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高齢同胞ドナーvs.若年HLA適合非血縁ドナー、PTCy同種HSCTで優先すべきは/Blood Adv
公開日:2025年3月13日
Nath K, et al. Blood Adv. 2025 Mar 6. [Epub ahead of print]
移植後のシクロホスファミド(PTCy)ベースの移植片対宿主病(GVHD)予防を行う場合、同種造血幹細胞移植(HSCT)ではHLA適合よりも若年ドナーを優先すべきかは、不明であった。オーストラリア・Icon Cancer CentreのKarthik Nath氏らは、50歳以上の適合同胞ドナー(MSD)または35歳以下の若年代替ドナーから移植を行った場合のPTCyベースの同種HSCTレシピエントにおける臨床アウトカムを比較した。Blood Advances誌オンライン版2025年3月6日号の報告。
データは、2014〜21年に国際血液骨髄移植研究センターに報告されたHLA適合非血縁ドナー(MUD)、HLA不適合非血縁ドナー(MMUD)、ハプロ血縁ドナーのデータを用いた。カルシニューリン阻害薬(CNI)ベースの同種HSCTについても、研究基準を満たした場合には、同時に評価した。主要エンドポイントは、全生存率(OS)とした。
主な結果は以下のとおり。
・移植レシピエント1万4,662例のうち、PTCyベースのGVHD予防例が3,746例、CNIベースのGVHD予防例が1万916例であった。
・フォローアップ期間中央値は47ヵ月。
・PTCyベースの同種HSCTレシピエントにおける調整後の5年OSは、MSDで44%、MUDで52%(多変量ハザード比[HR]:1.20、95%CI:1.03〜1.41、p=0.09)、ハプロ移植で45%(HR:1.02、95%CI:0.88〜1.18、p=1.00)、MMUDで46%(HR:1.00、95%CI:0.83〜1.21、p=1.00)であり、有意な差は認められなかった。
・MSDと比較し、若年MUDから移植を受けたレシピエントは、PTCy(HR:1.21、95%CI:1.05〜1.40、p=0.048)、CNI(HR:1.09、95%CI:1.04〜1.15、p<0.01)のいずれの予防においても無病生存期間(DFS)の改善との関連が認められた。
・ハプロ移植を受けたレシピエントは、MSDと同様のOSとの関連が認められたが、PTCyのMUDから移植を受けたレシピエントと比較するとOS不良であった(HR:1.18、95%CI:1.05〜1.33、p=0.04)。
著者らは「これらの結果は、高齢レシピエントの場合、高齢MSDは若年代替ドナーと比較し、同様のOSが期待できることを示唆している。若年MUDが利用可能な場合には、DFSの改善が患者に有益な結果をもたらす可能性がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)
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Nath K, et al. Blood Adv. 2025 Mar 6. [Epub ahead of print]▶https://hpcr.jp/app/article/abstract/pubmed/40048743
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