差z検定を用いて評価した。ベースライン時に奏効していない患者におけるBCR::ABL1IS≦1%および分子遺伝学的大奏効(MMR)の累積率を比較した。対象患者は、T315I変異の有無によりさらに分類した。 主な結果は以下のとおり。 ・4試験をMAIC分析に含めた。 ・ベースライン時、BCR::ABL1IS≦1%でない患者では、12ヵ月時点での調整済みBCR::ABL1IS≦1%率の差は9.33%であり、ポナチニブの方が良好であった。 【ポナチニブ vs.アシミニブの調整済みBCR::ABL1IS≦1%率の差】9.33%(95%CI:0.79〜17.86) 【ポナチニブ vs.アシミニブの調整済みMMR率の差】6.84%(95%CI:−0.95〜14.62) ・T315I変異を有する患者では、12ヵ月時点での調整済みBCR::ABL1IS≦1%率の差は43.54%であった。 【ポナチニブ vs.アシミニブの調整済みBCR::ABL1IS≦1%率の差】43.54%(95%CI:22.20〜64.87) 【ポナチニブ vs.アシミニブの調整済みMMR率の差】47.37%(95%CI: 28.72〜66.02)  著者らは「ベースライン時に奏効していない慢性期CML患者では、主なベースライン特性を調整後の12ヵ月までのほとんどの比較において、ポナチニブは、アシミニブよりもアウトカムが良好であった。さらに、T315I変異を有する患者においては、ポナチニブの有効性アウトカムは、より強化された」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Garcia-Gutierrez V, et al. Front Oncol. 2024:14:1455378.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39634261 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
日本人AML患者の移植後アウトカム、G-CSF投与の影響は移植タイプにより異なる
日本人AML患者の移植後アウトカム、G-CSF投与の影響は移植タイプにより異なる
公開日:2024年12月12日 Konuma T, et al. Am J Hematol. 2025; 100: 66-77.  東京大学の小沼 貴晶氏らは、日本人急性骨髄性白血病(AML)成人患者におけるG-CSF使用およびそのタイミングが移植後アウトカムに及ぼす影響をレトロスペクティブに評価した。American Journal of Hematology誌2025年1月号の報告。  対象は、日本のデータベースより抽出した2013〜22年のAML成人患者9,766例。移植タイプに基づき、骨髄移植(BMT)群(3,248例)、末梢血幹細胞移植(PBSCT)群(3,066例)、単一ユニット臍帯血移植(CBT)群(3,452例)の3つに分類し、評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・多変量解析では、G-CSF投与により、BMT、PBSCT、CBT後の好中球回復が有意に加速することが示唆された。 ・しかし、すべての移植タイプにおいて、グレードII〜IVの急性GVHDリスクの増加が認められた。 ・BMT群およびCBT群では、G-CSF投与により、全体的な慢性GVHDの発生率が増加したが、PBSCT群では認められなかった。 ・CBT後においてのみ、G-CSF投与後の全生存期間(OS)および無白血病生存期間(LFS)の有意な改善が認められた。 ・G-CSF投与のタイミングに関して、4日以内の早期開始は、5〜10日の投与開始と比較し、いずれの移植タイプにおいても造血回復のベネフィットが示されなかった。 ・対照的に、CBT群における5〜10日でのG-CSF投与開始は、グレードII〜IVの急性GVHDリスクの低下およびOS、LFS改善に有意な影響が認められた。  結果を踏まえ、著者らは「AML成人患者に対するCBTにおいては、G-CSFのルーティン使用を検討する必要がある」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Konuma T, et al. Am J Hematol. 2025; 100: 66-77.▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39564683 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本≫ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号)
寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 他4本≫ Journal Check Vol.129(2024年12月14日号)
寒さによる"震え”は、1日〇時間でダイエット効果あり!? 寒冷馴化はインスリン感受性を高めるが、この効果を誘発するにはある程度の筋収縮が必要と考えられる。著者らは、過体重または肥満の男性および閉経後の女性を断続的に寒冷に曝露し、10日間にわたり1日1時間の震えを誘発し、経口ブドウ糖負荷試験、空腹時血糖、トリグリセリド、遊離脂肪酸濃度、血圧への影響を明らかにした。Nature Metabolism誌オンライン版2024年12月6日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む ホエイプロテイン補給で心血管代謝疾患リスクは下がるのか? ホエイプロテインの補給は、心血管代謝系の健康指標を改善するための潜在的な介入として浮上している。著者らは、成人におけるホエイプロテイン補給が心血管代謝プロファイルに及ぼす影響を検討するため、系統的レビューとメタ解析を実施した。Clinical Nutrition誌オンライン版2024年12月7日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む SGLT2阻害薬の副作用は、季節によって変動する? 近年、SGLT2阻害薬の処方は増加している。著者らは、日本で処方されているSGLT2阻害薬6剤の、脱水、脳梗塞、尿路感染症、ケトアシドーシスの季節変動について調べるため、PMDAの医薬品副作用データベース(JADER)を用いたレトロスペクティブ研究を実施した。Scientific Reports誌2024年12月3日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 術前化学療法の感受性が高いのは、月経周期のいつか? 乳がんの術前化学療法に対する反応は、同じ分子型や組織型の腫瘍でも大きく異なることが知られている。著者らは、ホルモン周期が治療効果に及ぼす影響を調査した。Nature誌オンライン版2024年12月4日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む がんの予防やスクリーニングで、どれだけ命が救われたか? がん死亡率は長期的に減少しているが、がん対策における予防、スクリーニング、治療の介入がどの程度寄与しているかは、体系的に評価されていない。著者らは、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんについて、1975〜2020年までに回避されたがん死亡数に対する予防、スクリーニング、治療の寄与を定量的に分析した。JAMA Oncology誌オンライン版2024年12月5日号の報告。 ≫ヒポクラ論文検索で続きを読む 知見共有へ アンケート:ご意見箱 ※新規会員登録はこちら ヒポクラ Journal Check Vol.128(2024年12月07日号) 筋トレに最適な時間帯は、午前?午後? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.127(2024年11月30日号) コーヒーと筋肉量の関係:性別・年代別の最適なコーヒー摂取量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.126(2024年11月23日号) この1時間の追加歩行で、寿命は何時間延長する? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.125(2024年11月16日号) カロリー制限で痩せるのは女性だけ!? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.124(2024年11月09日号) 睡眠スコア改善で、生物学的年齢は何年若返る? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.123(2024年11月02日号) アルコール摂取で寿命は何年縮むのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.122(2024年10月26日号) 運動するベストな時間帯は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.121(2024年10月19日号) 長寿も結局は遺伝なのか? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.120(2024年10月12日号) 老化を遅らせるために、必要な運動量は? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.119(2024年10月05日号) 運動前のカフェイン摂取は、何に効く? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.118(2024年9月28日号) 1日何杯のコーヒーが、心血管代謝性多疾患併存リスク低下に最適か? 他4本 ヒポクラ Journal Check Vol.117(2024年9月21日号) 老化を遅らせる薬、メトホルミン!? 他4本
DLBCL患者における二次性中枢神経系病変の発生率とその特徴は/Blood Adv
DLBCL患者における二次性中枢神経系病変の発生率とその特徴は/Blood Adv
公開日:2024年12月11日 Tolley ER Dr, et al. Blood Adv. 2024 Nov 21. [Epub ahead of print]  二次性中枢神経系病変は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)において、まれな症状で、予後不良因子である。デンマーク・コペンハーゲン大学のElisabeth Reuben Tolley氏らは、二次性中枢神経系病変の発生率および臨床的特徴に関する最新の調査結果を報告した。Blood Advances誌オンライン版2024年11月21日号の報告。  二次性中枢神経系病変の発生率は、二次性中枢神経系病変のない死亡または再発を競合リスクとして考慮し、算出した。二次性中枢神経系病変に関連するリスク因子の特定には、原因別Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・DLBCL患者1,972例のうち、初回再発時に二次性中枢神経系病変が認められた患者は68例(3.4%)であった。 ・二次性中枢神経系病変の粗累積発生率は、1年で2.0%(95%CI:1.5〜2.7)、2年で2.6%(95%CI:2.0〜3.4)であった。 ・高中枢神経系国際予後指数(CNS-IPI)スコアを有する患者における累積発生率は、1年で6.4%、2年で7.5%。 ・二次性中枢神経系病変の最も重要な予測因子は、リンパ節外病変の数と部位であった。 ・リスク増加と関連する部位は、骨髄、心臓、腎臓/副腎、卵巣、精巣、子宮。 ・二次性中枢神経系病変後の全生存期間(OS)中央値は3.2ヵ月。 ・一次治療終了後6ヵ月以内に二次性中枢神経系病変が認められた患者は、6ヵ月以降の場合と比較し、ベースライン時のCNS-IPIスコアが高く、OS不良と関連していた。 ・CNS-IPIスコアが低く、遅発性の二次性中枢神経系病変を認める患者では、予後が最も良好であった。  著者らは「最新の調査結果では、以前の報告よりもDLBCL患者における二次性中枢神経系病変の発生率は低かった。リンパ節外病変の数および部位は、二次性中枢神経系病変の最も重要な予測因子であると考えられる」と結論付けている。 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tolley ER, et al. Blood Adv. 2024 Nov 21. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/39571170 血液内科 Pro(血液内科医限定)へ ※「血液内科 Pro」は血液内科医専門のサービスとなっております。他診療科の先生は引き続き「知見共有」をご利用ください。新規会員登録はこちら
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